5.《ネタバレ》 どうせ乳ではなく父のくせして チチを撮りにという奇をてらい過ぎた感のあるタイトルが好きになれずに今までずっとスル~。 だが今回、先に何も関係もないところで見てしまった冨永昌敬監督のローリングという作品に出演されていまして そこでとてもセクシーな役柄演じてました柳英里紗という女優が気になってしまって彼女の出演作を遡ってみたいという思いからここに辿り着いてしまったという経緯。 だがしかし、それが功を奏した形となってしまい 嬉しく思えてしまった今に至り、。
さてとそんな、チチを撮りにという この作品の評価やいかに・・
良いお話であったとか感動してしまったとかいう言葉は使いたくない。 でも実際には、有るところでは有り得る話であり、実にリアルな話で泣けてくる。 でもそんなシュールなお話を娘二人が泣けるどころか笑いと真面目さに変えて見事にやりきってしまっていました。 そして陰ながらぶっとい骨格像となっていたお母さん然り、突然現れた姉二人の前では子供らしさと素直さと切なさをフルに醸し出しきってしまったかわいらしい弟:千尋君。 と つまりは当然、娘二人だけで成り立っていたお話ではもちろんないですが 一言で言わせてもらうなら やはり、 娘二人の素敵なロードムービーであったと言いたい 葉月と呼春。
そして お母さんを含めた がんばれ母子家庭、親子三人の強い絆をまざまざと見せつけられてしまった作品となっていました。
だけど血の繋がりは簡単には断ち切れない だから結局避けられない→ 葉月がやってしまった人生二度目の万引きは、母の為であり、そして父の為であり、もちろん自分の為であり、そんなお父さんの身体の一部、右腕のどっかをお母さんの手で川に成仏させてあげれたことに心地良さと清々しさを感じながら終えてしまった。よってマグロの登場で唐突に終わってしまったかのようなラストだって全然悪くはない。むしろ良かった とにかくこの73分に蛇足なシーンなど一つもなかった。そんな娘二人の素敵なロードムービー 何度だって見返せたし、まだまだ見れる。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2017-04-15 23:00:05) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 中野量太監督の作品では、湯を沸かすほどの熱い愛 、長いお別れ 、を先に鑑賞させていただき、続いて本作を鑑賞。 全作品でブレることなく一貫しているのは、「死」をうまく笑いに昇華していること。不思議と不謹慎な感じがしないのは、監督の視点 (人物の描き方) が優しいからだろう。 姉妹の顔を確かめるように撫でる祖母、母のチチに興味津々でふれる姉妹、、そういう身体的スキンシップによる愛情表現もとてもよかった。 父のもとへと向かう道中、妹に重い荷物を持たせていた姉が、予期せぬ弟の登場を契機に、その荷物を姉妹二人で力を合わせて持つ。やがて、弟もふらふらとしながらも手伝う。親が残した "重荷" を一人で、そして時には力を合わせて持って、疲れたら誰かに代わり、いずれにせよ前に向かって歩かざるを得ない、それが人生の順番というセオリーだ。 「死」はお別れではなくて、お互いがそれぞれ生きてきた健闘を最後に讃え合う、人生の「ノーサイド」だ。誰だって生きていたら色々とあるけど、最後だけは笑って、そして堂々と送り出してあげようじゃないか。 夏の終わりに、とてもよい映画を観させていただきました。 【タケノコ】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-08-28 13:02:46) (良:1票) |
3.なんだろう・・・話は大して面白くはないし、明るい内容の話でもないんだけど、観ていてホッとする何かがある。
姉妹の感情の起伏や、やりとりがみずみずしく、そして、作品全体がほのぼのとしているからだろう。 田舎を舞台にした映像も、それに良さをプラスしている。
どんな環境でも子供は立派に育つ、前向きに生きていこう! そんなメッセージが伝わってくる作品である。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-03-14 00:59:26) (良:1票) |
2.この映画、感想をまとめようとしてもなんかうまく言えない。人の機微に触れるなにかいいものがあるのに、なんか頼りなく物足りなくのんびりし過ぎている。そこがまた妙にリアリティがあって文句なく面白い。ぴったりした言葉が思い浮かばないでいたら、前にコメントしてる花守湖さん。「ゆるい」っていうんですね。そうこれ、こんな言葉あるんですねえ。この映画のなにもかもの「ゆるさ」が妙におもしろいんです。強さにもやさしさにも通じる何かですね。すっきりしました。花守湖さんありがとね。 【柚】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-05 10:14:35) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 愛人を作って逃げたクソオヤジが末期がん。母親は「くたばる瞬間のミジメなオヤジの顔を写真で撮ってきて見せろ」と姉妹に命令する。ふつうはありえない。しかしこの姉妹がとにかくユルイ。「そんなの面倒だよ」と意味不明なことを言い出す。姉妹の醸し出すユルイ空気が美しい自然風景と重なって、絶妙な癒し効果を生んでいたと思う。姉の設定は水商売の女、妹は不登校生徒、ろくでもない子供だという設定にしているが、物語がすすむにつれて、この2人が母親からどのように育てられたかが分かってくる。その象徴が火葬場へ向かうシーン。「私たちはお母さんから人を恨むような育て方はされていない」「私たち2人はお父さんを恨んでいない」ということに気が付くシーン。このシーンはクソオヤジを恨んでいないという事実よりも、むしろ姉妹が母親からどのように育てられたのかということにはじめて気が付いたことに重点が置かれている。母親の無限の愛情を再確認する大切なシーンだ。しかし火葬場で姉がくたばったオヤジに対して「オヤジ、アンタには感謝していないけど恨んでもねえぜ」と言っていたことでもわかるように、けっして2人はオヤジに対して愛情が芽生えたわけではない。そこは力説しておきたい。ラスト間際で宝くじの売店で働く母親を眺める姉妹のシーンが素晴らしい。夢を買うよりコメを買うと豪語していた母親、1日も休まずに汗水たらして働く姿─、カッコ悪い母親だと思っていた。しかし今自分たちがこうやってまっすぐに誰も恨まず、妬まず、素直に生きていられるのは母親のおかげなのだ。久しぶりに泣いたと思う。それと笑いのシーンが意外と多い。深刻になりがちなストーリーだが、姉妹が道端の人に「いま、ヒマですか?早くしないとお父さんが焼かれちゃうので火葬場に連れてってくれますか?」などユルさ加減が絶妙だ。ラストで母親がクソオヤジの骨を川に放り投げて「テメエなんて食われてしまえ」と言ったら本当に魚に食われてしまうシーンがシュールで最高でした。映像は終始美しいです。 【花守湖】さん [地上波(邦画)] 8点(2014-10-25 23:06:07) (良:1票) |