4.《ネタバレ》 この街に住める私たちは幸運だ。戦争で他の街は破壊されたという。私たちの祖先は、平和を守るため5つの派閥を作った――。「博学」知識や論理を重んじる彼らはあらゆることを知っている。「平和」彼らは農作業を担当、親切で仲良しでいつも楽しそう。「高潔」正義と秩序が信条の彼らは、常に真実を語る。「勇敢」彼らは私たち市民と街を守る警察であり軍人だ。私はずっと彼らに憧れていた。私の派閥は「無欲」、簡素な暮らしと奉仕の精神を大事にする。堅物の私たちは他の派閥から信頼され、政治を任されている。そう、これから大人になろうとしている私たちは、今日人生を決める適性検査を受けることになる。自分の属する派閥が診断されるのだ。だが、私はこの時知らなかった。自分がどこにも属さない、将来体制を揺るがすとして怖れられている“ダイバージェント(異端者)”であることを…。終末戦争後の荒廃した未来社会を舞台に、そんな特異なシステムによって支配された世界で「異端者」と診断された少女の恋と成長と戦いをダイナミックに描いたSF作品。こういう設定勝負のSF映画って、どれだけその設定に説得力なりリアリティなりを持たせられるかが勝負となるものだけど、いやー、見事なまでに破綻しまくりのアホ映画でしたね、これ。敢えていちいち言わないけど、もう設定のおかしなところや突っ込み所を挙げていけば鼻血が出そうなほどいっぱい有りまくりで、僕は最後まで苦笑いの連続で顔面が引き攣りそうでした(笑)。冒頭の訓練シーンの間延び具合とか半端ないっしょ!確実にいらんシーンが30分はあったし。それに物語の重要な核となるであろう「異端者」の体制を揺るがすという謎の能力の正体も、〝洗脳薬が効かない〟だけって…、なんやねん、それーー!!他にも「え、んなあほな~!」やら「どうしてそーなるの!!」やら「お父さんとお母さん、お涙ちょーだいのために出しただけやろ!」やら「最後は、『やっぱり愛が世界を救うんだよね、うむうむ』ってナメとんのかーー、こらーー!!」と血管切れそうでした。今作といい、いまやトンデモお馬鹿映画として映画史にその名を刻むであろう某『ハ〇ガー・ゲ〇ム』といい、こういう観客にへりくだったような猿でも分かるだろ的中2病アホ映画が最近ちょっと多過ぎるような気がします。良識ある映画ファンを自任する僕としては、こんなお馬鹿映画がこれからの映画界の新たなメインストリームにならんことを祈るばかりです。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 4点(2015-06-09 01:47:13) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 この作品には「高潔」がいるのに「博学」の暴走を批判するという描写はなく、「平和」がいるのに「博学」と「無欲」の争いを憂えるという描写もない。 5種類のケーキを買ってきたのに、3個だけ食べて2個冷蔵庫にしまったまま腐らせたというのと同じくらい、素材の料理方法がヘタくそです。 そして一番アウトだったのが、前半にたっぷり時間をさいて描く「勇敢」のスポ根ドラマ。 同期生との友情、ステキな先輩との淡い恋、厳しい訓練、鬼教官、ライバルのイジメ・・・。 そこのところは、まったくスキなく完璧に描ききっています。(スポ根に興味のない私なので、だるさが尋常ではありません。) そしてようやくスポ根攻めが終わったとホっとしたのも束の間、後半ではノンストップ”ツッコミ場面攻め”が襲ってきます。 まるでバレー部の鬼コーチが部員である私にレシーブ練習で”ツッコミ場面”という名のボールを次々容赦なく叩きつけてくるように。 そう、結局この映画は”退屈”なトレーニングを途中で投げ出さない忍耐力を鍛え抜いてくれる、ガチのスポ根映画だったのです。たぶんな。 【フィンセント】さん [DVD(字幕)] 1点(2015-03-25 11:08:11) (笑:1票) |
《改行表示》 2.企画自体の“意図”を理解せぬまま観ていたので、SF映画としての何とも言えぬ程度の低さと、軽く浅はかな人物描写の“正体”を見極められぬまま、この完成度の低い映画を観終えた。 悲壮感が漂うべきディストピアを描きながら、全編通して滲み出てくる軽薄さの正体。 それは、この映画が“ティーン向け”の企画であるということだった。 ストーリーの大部分を半ば意味不明に占める“学園モノ感”、ありがちな“スポ根感”に、薄っぺらい“友情”と“裏切り”と“恋模様”。 どうしてこのディストピア映画には、こんなにも無駄な要素が散りばめられているのだろうと、終始感じ続けた違和感の正体こそが、“ティーン向け”という一言に集約される。 「ああ、成る程」と、変な具合に合点がいってしまった。 終末戦争を経て、人間を5つの精神的なカテゴリーに分別し管理する社会という発想は、説得力には欠けるけれど、この手のSF映画の設定として悪くはないと思えた。 この設定を礎にして、人間の持つ本質や社会の哲学性が導き出されることを期待した。 が、当然ながら、そんな気の利いたストーリー展開が用意されているわけもなく、ただただ浅はかで、冗長なストーリーに終始していた。 誰が見ても明らかだろうが、物語の根幹であるはずの“5つの派閥”という設定が全く生かされていない。 「無欲」出身の主人公が、「勇敢」に鞍替えして、「博学」の横暴に立ち向かうという展開なわけだが、残りの「平和」と「高潔」は何をしてるんだというくらいに描写が皆無である。 というよりも、映画のほぼ8割方は、「勇敢」に属した主人公らの“学園青春ドラマ”を延々と見せられる。 そもそも、「勇敢」の阿呆ぶりは最初からヒドくて、どうして主人公が彼らの生き方に憧れを抱くのかあまりに理解不能であった。 どうやら「ハンガー・ゲーム」のヒットを受けて、二番煎じを狙った企画のようだが、主人公の女の子は、残念ながらジェニファー・ローレンスにはなれないだろう。 そして、どうしてケイト・ウィンスレットはこんな映画に出ちゃったのか……。 最後に、あの派閥選択の儀式は時間がかかりすぎるだろうから、やり方を変えた方がいいと思う。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2015-03-22 21:52:06) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 最近の映画界では、ヤングアダルトはバカにできない顧客層となっているようで、「ハンガー・ゲーム」や、チョイ前では「トワイライト」などが、いずれも大ヒットを記録した。本作もその流れを狙って制作されたヤングアダルト向けのアクション大作である。 ティーン以外の大人層が、このストーリーを楽しめるかはいささか疑問だが、キャストは結構豪華だし、そのシリーズを通してブレイクしそうな若手の出演など、それなりに見所はある。「ダイバージェント」は、その点では中々楽しませてくれる。 主演はシェイリーン・ウッドリー。ジョージ兄貴主演の「ファミリー・ツリー」で、眩しい水着姿を披露した子だ。 その親友を演じるのはレニー・クラヴィッツの娘であるゾーイ。「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」に出ていたので、顔を覚えている人も多いだろう。更にシェイリーンの兄を演じるアンセル・エルゴート(新キャリーに出てた。)は、新作でシェイリーンと再演。イケメン俳優テオ・ジェームズも存在感があり、若手キャストにはいい面子が揃っている。 内容はというと、特にひねった展開もなく、大きなミスもないが典型的すぎる出来だ。 性格によって分けられた集団が、秩序を保つ世界に、どこにも属さない異端者が現れたことによって、世界が揺れ動くというお話。主人公はもちろん異端者ダイバージェントだ。 「イケメン吸血鬼に惚れられたアタシ」、「殺し合いゲームに抜擢された悲劇のヒロイン、アタシ」など、いつになっても中二びょ…、ヤングアダルト層は「特別な自分」が大好きだ。 ともかく主人公は異端者であることを隠すため、派閥を選ぶことにになり、一番楽しそうな「勇敢」を選択。そりゃそうだ。あのポッター君だってレイブンクローに入ってたら、冒険にもでなかったろう。本作は、リア充集団に入りたいという観客の願望も、しっかりと満たしてくれるわけだ。 この後は、鬼教官とダメ生徒の恋愛という、どこの図書館戦争と言いたくなる展開。背伸びして政治問題を絡めるものの、結局はショボいクーデターに納まっちゃうのも、この手のヤングアダルト映画っぽいところだ。 性格診断ですべてが決まるという斬新な世界観を提示したが、ふたを開けてみればヤングアダルトのテンプレ的内容。つまらないわけではないが、凡作といった印象か。 あと久しぶりにみたケイト・ウィンスレット…、デカっ! 【サムサッカー・サム】さん [試写会(字幕)] 5点(2014-07-06 01:06:42) (良:1票) |