《改行表示》 5.誰もが知ってるおとぎ話を、”清き者がハッピーエンドを迎える”の大原則に沿って、キャラを上手にふくらませました。CGはうるさ過ぎず、でも「ここだけは外せない」馬車・ドレス・ガラスの靴といったシンデレラ定番のアイテムにはしっかりと精力を注入した美麗さであります。 シンデレラ役のリリー・ジェームズは世界中の先入観に晒されての大役をしっかり果たしています。自然で素朴な笑顔は魅力的で、意地悪をされた時の表情は「怒る」「むかつく」でなく「戸惑い」であるところが上手いです。 そして演技力といえばケイト・ブランシェット。もともとクールな顔立ちですから継母メイクをしたその迫力たるや。大げさな身振り、表情、もうノリノリでヒール役を務めるケイト、楽しそう。 継母の人物造形も既出の作品より作り込まれており、ケイト母は娘らのように単なる愚鈍な意地悪ではない。シンデレラの美質をきちんと見抜くキレ者として描かれ、だからこそ手強くおっかない。 対するシンデレラも運命に翻弄されてめそめそするお嬢さんではないのでした。悪意とは立派に闘える意志の持ち主であり、故に「ヒロインvs継母」の構図が成り立って見ごたえのあるお話になりました。終盤エラが継母に切る啖呵は毅然として爽快です。 もはやシンデレラでなくゴッドマザーエイジのワタクシ、しみじみエラの幸せを祈る気分で観終わりました。 [うらわっこ]さん きっとあなたはスーツを着たシンデレラなのですよ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-17 00:12:35) (良:2票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 この時代、もちろん随所にCGが使われておりますが、アナモフィックレンズを使ったフィルム撮りの画調はまるで50年代の映画のようで、とてもクラシカルな雰囲気。 『魔法にかけられて』や『プリンセスと魔法のキス』あたりから顕著になった(ある種、自虐的とも言える)ディズニーの「脱・いつか王子様が」路線ですが、『アナと雪の女王』『マレフィセント』までエスカレートしたところで今回は一気に原点回帰といった風情で。オーソドックスな王道に戻ってみましたという感じ。 ですが、それは決して不快ではありません。 これはシェイクスピア作品に代表されるコスチュームものを得意とするケネス・ブラナー監督、堂々の演出による天下のディズニー王道の世界。 いじめ描写が嫌いな私なので元々『シンデレラ』は苦手な作品でした。この作品での継母(さすがのケイト・ブランシェットの風格)のシンデレラに対するいじめには、さほど多くの時間と描写を割いている訳ではなく、ヌルめとも言えるのですが、それでもシンドく。 でも、だからこそフェアリー・ゴッドマザー登場からの多幸感ときたら。 カボチャの馬車、馬になるネズミ達、煌びやかなドレス、ガラスの靴。『シンデレラ』の定番キーワードがキラキラと眩いばかりに映像化されていて、これぞディズニーの『シンデレラ』!と直球ど真ん中で勝負してきます。 ドラマ的には王子と王との関係描写や、政略結婚の陰謀などを盛り込んで厚みを与えてある事で定番過ぎるほどの定番ゆえの退屈さを回避しておりますが、一方で父母の死や、解雇された使用人達、継母と継姉達のその後などはごくアッサリ描写で、あまり引きずらないあたり、軽い印象。 キラキラ煌めく映像の中でも特に目を惹いたのはドレス。シンデレラのブルーのドレス、継姉達の軽薄さを表すカラフルなドレスが、フェアリー・ゴッドマザーの白と継母の黒・緑との対比の間で咲き乱れて、シネスコ画面いっぱいに溢れる「色」にうっとり。 『ベイマックス』のようにテクノロジーの未来にも目を向けるディズニーですが、一方でこれまで育んだ伝統の色を存分に堪能できる作品も新作として生まれるあたりがディズニーの懐の深さなのでしょうね。 【あにやん🌈】さん [映画館(吹替)] 7点(2015-04-27 21:19:38) (良:2票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 いまさらディズニーのシンデレラなんて…とは思ったけど、せっかく地上波でやるのならと思って見たのが正解でした。じつに王道的な内容ですが、思った以上によく出来ています。とくにCGの映像は見事。たぶん馬は実写で鹿はCGだと思いますが、馬と鹿が出会う場面にまったく違和感がない(日本語的には「馬鹿」ですけど…笑)。ネズミやトカゲたちも、実写のなかに自然と溶け込んでいます(アヒルは「アフラック」を思い出させるけど…笑)。強いていえば、魔法使いの老けメイクだけがちょっと嘘っぽかったかな。 カボチャの馬車の美しさは絶品です。それからガラスの靴も美しい。重厚感のある舞踏会のシーンにはウットリしてしまいます。草むらの遠景や森などの風景も、往年の名画のようなオーソドックスで風格のある映像になっています。 ストーリーはごくシンプルで、変にこねくり回すことなく、ほぼ旧来どおりですが、多少のアレンジが加えてあります。冒頭で実母が魔法使い(フェアリーゴッドマザー)の存在を予言するのは、上手い具合に伏線として機能しています。王子が森でいちどシンデレラと出会うのも、舞踏会で一目惚れするよりはだいぶ説得力が増しますね。秘密の花園でブランコをこぐシーンは、ちょっとエッチな隠喩めいてる(?)気もするけど、ここでいちどガラスの靴が脱げるのもいいですね。王子は、ここでいちどシンデレラに靴を履かせているので、最後にシンデレラを探し当てるときには確信があるのですね。 強いてストーリーに気になるところがあるとすれば、父が再婚する動機かなあ。アニメのときは娘のために再婚したのですけど、この映画では自分の愛欲のために再婚している。しかも継母がやたらと美しいのです。リアルといえばリアルですけど、やっぱりちょっと父が不純な存在に見えてしまいますね。 それから、王子は、シンデレラを探すために莫大な予算を使って舞踏会を開き、国のための政略結婚を反故にして彼女を王妃に迎えるのですが、その選択に説得力が与えられるためには、王子に鹿狩りをやめさせたシンデレラの「勇気と優しさ」が父王にも伝わるべきだったかなと思います。 【まいか】さん [地上波(吹替)] 7点(2020-04-14 03:09:17) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 みんなが知っている「シンデレラ」のお話を、その通り忠実に実写化したという感じですね。 最近の実写のディズニー映画は、新しいものに挑戦するような意欲的なものが多かったですが、 今一度原点に戻ってディズニーらしいものを作る、というのもまたありだと思います。 勇気と優しさ。それこそが、あなたの本当の魔法なのよ、という素晴らしいメッセージ。 個人的には、魔法が切れて馬車やトカゲやネズミが次々と元に戻っていくシーンが愉快でした。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2015-09-10 23:38:29) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 王道にして王道。誰もが一度は見たこと聞いた事がある物語ですよね、とは言いながら自分が最後に絵本で読んだのはもう30年近く前でしょうか。今回初めて実写で見ました。内容もストレートです。シンデレラが魔法によって綺麗なドレス姿に変身するシーン、見せ場とはわかっていながらもやっぱり魅入ってしまいます。意地悪な継母を演じるはケイトブランシェット、単なるいじわるなおばさんで終わらないすごい存在感があります。シンデレラの母親の言葉であるHave Courage and be kind(勇気を持ち誰にでも優しく)、シンデレラはその言葉をずっと守り素晴らしい大人になります。そして最後に継母に対してI forgive you(あなたを許します)、シンデレラだから言える言葉です。ひねりも何もないまさに王道の物語でしたがDisneyは素晴らしい映画に仕上げました。 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-05-01 19:38:12) (良:1票) |