4.《ネタバレ》 原題は「逃げ場無し」とカッコいいのにこの邦題はちょっと意味が分からない。まあそれはいいとして、ストーリーはありがちだけどとても良い。危うげな雰囲気の脱走犯が、子供の勢いに押されてだんだん柔和になっていき、家族になる。しかし本当の家族になるためには罪を償わねばならない訳で、犯罪者が素直に改心し連行されていく姿に和む。そうなんだよ、今回のヴァンダムは悪人なんだよ。その悪人が困ってる人達を見てられなくなっちゃって、成り行き的に善行に傾いていく話なんだ。きっかけは調味料の調達だったとか、美人の着替えを覗いちゃってとか、湖で入浴してるのを子供に目撃されちゃって大きさがどうだの、しょうもない下ネタとB級感がたまらなく牧歌的で親しみやすい映画なのです。あまり大きなヒットに恵まれないヴァンダムですが、これは彼主演の傑作の一つと言っていい。彼が正義を遂行する手段はもちろん格闘。今回はどうやら格闘のプロという訳ではないらしく、しかし掌底を使ったりしていたので多少格闘技をかじった一般人レベルといった所。そこそこ追い込まれます。それがまた素朴さと緊迫感をバランス良く引き立てている。 【にしきの】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2016-09-29 09:43:33) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 邦題がダメ。。水のタンクを倒して火を消したり、バイクで逃げたりしながらも、ドラマ性あるのが好印象。 【山椒の実】さん [地上波(吹替)] 7点(2009-02-09 20:31:57) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 これ以上ないくらいシンプルでありがちな内容なのに、なぜか何回見ても飽きないという不思議な作品。冒頭、固定カメラで護送車を捉える静かなロングショット、そこから一気に脱獄課題を片付ける手際の良さといったあたりで、すでに類例アクション作とは異なってくる予感が漂う。また、この護送車の中の映像に始まり、光と影の使い方が、意外とどのシーンでも丁寧なのです。さらに、シンプルな中にも脚本も丁寧であり、言葉少なにすべてを語り尽くす主人公2人、そしてヒロインがヴァンダムと寝てしまう「ステップアップ」の自然さ(恋敵的保安官の暴走行動が、知らずして逆に後押しになっているという皮肉も込み)といった点も特筆すべきです。逆に、主人公が実は脱獄犯という要因は、ネタとして広げようとすればもっと使えたんだろうけど、あえてそのポイントは最低限に絞ることによって、流れを削がないことに成功しています。最後は冒頭に回帰する(外した手錠がまたかけられる)というラストも、運命と切なさを感じさせて、好感度アップ。そしてそして、忘れてはならない功労者は、ロザンナ・アークエットでしょう。こんな感じの、行動力も意思の強さもあるんだけど、でもちょっと疲れてきちゃった2児の母、という設定に、彼女はずばりはまっています。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 8点(2003-10-28 02:30:34) (良:1票) |
1.ジャン=クロード・ヴァン・ダム作品中、確かに最も美しい作品。何と言っても、ロバート・ハーモン監督ならではのシャープな演出と画面構成のさり気ない才気にヴァン・ダムのアクションが映えて、ほとんど視覚的至福すら感じさせてくれる…とは、ちっとばかし大袈裟ですけど。ほんと、ハマッた時の彼の身体の動きは、ジーン・ケリー(!)に匹敵するんじゃないか。とにかく、単なるアクション映画以上の価値を見る者に与えてくれる作品として推奨いたします。《追記》 先日、ビデオが300円で投げ売りされていたので購入。あらためて見直すと、やっぱりこれが良いんですよ~。いわゆるハリウッドのアクションスターがおしなべて「肉食動物」系であるのに対し、ヴァン・ダムはどこか群れから離れた「草食動物」めいた趣がある。彼のアクションに攻撃性がどこか稀薄なのは、そのせいじゃないかな…。そして本作は、そんなヴァン・ダムのパーソナリティを最も見事に引き出したものであることを、再確認いたしました。よって点数も、8→10ということで。ほんと、ビックリするくらい美しい、そして愛おしい映画なんだけどなぁ・・・ 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-06-03 19:37:41) (良:1票) |