8.映画館で2回、ブルーレイで2回鑑賞したが、この映画におけるハンス・ジマーの仕事はかなり貢献度が高い。オルガンのもつ複雑かつ重厚な旋律を活かしたサウンドは、不安と緊張感の絶妙なバランスを映画全体に一貫して保っている。ライオン・キングでオスカーを受賞しながら、バック・ドラフト、クリムゾン・タイドなどアクション大作でエンタテイメント要素を活かしつつ、シン・レッド・ラインではテレンス・マリックの難解な哲学的戦争映画に安心感を加えた。グラディエーター、ハンニバル、ブラックホークダウンにおけるリドリー・スコットとの大作コラボを経て、現在、C・ノーランと新たな映画サウンドを作り上げている。J・ゴールドスミス、J・ホーナー亡きハリウッドにおいて、J・ウィリアムズを継ぐコンポーザーは彼しかいないのではと思わせる。そういう1作です。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-07-06 22:14:29) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 実はSFという題材すら映画を形成する一つのモチーフに過ぎず、要するには人間の愛の物語だと思います。正直に言うと、飛び交う会話は私の凡庸な頭脳では理解できないものも多かった。瞬時では状況が呑み込めない場面もいくつかはあった。それでも、170分という尺の長さは全く感じさせないし、観終えてみれば大満足だ。結局はこの内容を超一級娯楽映画に仕上げてしまう、クリストファー・ノーランの手腕なのだろう。映像美に圧倒され、広大な宇宙へのロマンに思いを馳せ、人間の愛の偉大さに涙する。そして高揚感と余韻冷めやらぬまま映画館を後にする。思わず、あたりの光景を見渡してみる。夜空の星は美しく、あたりには砂塵なども舞ってはいない。さっきまでの体験が映画の世界であったことに安堵する。まさに至上の映像体験でした。 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-12-23 17:15:40) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 この極めて有名なSF超大作を、とあるきっかけで恥ずかしながら今回初めて鑑賞しました。皆さんのレビューの全てを読破することなく書かせていただくことをお許しください。
総じて言えば、作品としての長さを全く意識させられない優れたSFエンターテインメント作品、或いはスペクタクル作品だと思います。3時間近い長尺ながら、殆どテンションが途絶える間もなく一気に進められていく展開、ストーリーテリングには脱帽です。
監督御自身も「2001年」へのオマージュといった意味合いのことをおっしゃっているようですが、「静」の「2001年」、「動」の本作、或いは、哲学的な解釈の元に製作された壮大なスペースオデッセイである「2001年」、物理・科学の原理原則を盛り込みつつ「愛」をモチーフとしたヒューマンドラマである本作、というような対比も出来るのではないかと思いました。共通しているのは「大いなる存在に導かれて進化していく人類の未来」を描いた作品と言うことでしょうか。
最も印象的だったのはラスト近くに登場する四次元空間。時間が並立する(パラレルワールドが集中している?)空間の存在は、この物語が決してタイムパラドックスのような矛盾が生じることのない理論に基づくものであり、個人的には大いに賛同できる部分でした。
基本的にはエンターテインメント作品と思いますので、超が付く程のピンチを次々と奇跡的にクリアしていく展開はスリリングで大いに楽しませていただいたのですが、強いて疑問を言わせていただくならば「地球環境が壊滅的な状況となり人々が食糧確保のために農業に勤しんでいる」というそもそもの設定に寧ろ非現実的な印象がありました。ありがちかも知れませんが、やはり壊滅的な結果をもたらす争いは避けられないような。
加えて、相対性理論や量子力学など本来であれば相当高度な理論に繋がるキーワードが多々登場するものの、平易な解説は(ある意味当然かもしれませんが)省略されている為、その部分で置いてけぼりになる人も多いのかなと。
とは言え、高評価も素直に頷ける良作であることは間違いないですね。9点献上します。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 9点(2023-02-13 15:37:16) (良:1票) |
5.ようやく長尺を覚悟して観ました。 前半がやや難解ながらも後半までたどり着けば 幼少期からドラえもんに触れてきた人ならば理解しやすいかも。 長尺ながら果てしない話をテンポよく行ってくれたので観やすかった。 数学的物理的な話はチンプンカンプンだけど言いたい事はわかったし。 TARSが走り出したところ感動した。 それまでは「なんつー機能性のないデザイン」なんて思ってたので。 一家に一台TARS欲しいな。 【movie海馬】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2021-09-17 17:29:05) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 もう一度ゆっくり鑑賞したいと思わせてくれた作品。できれば大画面で。
169分という3時間近い長編ながら、2001年やゼロ・グラビティ等の様な冗長さは感じさせない構成になっており、 展開は以外に早く見るものを飽きさせないのは流石ノーランだと思った。次の決断をしてミッション遂行までの テンポが良いのだろう。また息を呑むような映像とゾワゾワとした畏怖が見るものを惹きつけるのだろう。
最初の本棚のシーンは何かの啓示であることは予測できるが最後に繋がるとは思ってなかった。もちろんクーパーが 宇宙船から脱出したシーンで「あっ」っとなって感慨深かった。娘マーフも幽霊ではないことには気づいていたが、 それが何かは幼少期に気づくはずもなかったが、あの時の父親クーパーの思いを考えると胸が一杯になった。
口数の多い木偶の坊と思わせたTARSが、様々な場面で有能なのも良かった。というかTARSがいなきゃ全滅してた。 -1点は僕の理解が浅いのも理由としてあるとは思うが、様々な解説を読んでも納得のいかない部分があるから。 マン博士の孤独も嘘の信号もプライドもあるとは思うが、あの様な行動に出る必然性が低いかな?もちろん彼が プランCなるものを画策してたならわからないでもないが、それにしても一人では生きて行けない。有能な仲間を 殺害する利点が何一つ無い。と僕は思った。理屈通りにはならないのが人間の愚かさでもあるが。
いずれにしても21世紀SF映画の金字塔として推薦できる作品だと思う。 【hibari_21st】さん [インターネット(吹替)] 9点(2021-05-07 17:40:36) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 ノーラン先生の「メメント」、「インセプション」などで鍛えられているので、これくらい「時空のねじれ」や「科学的見解」もすんなり受け付けられます。でも、いつも敬服してしまいます。あの部屋へ通じているのはもっと5次元を操れるようになった誰か(They)がしてくれていること。あと、つきつめていくと、TARS型ロボが最高峰なんでしょうね。笑えました。メイキングもっと見たいです。数十キロの重りをつけてプールをひたすら歩くってネタバレを読んでしまいましたが、あのシーンだったんですね。この映画にかかわった方々みんなに感謝したいです。満点ではないのはGravityと比べたところの浮遊感と、ラストが少々駆け足だったことへの些細なことばかりです。以上本当は映画館で見たかったです。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-07-13 17:36:07) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 初めてレビューを書きます。これは書かねば、と思わせる映画でした。21世紀になってからもっとも印象に残った宇宙もののひとつ。でもって、やはり行きつくところは2001年なんですね。ストーリー、映像、演出、どれも45年前にキューブリックがやっちゃってる。本作でも、コンピュータとの対話、本棚の裏の異次元空間、末期の病床シーンなど、2001へのオマージュと思わせざるをえないシーンが散りばめられ、教科書、いやバイブルとしての2001の偉大さを改めて感じさせてくれました。量子データとやらから方程式、クーパーステーションへとどうつながったのか、あれが果たしてプランAで全人類が救われたのかなど、最後は理解が追いつきませんでしたが、2001も最後は何度見ても完全には理解できないので(なにせ超人ですから)、そのうちブルーレイが出たら4Kテレビ買って何回もワクワクしちゃおう。あと、マイケル・ケインは僕にとってS.マーティンとの佳作「だまされてリビエラ」の印象が強すぎて、何をやっても胡散臭く見えてしまうのだけれど、今回も見事にペテン師だったのでちょっと安心。 【km】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-01-04 23:40:39) (良:1票) |
1.まさにジェットコースターのような映画でした。正直、プロットはあまり理解できませんでした。宇宙船内で繰り広げられる会話に関しては10%くらいしか理解できなかった。これは自分の頭の鈍さが最大の原因なんですけれども、そんなことがどうでも良くなるくらいに「面白かった」んですよね。興奮しっ放しだったんです。前半はそれこそ高波のように迫りくる科学的情報の量に圧倒されてノレなかったのですが、後半のあの疾走感!爽快感!そして不覚にも涙腺が緩む展開!絶頂でした。完全に我を忘れてしまって映画の世界に入り込んじゃうと、他の点はどうだって良くなるんですよね。映画鑑賞って、結局は「体験」ですから。 【Y-300】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-11-30 23:08:45) (良:1票) |