5.《ネタバレ》 この鉄人兵団の何が素晴らしいかって、話自体は小さな子どもには理解できなくても、他の部分でしっかり楽しめるように出来ていることだと思います。 大人はのび太やしずかちゃんのリルルに対する思いやり、リルルがその優しさに触れて人間という生き物の素晴らしさを学ぶ事、そしてラストのリルルとしずかちゃんとの会話に象徴される人間とロボットの和解に感動できます。子どもはザンダクロスと鉄人兵団との戦いに興奮できるでしょう。 最後のリルルの死(リルルはロボットですが、彼女は壊れたのではなく、死んだのです)は涙なしには私は観られませんでしたが、感動を全く押し付けてくる感じが無かった事も良かったです。私のドラえもん映画のマイベストです。 【民朗】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2008-08-05 15:44:05) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 「涙なんか流すロボットなんて変よね」「僕も涙を流す装置が欲しい」などの台詞が、のちにハリウッドを代表する超大作にて、ジェームスキャメロンとアーノルドシュワルツェネッガーによる「人間がどうして泣くのか分かった。俺には涙を流せないが」というパクリ名台詞に繋がっていることは言うまでもない。 民明書房刊「SF映画超辞典」より。 【MacGyver】さん [映画館(邦画)] 10点(2012-07-21 00:17:18) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 妻投稿■■よく一方的に子供が殺されて「戦争ってかわいそうだよね」「だから戦争はしちゃダメだよ」で終わるアニメって流されるけど、この映画も目指すものは変わらない。しかしこの映画は、ただ悲惨な状況を見せて大人の事情をうやむやにしたまま「戦争の恐怖」を子供たちに叩き込むような作品ではなく、その前の段階の「忍び寄る戦争の怖さ」を描きながら、「なぜ戦争は起こるのか」「それとどう戦っていくか」までを責任を持って自分なりの答えを提示した良心的な作品だと思う。■■何より私が感心したのは、敵側がカッコいい兵器を持っていて、かわいい女の子が活躍していて、奴隷解放と自由と民主主義を信じている事だ。そんな彼らがどうしてこんな怖い奴らになってしまうのか(直接見慣れた街を破壊するのではなく、「そこを素通りして都心中枢を爆撃するために大量のトンボのように見慣れた街を通過していく」というシークエンスは「これから私たちの住む世界で侵略戦争がはじまる」という事をリアルに表わしているようでとても怖い名場面)という疑問の結論を、この映画は多分ドラえもん史上もっとも美しい名場面で読者に提示しているのだと思う■■最後、ドラえもんの活躍ではなく、ある種都合のいい展開のために地球は救われる事になるのだが、別に「根性」「勝利」を描く趣旨の映画ではないのだから、私は別にかまわない。圧倒的な武力の前に故郷を征服される絶望、民主主義国家の国民だからこそ持つべき人間愛を、多分戦争になったら立ち位置が大きく変化してしまうであろう男の子sideと女の子sideのそれぞれから、悲しみと涙で描いてくれているから。 【はち-ご=】さん [DVD(邦画)] 10点(2010-03-07 11:37:32) (良:1票) |
2.何度見ても10点以外有り得ない「ドラえもん」映画の名作中の名作。何気ない一つ一つの言葉に、藤本先生の隠されたメッセージが込められている。子供の頃にはそんなことは思わずに素直に本作を見ていたけど、成長して本作を見返した時にそのあまりのメッセージ性の強烈さに驚嘆したことは今でも忘れない。最近久々に見返して、またもや泣いてしまったよ。何よりSFとしてよく出来ているし、ロボットの大群や、東京大破壊のシークエンスは心躍る。そして言うまでも無く、ラストの展開は、名曲「私が不思議」と相まって涙なくしては見られない。画面と音楽の一体感。最高だ。 【ドラりん】さん [映画館(邦画)] 10点(2007-09-05 14:36:45) (良:1票) |
1.現在のドラえもんからは想像が出来ないくらいにレベルが高かった80年代の劇場版ドラ映画。そしてその中でも特に最高傑作と誉れ高い「鉄人兵団」。これはドラえもんというよりも一人の少女型アンドロイドの葛藤の物語です。ラストからエンドロールにかけての流れが主題歌「わたしが不思議」と相成って逸品で、子供よりもむしろ子供にいやいや付き合わされて観に来ていた大人達の方が泣いていたのを覚えている。とにかく自己犠牲物の中では間違いなくトップクラスに位置する作品でしょう。 この頃のドラえもんを知らない方には是非観てもらいたい作品です。 【落武者】さん 10点(2004-07-03 22:24:09) (良:1票) |