13.ネタバレ 好きとか嫌いとかの前に、客観的によくできた作品だなーと。 無駄がなく、演出が巧み。感動する云々の前に、作品の質に唸らされた(笑) 障害児、同性愛といったテーマに感情移入しづらく、一歩引いて見たかも。 感情移入して見ても、引いた目線で見ても楽しめる作品は、傑作。
あ、一番のテーマは「法が幸せを奪うことがある」ってことだと思います。 法や制度は本来、人を守る為にあるのに、それが上手く機能せず、本人たちが望んでいるにも関わらず(作中なら、マルコは2人と暮らしたがっているし、2人はマルコの親でいたい)「法」によって勝手に望まない状態にされる、理不尽さを描いてるんだと思う。 だからこそ、最後、「法」に関わった人たちに、マルコ死亡の記事が送られるんだろうし…。 同性愛・障害児というテーマを扱いながら、実は法や制度の残酷さ、が一番のテーマなんじゃないかと感じた。 【Sugarbetter】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-12-10 22:44:14) (良:3票) |
12.ネタバレ 人の心に棲む、偏見という悪意の手強さ。「なんなんだ」と観ている間、この思いがずっと離れなかった。いや、裁判所の判事がゲイのカップルに子供を預ける事例に慎重になるのは分かるよ。子供は男の子で、ダウン症で、もしや性的虐待を受けてしまうかもしれないと。だからこそ、彼らを知る人間に証言をしてもらうのでしょ。学校の先生も、事情を精査した調査員も二人が保護者として適格であると証言したのに。にも関わらず保護を認めない。なんなんだ。説明しろ。 極めつけはかつての部下に嫌がらせをしにわざわざご登場の元上司だ。なんなんだ、あんた。法を乱用してまで彼らの主張を折りたいのか。底冷えするような意地の悪さだ。偏見という醜悪さがもろに出ている顔。鏡を見ろ。 とまあ ひとしきり憤慨し、血圧が下がったらつくづくマルコが哀れで涙が出た。こんな問題は今でも山積みだ。でも救いが無いわけではない。二人の愛の形は本物で限りなく優しかった。愛が確実に存在した、その偉大さに心が和らぐ映画でもある。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-05 00:04:50) (良:2票) |
11.誰かに必要とされ、愛される居場所があることは幸せだと思う。 そんなものは要らないと言うひともいるかも知れないが、少なくとも私はそうではない。 世の中色々あるけれど、すべての人が幸せであってほしいと心から願います。 【SAEKO】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-30 20:01:11) (良:1票) |
10.ネタバレ 法は弱者のためにあるものではなく、識者のためにある。 だからいつの時代も間に合わない。 セーフティネットから零れ落ち、命を落とす者が幾人か出てきて何とか腰を上げる程度。 怒りと悲しみによる、その繰り返しでマシな社会になっていったのだろう。
無名の役者とスタッフが作った、「ゲイカップルとダウン症の少年の話は売れない」と断られ続け、 著名な映画コメンテーターの紹介によって日本でも陽の目を見た本作。 ゲイカップルでなければ、ダウン症でなければ、マルコに語るおとぎ話みたいなハッピーエンドになったのか。
今日も紙面には小さなマスに虐待や育児放棄で命を落とした子供たちの話が載っているのだろう。 変わった障害も性癖もなく、特異な不幸も知らず陽に当たれることがどれだけ幸せで運が良いのか。 偏見とはいえ、いつの時代も幸運な強者が"普通"を作っているのである。 【Cinecdocke】さん [地上波(字幕)] 7点(2022-03-23 22:22:29) (良:1票) |
9.ネタバレ この映画はフィクションですか?ならば
「よかった。不幸な子供はいなかったんだ」
・・・などと言えない残念な世の中です。 虐待の果てに命を落とした子供のニュースを見るにつけ、悔しい気持ちでいっぱいになります。 児童相談所に期待するのは止めました。ほとほと愛想が尽きました。 もういい加減「実の親が子どもにとって最良の親である」という幻想を捨てましょう。 子作りだけならサルでもできる。親の役目は産んだら終わりではない。男女ペアの親で虐待してきたんです。 男女ペアだから正常に機能するとは絶対に限りません。
子供の幸せを願いながら育てられる者こそが親です。子供の成長を喜べる者こそが親です。 たとえ血がつながらなくとも、夜中に何度も寝顔を見に行く、危険な場所では手を繋いで放さない、野良猫の 鳴き声を子供のかと心配し、卒業式では泣いちゃう。そんな人がきっといる。 家族という最小単位の社会で優しく見守られ愛情を受けて育った子供は、大人となってもっと大きな社会に 出た時に、同じ愛情を、新たに生まれる命へ施すことができるでしょう。
惨めにも、自分はこの場をお借りすることでしかキャンキャン吠えられない小人です。 極端すぎてアブない奴と気味悪がられても仕方ありません。 でもどなたかの目に触れ、この映画をご覧になって何かを感じ取っていただき、その方なりに考え、伝え、 話し合い、世間に広まり、子供にとって社会が少しでも良くなってくれればという思いで記させていただきました。 マルコが食べたチョコレートドーナツの真ん中には、見えないけれども愛情が詰まっているんですよ。 いつか本当に、不幸な子供がいなくなる日が来ますように。 【ぱいなぽ】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2020-06-30 00:54:12) (良:1票) |
8.ネタバレ もう何年も前に録画してあったんですが、あらすじを読むとどうも悲しいラストのようで今まで観てなかったんです。 オープニングもラストも人形を抱えて夜の街を彷徨うマルコだもの、あーいやだ、いやだ酷いじゃないの。 結果はどうであろうと海岸で、そしてハロウィーン、誕生日のホームビデオの映像をラストにしないっていうのは何年経とうが懐かしくきれいな思い出にはならないからかな。 作品としてはマルコの存在と権利というより、ゲイへの偏見に対するものが中心と感じました。家を探し何を思い、いったい何日彷徨っていたのか。。。裁判で自分たちの主張が認められなければ絶対に全くマルコの世話ができなかったんでしょうか。 もうやだ、こんな悲しいラスト。 鑑賞後「トーチソング・トリロジー」を思い出しまして、機会があったらまた観たいなあと。NYとロスの違いはあるけど年代は本作とそれほど変わらないと思います。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-20 12:53:27) (良:1票) |
|
7.同性愛者の作品は、自分の偏見でどうも入り込めないのだが、本作も偏見差別で可哀想に、でも世間からそう言われるのは仕方がないかなと思ってしまう自分がいた。彼らの意見は正しかったのに、心が傷む作品。苦手です。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 4点(2019-01-20 19:39:55) (良:1票) |
6.マイノリティは、いつの時代も苦労する。ダウン症、ゲイという社会的少数者は、どのようにこの社会を生きるべきなのか。 当事者ではない僕には、全く検討も使いない問題だ。映画の中での社会のように、問題を権力でひねりつぶすことは簡単だろうが、解決の仕方が、良いのか悪いのかは、全く分からない。男性が男性を愛そうが、染色体が異常でも、人間の根本にあるものは、たいして変わらない気がした。 【杉下右京】さん [地上波(字幕)] 7点(2016-11-14 18:37:16) (良:1票) |
5.いくつかの具体的な問題を提示する、なかなか素晴らしい映画。 ゲイを主題として扱っていて、もすかするとちょっとコメディタッチかと思ったが、かなりシリアスな内容になっている。 惜しいのは、マルコに対する愛情や執着が観ている側にそこまでは伝わってこないことか。 【simple】さん [地上波(字幕)] 7点(2016-11-13 16:19:36) (良:1票) |
4.ネタバレ 男同士の愛の深さに羨ましさを生れて初めて感じた作品。条理を尽くさない法律家の罪深さを見せつけられる。出所した実母がマルコの前で晒すどうしようもない醜態を、ゲイが養育すると悪影響を及ぼすという判断を下した判事達に見せて感想を聞いてみたい。バッドエンドに呆然となるがマルコの死顔を見せない演出が救い。 |
3.ネタバレ ずいぶん昔に「ゲイやレズのカップルが養子を貰って家族を作ってもいいんじゃないか」と考えたことがあります。でもその時、僕自身はその問いに「子どもは良い父(男)と母(女)のもとで育つのが健全なんじゃないか」という価値観に行き着きました。けれど、それが正解だとは思えていなくて「じゃあ、片親だけの子はダメなのかよ」「両親揃ってればどんな男女でもいいのかよ」と問う自分もいます。だから未だに正解は分からないままです。この映画は親がゲイで子はダウン症で、家族全員が世間一般の主流から外れて「正常じゃない」というレッテルを貼られがちな人々なので、そこにどういう意図を盛り込むのかと思って作品を観ていました。子供がダウン症という設定の必要性がイマイチ見えてこないままだと思っていたら、「この世に 背が低く太った知的障害児を 養子にしたがる者はいない」というセリフにガツンとやられました。ダウン症のマルコはろくに自分の権利を主張する能力もなく、一番保護されるべきなのにいつも蚊帳の外で存在を軽くあしらわれてしまう。主人公が「正義なんてないんだな」とボヤいたあとに黒人弁護士が言うセリフが、とても印象的でした。原題の「Any day now(そのうちきっと、すぐに)」は、マルコとゲイカップルが再び家族に戻れる日のことだけではなく、この時の黒人弁護士のセリフにも大きく関わっているのだろうと思います。ゲイカップルについては、仕事を失ったりで大変だなと…女性教師の「たった一人誤った相手の耳に入れば…」というセリフは重かったです。ラストでポールが関係者に出す手紙が泣けました。この映画を観て、レビュー冒頭に書いた自問に一つ進展がありました。何よりもまずは親が子供に愛情を持っているかどうかが一番大事だと思いました。ところで録音機材とか車とかファッション見る感じ、ちょっと過去の時代の話なのかな? 観終わってしばらくしてから、ふと思ったのですが、この映画のような問題が取り払われる法律ができたらできたで、本当に小児性愛者の犠牲になる子が出てくるようなことが起きやすくもなりそうで、難しい問題だなぁと思いもしました。それはゲイとか関係なくですけど、普通に男女の里親でそういうのとか現実にあるのかな? 親をどう審査してるんだろう? 【だみお】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-03-11 19:49:25) (良:1票) |
2.ネタバレ 骨太な感動作でした。ダウン症とゲイのカップルという二つのマイノリティー要素を取り入れながら、世に未だ蔓延る偏見をそれに伴う悲劇を描いています。マルコの為の裁判が、いつの間にかゲイのカップルの監督責任能力の有無についての話に、敵の弁護士が誘導する様には本当にアタマに来ました。日本ではあまり問題視されていないような話でしょうが、未だにゲイに強い偏見が残っているアメリカ、しかも70年代ですから、そのストーリーも非常に実在感あるものになっています。 最後の新聞記事が同封された手紙の演出は素晴らしいと思います。映画を観ていると当然私たち観客は主人公であるルディとポールに感情移入しながら、世間のアレコレに憤りを感じてしまっている訳ですが、あの手紙のシーンで突然ポールから私に語っているかの様に思えました。だって大多数の人々はダウン症の子どもを養っている訳ではなく、同性愛者でもない。結果としてそういう人たちがマルコを死なせてしまったのですから。逆に言えばあの手紙を受け取った人たちの内の一人でもマルコのためを真剣に考えればマルコは死なずに済んだでしょう。そういう部分でも色々と観た後に考えてしまう映画でした。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-09-27 22:24:57) (良:1票) |
1.ネタバレ 偶然出会った三人は、最初から普通の核家族のようだった。夕食のドーナツは体に悪いと言う母、たまにならいいじゃないかという父。勉強を教えてくれる父、寝る前にハッピーエンドのお伽話をしてくれる母。愛情を素直に受け取り笑顔で返す子供。至って普通で、気持ち悪いだなんて全く感じさせないゲイカップルとダウン症の少年。本当に気持ち悪いのは薬中の母と、三人を好奇な目で見る奴らなのに。少し前の時代の話ではあるが、子供にとって何が必要で何が間違っているか、シンプルに考えれば分かることなのに。物凄いジレンマと苛立ちを感じた。マルコが好きなハッピーエンドじゃなかったのがとにかく悲しくてならない。 【ちゃか】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-09-18 16:28:13) (良:1票) |