《改行表示》 8.《ネタバレ》 神々しくそびえ立つ巨躯。体の髄にまで響き渡る咆哮。 満を持してスクリーンに甦ったそれは、まさに「怪獣の王」と呼ぶに相応しく、その存在感は圧倒的だった。 この極めて完成度の高い映画が、映画史上最高クラスの「怪獣映画」であることは、間違いないと思う。 日本が誇る「怪獣」と「特撮」を、ハリウッドの最前線の精鋭である映画人たちが、多大な“リスペクト”をもって甦らせてくれたことに、先ず感謝したい。 「怪獣映画」として、絶賛は惜しまない。 しかし、絶賛の上で、ただ言いたい。 これは……、「ゴジラ映画」ではない。 最大の違和感は、ゴジラが「何もの」であるかということに対する認識のズレだろう。 今作では、絶対的な存在感を誇るゴジラが、その存在感のまま神格化され、文字通りの地球の「守護神」として描き出されている。 この映画単体においてみれば、ストーリー的な違和感はない。 しかし、これが「ゴジラ映画」というのならば、その描かれ方は致命的な欠陥と言わざるを得ない。 ゴジラという怪獣は、“核の化身”でなければならない。 他の怪獣がどうであろうとも、ゴジラだけは決して“古代生物”などであってはならない。 人類自身が生み出してしまった災厄である「核」。その「権化」でなければならないと思う。 ゴジラはいくらその姿が強烈な畏怖の対象であり神々しくあろうとも、決して神格的なものなどではないし、あってはならない。 なぜならば、ゴジラは人類の「業」そのものであり、愚かな人類にとっての合わせ鏡の如き存在でなけらばならないからだ。 だからこそ、人類は圧倒的な力の差を見せつけられようとも、強大なゴジラに立ち向かい続けなければならない。 だからこそ、時に己の身を賭してでも、ゴジラ(=人類)の暴走を止めなければならない。 「ゴジラ映画」におけるスペクタクルとは、圧倒的で悲劇的な「破壊」と、その破壊を生み出してしまった人類が自戒を礎にし、己に打ち勝とうとする様にこそ生まれるべきだと思うのだ。 それこそが、“戦争”と“核”、そして自らの“驕り”によって一度叩き潰された国が、再び進み出すために生み出した“エンターテイメント”だったと思う。 だから、そういう「精神」が根本的に欠けていたこの映画は、少なくとも僕にとっては、「ゴジラ映画」とは言い難い。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-29 23:32:19) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 これは良かったですよ。近年の日本のゴジラ作品のかいじゅう映画感を払拭、見事な映像技術によって活かされたゴジラの大きいこと、リアルなこと!耳をつんざくゴジラの咆哮、わくわくしましたね。人間ドラマはつまんないことこの上ないんだけど、そこを我慢して我慢して、ついにゴジラ現る、の場面は真打登場!の華があって惚れ惚れする出来。ぎりぎりまで引っ張っての放射能吹きには「出たー!」と拍手喝采、全私が感涙にむせぶかっこ良さ。 いいだけ暴れてビルをなぎ倒しmutoをぶん投げる、破壊神の面目躍如。疲れて一休みした後、何事も無かったように海に帰るゴジラ。その孤高の姿、一作目へのリスペクトも感じられて大変よろしい。あまり活躍してない芹沢博士が辛うじてゴジラvs mutoのことを「自然の摂理」と説明していたように、ゴジラは人間を救うためになんかやってきたわけじゃないんですね。日々自然界の昆虫ワールドとかで繰り広げられているサバイバルの営みを特大サイズでやられただけで、人間なんざその中で逃げ惑うしかないんですわ。ゴジラを変に人間の味方扱いしないクールな解釈で、私は好きですね。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-29 00:46:20) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 昨日(2014/07/27)の時点で続編の構想が発表されており(続編自体は米国公開3日後に作成決定)、キングギドラ、モスラ、ラドンが出てい来るという、実質「地球最大の決戦」のリメイクとなるようです。 さて、今回のゴジラ2014ですが、みんなが不満を覚える点も同感で「人間ドラマがつまらないのに長くて怪獣の見せ場をカットしている」点にあるかなと。その為、普通の映画としてみるとふつーな映画で、怪獣映画としてみると物足りなさ過ぎる。 特に最初にゴジラが咆哮を上げる空港でのバトルは、「おお、この構図、どこか(ガメラ2)でみたぞ、いいぞ、殴り合えー!」ってなった瞬間人間サイドにカメラが移って、テレビ放送でちらっと流れるだけ。このせっかくの見せ場のカット手法への不満はウルトラヴァイオレットでも感じたぞw。シスコ上陸ももっと両者の破壊・侵攻を見せようよ! あとは核実験の肯定とも取れる内容とか色々不満点はありますが、やはり上記の不満点が一番かな。 とはいえ、ゴジラの見せ場はかっこいい。タメにタメてようやくここぞという場面で使うその見せ方には、米兵も思わず「おい、今の見たか?」「すげーな!」と逃げてる最中なのに無邪気に?言ってしまうぐらいだwちょっと光線の線量が少ない気もするが、あの背びれの光り方はかっこよすぎる。そしてゴジラの重量感あるれる佇まい。旧ゴジラの大半の作品が出せなかったその重量感あふれるゴジラというのを作り上げた手腕は評価したい。 日本語発音の「ゴジラ」を芹沢博士に言わせるのに監督がこだわった(周囲は反対したとか)というエピソードもうれしい。 見せ場は少ないし人間ドラマは面白くないしそもそも平成ガメラじゃねーかという思いがありますが、日本・米国含めた全ゴジラ作品の中では明らかに上位に来るでしょう。日本版も大半がどうしようもない作品が多いってのもありますがね。 ゴジラファンであり、映画ファンである私から見るとこの映画は「不満は色々あるけどまあまあ悪くは無い映画」という感じか。次回作の地球最大の決戦リメイク?で怪獣大暴れのシーンが増えることを期待 【みーちゃん】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-28 09:26:50) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 いいと思います。原作に思い入れのある方は低評価のようですが(笑) 唐突にゴジラと並走する艦隊のみ違和感ありましたが、普通にハラハラドキドキ楽しめました。 【雲の上から】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-27 00:12:00) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 1954はこの前のデジタルリマスター、昭和はVHS、平成は劇場で見てきたファンです。IMAXデビューをゴジラに捧げてきました。さて、内容はと言うと「荒いなぁ!」の一言でしょうか。チーム・ノーランを支えたレジェンダリーに大いなる期待を込めましたが、得意のヒューマンドラマがイマイチ希薄(芹沢博士の存在感や主人公の微妙過ぎる活躍っぷり)。また、マイケル・ベイやジェームズ・キャメロン等々の名将には独特の味が出るものですが、新人ギャレス監督にはそれが今ひとつ見て取れなかったのが残念でした。先に悪口ばかり書いてしまった様ですが、全体的には満足です。オリジナルに敬意を表しつつ現代に怪獣王を蘇らせてくれた監督にはただただ感謝。グッズ販売コーナーがおじさん達でごった返していたのも微笑ましい光景でした(私もタンブラーを買いました)。ゴジラの咆哮を聞いては泣きそうになりました。ゴジラが出てこない!と言われておりますが後半のボリュームを考えれば丁度良かったと思います。爆撃しても核でも死ななかったクローバーフィールドのあいつを(違うか)完膚無きまで叩きのめしたゴジラは流石!三大怪獣の決戦は圧巻です。怪獣映画の粗探しは止めてこの際楽しみましょう。続編が決まっている様なので絶対観に行きます。 【Kの紅茶】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-26 15:44:14) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 まず今現代にゴジラを一から作り直した作品として実にクレバーな構成だなと思いました。日本映画史に残る54年版(所謂初代)『ゴジラ』においてゴジラは人間など塵に等しいと言わんばかりに大暴れする一種の神や天災のような存在でした。その後、ゴジラが子ども向け映画としての地位を確立するとゴジラは人類の新たなる脅威と戦う、結果として人類の味方として存在するようになりました。今回のハリウッドリメイクはその二つの要素を上手く融合させており、ゴジラのファンにとっては納得できるものではないでしょうか。 また基本的に怪獣の見せ方がとても効果的で素晴らしかったです。閃光弾が空を照らした先にゴジラの全身が映されるシーンや、ゴジラのあの(エメリッヒ版ではなくオリジナル版に近い)ド迫力の咆哮、海からの登場シーンや、サンフランシスコでのMUTOとの対峙、そしてMUTOの首を掻っ切り勝鬨を挙げるシーンなど、怪獣映画やロボット映画にお馴染みの見栄の切り方は本当に格好よく怪獣王を捉えていた。 しかし不満点も多々あります。一番の不満はハッキリ言って主人公です。正直、彼が絡むシーンが本当に邪魔。とうとうゴジラとMUTOが向かい合い「うおぉ!怪獣大決戦だ!」と思ったら主人公サイドに話が移り、怪獣たちの戦いはひとまずお預けとなる。もうね、非常にガッカリしました。そういうシーンが随所にあります。ハイライトとなるサンフランシスコに話が移ってもその傾向は続き、怪獣の戦いが遂に存分に見れるのかと思うと主人公の奥さんが避難場所に逃げ込むのと同時に彼らの大暴れは見れなくなってしまう。主人公が空から降下する場面でも時間が夜であり、また人間である主人公の目から戦いが映されるのでジックリ見れない。最近の『クローバーフィールド』等の怪獣映画ではPOV的な映像が多用されるのでトレンドなのかも知れませんが、個人的には『パシフィック・リム』みたいにしっかりと大格闘を見せてくれる方が好きです。 随所にゴジラフリークを喜ばせようとしている工夫は感じられるし、怪獣映画への愛も感じる映画ではあります。しかしながら主人公絡みの人間ドラマをもっとタイトかつ丁寧にして、家族愛よりも何より怪獣愛を優先していたならば更に高い水準の作品になっていたかも知れない可能性は捨て切れません。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-25 22:29:53) |
2.《ネタバレ》 日本版ゴジラをじっくりと見たことがない(テレビでながら見ならある)ので本家との比較はしませんが、良かったです。エメリッヒ版ゴジラとは雲泥の差だと感じました。本作では、ゴジラはMUTOという怪物を倒します。そういう意味では一見すると人類の味方に思えるかもしれません。しかし、ゴジラはあくまでも目の前の怪物とただ戦っているだけにも見えます。映画の中の人類はゴジラを救世主かもしれないと感じている表現もありましたが、ゴジラは恐らくそんな人類の思惑とは無関係に生物の本能として敵と戦っていたのではないでしょうか。また「敵」として描かれているMUTOも、地球上のいち生物と考えれば人類にその存在を消滅させる正当な権利は果たしてあるのか、オスMUTOとメスMUTOの睦まじい様子や、卵を燃やされて悲しげに咆哮するメスMUTOの姿を見て、そんなことも考えさせられました。渡辺謙演じる芹沢博士の「人類は自然をコントロールしている気になっているが実は逆なのだ」という言葉が突き刺さります。 【MASS】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-25 20:53:59) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 ギャオス映画にゴジラさん、ゲスト出演。 いじょ! (2016/8/6追記)シン・ゴジラを観た後に点数変更しました。 【crushersyu】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2014-06-22 07:13:08) (良:2票) |