6.ネタバレ 好きとか嫌いとかの前に、客観的によくできた作品だなーと。 無駄がなく、演出が巧み。感動する云々の前に、作品の質に唸らされた(笑) 障害児、同性愛といったテーマに感情移入しづらく、一歩引いて見たかも。 感情移入して見ても、引いた目線で見ても楽しめる作品は、傑作。
あ、一番のテーマは「法が幸せを奪うことがある」ってことだと思います。 法や制度は本来、人を守る為にあるのに、それが上手く機能せず、本人たちが望んでいるにも関わらず(作中なら、マルコは2人と暮らしたがっているし、2人はマルコの親でいたい)「法」によって勝手に望まない状態にされる、理不尽さを描いてるんだと思う。 だからこそ、最後、「法」に関わった人たちに、マルコ死亡の記事が送られるんだろうし…。 同性愛・障害児というテーマを扱いながら、実は法や制度の残酷さ、が一番のテーマなんじゃないかと感じた。 【Sugarbetter】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-12-10 22:44:14) (良:3票) |
5.ネタバレ 人の心に棲む、偏見という悪意の手強さ。「なんなんだ」と観ている間、この思いがずっと離れなかった。いや、裁判所の判事がゲイのカップルに子供を預ける事例に慎重になるのは分かるよ。子供は男の子で、ダウン症で、もしや性的虐待を受けてしまうかもしれないと。だからこそ、彼らを知る人間に証言をしてもらうのでしょ。学校の先生も、事情を精査した調査員も二人が保護者として適格であると証言したのに。にも関わらず保護を認めない。なんなんだ。説明しろ。 極めつけはかつての部下に嫌がらせをしにわざわざご登場の元上司だ。なんなんだ、あんた。法を乱用してまで彼らの主張を折りたいのか。底冷えするような意地の悪さだ。偏見という醜悪さがもろに出ている顔。鏡を見ろ。 とまあ ひとしきり憤慨し、血圧が下がったらつくづくマルコが哀れで涙が出た。こんな問題は今でも山積みだ。でも救いが無いわけではない。二人の愛の形は本物で限りなく優しかった。愛が確実に存在した、その偉大さに心が和らぐ映画でもある。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-05 00:04:50) (良:2票) |
4.ネタバレ この映画はフィクションですか?ならば
「よかった。不幸な子供はいなかったんだ」
・・・などと言えない残念な世の中です。 虐待の果てに命を落とした子供のニュースを見るにつけ、悔しい気持ちでいっぱいになります。 児童相談所に期待するのは止めました。ほとほと愛想が尽きました。 もういい加減「実の親が子どもにとって最良の親である」という幻想を捨てましょう。 子作りだけならサルでもできる。親の役目は産んだら終わりではない。男女ペアの親で虐待してきたんです。 男女ペアだから正常に機能するとは絶対に限りません。
子供の幸せを願いながら育てられる者こそが親です。子供の成長を喜べる者こそが親です。 たとえ血がつながらなくとも、夜中に何度も寝顔を見に行く、危険な場所では手を繋いで放さない、野良猫の 鳴き声を子供のかと心配し、卒業式では泣いちゃう。そんな人がきっといる。 家族という最小単位の社会で優しく見守られ愛情を受けて育った子供は、大人となってもっと大きな社会に 出た時に、同じ愛情を、新たに生まれる命へ施すことができるでしょう。
惨めにも、自分はこの場をお借りすることでしかキャンキャン吠えられない小人です。 極端すぎてアブない奴と気味悪がられても仕方ありません。 でもどなたかの目に触れ、この映画をご覧になって何かを感じ取っていただき、その方なりに考え、伝え、 話し合い、世間に広まり、子供にとって社会が少しでも良くなってくれればという思いで記させていただきました。 マルコが食べたチョコレートドーナツの真ん中には、見えないけれども愛情が詰まっているんですよ。 いつか本当に、不幸な子供がいなくなる日が来ますように。 【ぱいなぽ】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2020-06-30 00:54:12) (良:1票) |
3.ネタバレ 男同士の愛の深さに羨ましさを生れて初めて感じた作品。条理を尽くさない法律家の罪深さを見せつけられる。出所した実母がマルコの前で晒すどうしようもない醜態を、ゲイが養育すると悪影響を及ぼすという判断を下した判事達に見せて感想を聞いてみたい。バッドエンドに呆然となるがマルコの死顔を見せない演出が救い。 |
2.ネタバレ 骨太な感動作でした。ダウン症とゲイのカップルという二つのマイノリティー要素を取り入れながら、世に未だ蔓延る偏見をそれに伴う悲劇を描いています。マルコの為の裁判が、いつの間にかゲイのカップルの監督責任能力の有無についての話に、敵の弁護士が誘導する様には本当にアタマに来ました。日本ではあまり問題視されていないような話でしょうが、未だにゲイに強い偏見が残っているアメリカ、しかも70年代ですから、そのストーリーも非常に実在感あるものになっています。 最後の新聞記事が同封された手紙の演出は素晴らしいと思います。映画を観ていると当然私たち観客は主人公であるルディとポールに感情移入しながら、世間のアレコレに憤りを感じてしまっている訳ですが、あの手紙のシーンで突然ポールから私に語っているかの様に思えました。だって大多数の人々はダウン症の子どもを養っている訳ではなく、同性愛者でもない。結果としてそういう人たちがマルコを死なせてしまったのですから。逆に言えばあの手紙を受け取った人たちの内の一人でもマルコのためを真剣に考えればマルコは死なずに済んだでしょう。そういう部分でも色々と観た後に考えてしまう映画でした。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-09-27 22:24:57) (良:1票) |
1.ネタバレ 偶然出会った三人は、最初から普通の核家族のようだった。夕食のドーナツは体に悪いと言う母、たまにならいいじゃないかという父。勉強を教えてくれる父、寝る前にハッピーエンドのお伽話をしてくれる母。愛情を素直に受け取り笑顔で返す子供。至って普通で、気持ち悪いだなんて全く感じさせないゲイカップルとダウン症の少年。本当に気持ち悪いのは薬中の母と、三人を好奇な目で見る奴らなのに。少し前の時代の話ではあるが、子供にとって何が必要で何が間違っているか、シンプルに考えれば分かることなのに。物凄いジレンマと苛立ちを感じた。マルコが好きなハッピーエンドじゃなかったのがとにかく悲しくてならない。 【ちゃか】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-09-18 16:28:13) (良:1票) |