6.《ネタバレ》 もともとこの手の「なんちゃってリアル的SF」は好物。『ゼログラビティ』や『オデッセイ』など、それなりに理屈っぽい設定とそのわりには大ざっぱなエンタメ部分のバランスが魅力的だった良作群から見ると、今作はどっち方向からもやり過ぎた感がある。序盤はけっこう理屈で押してくるのに、ブラックホール以降はぶっ飛んでしまって、そもそもの設定は何だったんだろうと思ってしまう。長尺ではあっても退屈はしなかったけれど、マン博士の件や兄妹間の微妙な関係などは物語を冗長にしちゃった感じはするし、個人的にはラストのクーパーの「帰還」後のエピソードは完全に蛇足感があった。そもそも父娘の「再会」は必要だったか? 自分としては、時計のモールス信号だけで十分に「再会」は果たされていて、けっこう感動してたのに・・・。救出の経緯もよくわからないし、アメリアのその後の描き方だったら他のやり方もあっただろう。あそこで、ちょっと冷めてしまったというか物語から突き放されて、エンドロールを迎えてしまった感じ。総じて、娯楽系の正統派なSFとしてしっかり楽しめたけれど、あとでいろいろ考えると、うーむと言わざるをえない。それもひっくるめて、ノーラン監督らしい映画ということはできるかもしれません。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-15 15:41:34) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 クリストファー・ノーランて監督さんの作品にはどっちらけることばかりだったので、ストーリー的には興味あったものの手が伸びずにいました。ようやく100円でレンタルできるようになったので、ハズレでもOKとレンタル。結果、お話は気に入りました。ノーラン監督に対する激しい警戒心が少し減りました。ただ監督したのではなく、この話をノーラン自身がライティングしていることも評価。ただ、『2001年宇宙の旅』の「ツァラツストラはかく語りき」の最後をサンプリングしたかのようなBGMが、主人公が窓の外を見つめるシーンで仰々しく響いてきて「これ、音楽で騙そうとしてない?」という気分に襲われました。それからずっと、それほどドラマ的に盛り上がるところでもないのに、ダラダラと雰囲気ごまかし音楽が仰々しく流れ続け、とっても耳障りで邪魔でした。長い時を経て娘と再会するその瞬間も『2001年宇宙の旅』。そういうところが、「まだ、彼の作品を劇場代払ってまで観るのはどうかなぁ?」て気持ちにさせました。話のつくりとして、アポロ計画捏造説が前提の設定や、絶望的な展開が2度畳み掛けたり(マイケル・ケインの死直前の告白、マット・デイモンのしたいこと)、ある惑星での1時間の活動が地球上の7年間という相対性理論上の具体的描写展開、物理科学と愛情や運命をリンクさせたところは拍手です。『コンタクト』や『オーロラの彼方に』などの既視感もあるにはありますが、観て良かったです。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 6点(2015-08-12 21:52:07) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 ハードSFのストーリーを一生懸命に追いかけていたら、後半ものすごい勢いで大林宣彦風センチメンタルSFが追い越していったという印象です。少しボーゼンとしましたが、いや嫌いなわけじゃないですよ。「時をかける少女(1983)」好きですし。時間を超えて、また会えるんだ。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-04-29 21:28:23) (笑:1票) |
3.《ネタバレ》 SFものに慣れていないと、設定や専門用語を理解するのにかなり手間取る。 特別好きなジャンルというわけでもないので、ピンとこない論理や展開も多かった。 考えるのが途中で面倒臭くなって、よくわからないまま観ていたが、それでも父と娘の葛藤を乗り越えての再会には胸を打たれた。 犠牲的精神から宇宙に旅立ったマン博士が、自分が助かりたいがために心変わりして他の者を犠牲にする姿には、嫌悪感が募って反吐が出る。 人間ドラマの部分はしっかり描けていたので、SF的な理論を理解し納得できていたら、きっともっと感動したような。 もともと関心のある人ならどっぷりハマりそうな世界観。 サスペンス性もあるので、最初から最後まで目は離せない。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 6点(2015-04-19 22:43:10) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 3時間近い長さを、飽きずに魅せる力はさすがでした。ただ3時間必要な物語だったかといえばやや別の話で、特に長く感じたのはエピローグ部分。あそこに時間を割いて物語をキレイにまとめてしまったのはやや興醒めでした。個人的にはInceptionのようにエンディングはぼやかして余韻を残してもらった方が好みですし、その分の浮いた時間をNASAに迷い込んでから宇宙に出発するまでの、家族内の描写に使ってほしかったです。各シーンを丁寧かつ凝った描写をする分、上映時間が長くなりがちなところがノーラン監督の欠点だと思っていますが、本作もそうでした。また配役についていえば、マシュー・マコノヒーは本当にクーパー役にベストなキャスティングだったのか?やや疑問。 一方でノーラン作品に多い、細かくカットを入れて複数のシーンを切り替えながらテンポよく魅せる演出は健在で、映像の美しさや魅せ方もさすがです。わかりやすいとは言えないストーリーと、先が読めない展開も彼の作品の魅力的な点であり、資産の一つだと感じました。TARSのような、目や心を惹きつけるキャラクターの設定も素晴らしく、映画に対するセンスの高さが現れています。新作がリリースされるたびに必ずチェックしておきたい監督の一人です。 【Thankyou】さん [映画館(字幕)] 6点(2014-11-30 03:12:12) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 映画館で見て正解。映像美のノーランの宇宙モノなら絶対大画面だろうと思いまして。思ったよりがっつりSFでなかなか面白かったです。ゼロ・グラビティの様な死体バーン!で驚かすシーンがないのもよかったです。見所は色々ありましたが、あの水の星での「数時間前に死んだんだ」「27年ほど無駄になった」というあの絶望感、ブラックホールの中でのスターゲイト(?)から4次元世界、秒針の伏線、ここらは鳥肌ものでした。あの空間のゆがんだところとか、絶対にキューブリックが引き合いに出されるに違いないのに勇気をもって踏み込んだノーランには拍手を送りたいです。あとTARSの愛らしさ。マンの非人間的な印象が強くなるほど可愛いAI。あのクルクル走るシーンはおおって感動しました。不満点としては女性キャラクターの描写が浅くて全然感情移入できなかったこと、脚本にメリハリがないこと、重要な状況説明がセリフだけでサラッと流されて展開がわかりにくいところ、あまり意味のない戦いの場面(インセプションの雪山バトルを思い出しました)が長いこと、でした。 【kiryu】さん [映画館(字幕)] 6点(2014-11-23 00:51:52) (良:1票) |