4.作品冒頭に大きく提示されるシーザーの顔と、ラストに再び登場する彼の顔。その2つの表情、何がどう違うのか、一度並べて見比べてみたいくらいに(笑)、まったく違う印象を受けるんですね。え、顔に何か塗ってるか塗ってないかの違いだろって? ああなるほど。じゃなくって、冒頭の彼の顔はどう見ても類人猿の顔である一方、ラストの彼の顔は、人間の顔として描かれている印象です。理性や知性を持っただけではなく、それらが持つ裏側(例えば仲間に対する裏切り)の存在を目撃した彼は、もはや無垢な存在には帰れない。その悲しみをも感じさせます。無論これは、中盤で描かれるさまざまなドラマや戦いがあってこその印象なんでしょうけれども。次作、はたして類人猿たちは、どのような表情でこの物語の続きを語ることになるのか。 【鱗歌】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2015-08-24 12:57:53) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 「猿」という遺伝子的に人間に極めて近い種が支配する惑星という設定は、常に「人間とは何か」「猿が知性をもった時、人間と猿の違いはどこにあるのか」という命題を突きつけてくる。本リブートシリーズの根底に流れるテーマもまさにそれだろう。今作では「信頼」と「疑い」というキーワードを通し、図らずも猿たちが人類と同じ歴史を辿ろうとする軌跡が描かれている。だからこそ、シーザーの「猿も人間も同じだった」との嘆きが悲しく胸に迫る。まさしく本作はシーザー達を中心に展開しつつも、問われているのは人間存在のあり方であるところに秀逸さがある。本作はそれに加え、CGとモーションキャプチャの高度な融合により、猿たちを自然に描写する視覚効果のレベルが凄まじく、オリジナルの時代を考えると隔世の感があり、大変見応えがあった。 【田吾作】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-03-13 10:40:18) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 いや~ほんとすばらしいですね。このシリーズは、脚本が実によく考えられている。ある種の誤解で人と猿が争うことになっていくその過程に、なんだかウルウルきてしまう自分がおりました。10年経って、エイプたちはコミュニケーション能力も発達し、木で作り上げた要塞みたいなものも作り上げて、まさに文明の夜明けのようなところまで進化しています。前作は、人間にも動物的なところがあるんだ、という内容でしたが、本作はエイプのほうも人間的なところがあるんだ、というような感じでしょうか。後半のロケット砲やら戦車やらのシーンは見応えありましたね~。エイプのCGもさらにリアルになったようで、見事と言うほかありません。私はシーザーの悩ましい表情にすっかり釘付けになってしまいました。ここまできたら、もうCGキャラにもアカデミー主演男優賞あげていいんじゃないかしら?いや、あげるとするならモーションキャプチャーで演技してる役者さんにあげることになるのか?とにかく、素晴らしい出来です。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-02-07 23:21:46) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 「エイリアン2」じゃないけど、「今度は戦争だ!」って感じの内容です。「銃を持ち、撃つこと」がいかにショッキングで、後戻りできない行為であるか、まざまざと見せつけられました。コバはコバなりの理由で行動していましたが、それでも銃を持つ姿は背筋が冷たくなります。ハリウッド映画は銃を撃つシーンがあたりまえのように沢山ある中で、この「銃描写」は久々に印象に残りました。 あと、ゲイリーオールドマンの「人類を救う」という言葉のむなしさ。一昔前の映画なら、圧倒的に正しい主人公のセリフだったはず。それが視点を変えればまったく違う印象になってしまう。もう、こんな台詞は嘘くさい時代になったんでしょうね。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-10-07 12:33:00) (良:1票) |