《改行表示》 13.《ネタバレ》 バカバカしい時間の使い方と、なんでそんなに引っ張るの?という緊張感。百回見た。 完璧に西部劇を勘違いしたこの映画は、その実アメリカ本土の西部劇よりも遙かに西部劇なのである。 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 10点(2013-05-09 20:38:48) (良:2票) |
《改行表示》 12.《ネタバレ》 “西部劇”と言われてパッと思い付く作品。幼少の頃に何度も何度も観ていて、僕の中で「マカロニウエスタン=西部劇」という図式を成り立たせてしまった作品。僕にとっての西部劇の原点。『リオ・ブラボー』とか『西部開拓史』みたいな西部劇もあるって知ったのはだいぶ後のことでした。それほどに濃厚な、強烈な油っこ~い西部劇。こんなもん幼少時代に観てたら味覚おかしくなるわ!と、今となっては思えてきます。 その後も断片的に見返してはいましたが、全編通して観るのはかなり久しぶりでした。正直観る前は、幼少の頃に感じたような興奮は得られないだろうな、と思っていたのですが、いやいや、やはり名作は長き時を経ても色褪せません。むしろ新たに気付くことも多く、さらなる感動を得られました。こんなにも泣かされるとは。 大筋は豪快、しかし丁寧な所は丁寧なのです。 特にイーライ・ウォラックと神父の兄の会話、そしてその後のイーストウッドとウォラックのシーンは素晴らしい。ケンカ別れした兄の事を「兄貴は俺のことが好きなんだ、俺みたいな風来坊でも暖かいスープで迎えてくれる」とウォラック、一部始終を見ていたイーストウッドは「食後には葉巻が一番だ」とだけ言って葉巻を渡す。葉巻を受け取り、一瞬視線を交わす2人、ニカッと笑うウォラックとモリコーネの音楽。号泣モノ。これだからレオーネは素晴らしい。 そして賞金稼ぎ、埋蔵金、南北戦争・・・カオスな物語を力技で駆け巡った末にたどり着くラストの決闘。それまでの物語を全て飲み込んでしまうかのような3人だけの異様な空間で見せる最高潮の盛り上がり。“漢”3人の極端なクローズアップにロングショット。堪らない。ただただ酔いしれる。このシーンはいったい何度観たことか。僕にとっての西部劇の原点でもあり、ただひたすら面白い!だから好き!と言える“おもしろい映画”の原点となった思い出深い生涯最高の一本です。 【Sgt.Angel】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2009-09-20 01:27:53) (良:2票) |
《改行表示》 11.《ネタバレ》 ゆったりと時間は流れ、たっぷりと見せ場が詰め込まれ、どっぷりと陶酔しレオーネの世界にしたりきってしまう。これはもう大好きですね、たまりません。クライマックスの決斗シーンは、3人の顔と腰を順々に追い、モリコーネの音楽がひたすら緊張感を盛り上げていく。即興じゃないの?こんのもん計算で出来てしまうの?今考えれば結果的に、映画以上にテレビ製作に悪い影響与えてしまったなぁ~という気がしないでもない引っ張りようですが、とにかく完璧にドラマチック。また全編に渡って最高と最低のコントラストを逆転に次ぐ逆転で見事に描ききっています。ラストの死と大金のはざまで苦悶のイーライ・ウォラック、この極限状態に思わずふきだしそうになり、九死に一生を得た後のイーストウッドへの突っ込みには爆笑でした。 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-08-27 09:01:45) (良:2票) |
10.よくよく冷静に観てみれば、小汚いオッサンたちが金塊を巡ってジタバタする映画なのだけれど、モリコーネの音楽がかかってしまうと、オッサンたちの醜い争い(≒ドタバタ劇)が、なぜか神話的な雰囲気のある、運命的な決闘に見えてしまうという…。冷静に観れば不思議でしかないが、まさに映画的マジックを見事に作り出しているのが本作だろう。ストーリーに特段テーマ性があるわけでもないし、脚本的だけで判断すればよくある娯楽活劇でしかない。ただそこにレオーネの演出とモリコーネの音楽が入るだけで、一気に作品の質が変わってしまう。何回見返しても、墓を駆けずり回るシーンから三角決闘の流れは、胸が躍る。この突き抜けるようなわくわく感を作れているだけでも、名作といえる。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-11-24 16:42:11) (良:1票) |
《改行表示》 9.《ネタバレ》 やっぱり長いですよねぇ。序盤の人物紹介はなかなか面白かったのですが、1時間くらい経つと飽きてきました。砂漠の場面とか。「これはなくてもいいだろう」と思うシーンもけっこうありましたし。いや、別にあってもいいんですが、やっぱり飽きてくる。それもあってか全体的に演出がもったいぶったように思えてきて、クライマックスであるはずの三すくみも見ていてだれました。ドル三部作は前の2作が面白かっただけに残念です。 主人公3人の中で得をしているのは、やはりイーライ・ウォラック。バカでユーモラスな役を楽しく演じていて、ほとんど主役。この人に比べると、あとの2人は魅力に欠けてつまらない。こんなところもマイナスの要素でした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-09-22 21:18:57) (良:1票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 本作「The Good, the Bad and the Ugly 」の主題は善玉、悪玉、卑劣漢。 え? 善玉? そんな奴この映画にいねーよ。とてもセンスのあるジョークだわ。 「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」の名でも知られる本作。 エンニオ・モリコーネの最高の音楽、前半のスピーディーな展開は前作よりも好きだ。 最初10分、会話がほとんど無いのに見るものを惹きつける面白さ。 主人公ブロンディ(イーストウッド)が捕まる場面だって仲間通しのイザコザという感じで違和感はあまり無い。 前作で味方だったエンジェルが敵として立ちはだかるのも面白い。 相変わらず同じような格好のイーストウッドもまた。 トゥーコ(イーライ・ウォラック)が銃をバラしたり組んだりして試し撃ちをするシーンはマニアをくすぐる面白い場面。 南北戦争時代の銃器のこだわり振り。この時代考証は完璧だね。 とにかくイーライ・ウォラックの悪どいキャラクターが最高だった。 見た目は太めのオッサン、中身がガッチリ凄腕のガンマン。 悪党だと思ったら意外と人に優しかったりする。 最初は金が目的だったが、次第に情が芽生える場面は熱い。 そしてまた逃げられ「バカヤロ~!」素晴らしい腐れ縁。 ただ,中盤の長回しのシーンが長いこと長いこと。 トゥーコが駅馬車を発見しなかったら俺も寝るとこだった(「アラビアのロレンス」もそれで寝そうになった)。 でも、そこからのドラマ展開が面白い。 ブロンディは情報を知っているから殺されない、トゥーコは金が欲しいから殺せない。 二人が南軍や北軍に潜り込んでアレコレ騒ぎを起こす場面は面白かった。 脱線だけど良い脱線。 敵となったり味方となったりするデコボココンビなブロンディとトゥーコのやり取りは見ていて楽しい。 最高だったのが風呂場での銃撃。 「喋ってないで撃たなきゃ」。聞いてるか007の馬鹿な殺し屋ども(それが007の魅力です)。 ラストの決闘がこれまた長い長いなっげー。 モリコーネの音楽が最高すぎて笑ってしまったのは俺だけじゃ無いだろう?・・・多分。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-01-30 10:44:44) (良:1票) |
|
7.唐突に映される小汚い顔のクローズアップと荒野という魅力的な背景を効果的に見せるロングショット。セルジオ・レオーネの映画だ。イーストウッド、あるいはリー・ヴァン・クリーフが画面に登場するときのかっこいい構図。中でもイーストウッドの右腕越しにイーストウッドと対峙する4人の男をとらえた構図にはしびれた。ドラマの長くかったるい紆余曲折があまり気にならないのは三人の男たちがその紆余曲折の中で徐々に徐々に絡まってゆく様に面白さがあるからだろう。まるでコンビのように連れ立っているイーストウッドとウォラックにしたってその関係性は微妙に揺れ動いてゆく。そしてクライマックスの三角形。あの墓場の配置も素晴らしいが三者が対峙する三角形が凄まじく素晴らしい。映画はなんだかんだ言ってかっこいいのがいい。かっこいいシーン一つで心躍るのよ、私って。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-28 14:51:12) (良:1票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 最後の3つ巴決闘シーンなど、バカバカしいと思いながらも・・・あの引っ張り方といい、すっかり楽しんでいる私はもっとバカなのかもしれない。 誰が悪人か?なんて・・・みんな悪人なんだけど、主役3人の中のキャラクターでは個人的にはトゥーコが一番好きだし、それを演じるイーライ・ウォラックの味と演技に魅せられてしまった。それ故か、ややトゥーコを贔屓して見ている自分がいる。 このレオーネ初期三部作、1作目はクリント・イーストウッドに痺れ(もちろんヴォロンテもだけれど)、2作目はリー・ヴァン・クリーフの渋さに、3作目ではイーライ・ウォラックのコミカルで野卑だけど憎めない味わいに感じ入るという風情。一作ごとに加わった新しい主役陣に次々と目を奪われてしまったという感想。 【さるさるさる】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-27 01:37:03) (良:1票) |
5.レオーネの映画ではこれと「夕陽のギャングたち」が一番好き。ヒッチコックなんかもそうだけど、オープニングのクレジットの映像がポップかつスタイリッシュで驚かされる。モリコーネの音楽と、それを切り裂く銃声。しびれる。登場人物中一番、というか唯一人間味があるのはイーライ・ウォラックのトゥコか。逆にイーストウッドもウォラックの強烈さに食われず、対称的なクールさを際だたせている。とにかくかっこいい西部劇だ。強烈なエネルギーに乗っかって、一気にラストまで突っ走る。そしてふりだしに戻る。最高。 【ジェイムズ・ギャッツ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-05-30 12:18:51) (良:1票) |
《改行表示》 4.空を真っ赤な血の色に染めて夕陽が沈む時、 あのさすらいの口笛に死人の臭いをかぎつけたガンを片手のまよい犬 相変わらずかっこいい! 意味はないけどとにかく渋い演出が多すぎ(笑) 今回は前作と違いちょっとヒューマン気があるけどそんなものは無視。 ただ男たちの振る舞いを見てればそれだけでよし! さらにモリコーネの緩急つけた音楽が場面、場面を盛り上げる! 最後の決闘の凝りようは尋常じゃない。 ただ3時間は長い・・・。 娯楽ものやねんからもうちょっとエピソード削って話を絞ったほうがよかったかな。 【CBパークビュー】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-22 21:46:16) (良:1票) |
《改行表示》 3.クリント・イーストウッドは言わずもがなだが、リー・ヴァン・クリーフのカッコ良さが天井知らず。イーストウッドとクリーフの呉越同舟かと思わせて、二人に芽生える友情。めちゃくちゃ男前な映画。 【カイル・枕クラン】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-09-25 18:37:07) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 あれで善玉とは笑わせる。結局は全員"Bad"じゃないのかと。 【かんたーた】さん 9点(2004-09-29 21:09:53) (笑:1票) |
1.マカロニウエスタンブームがピークを迎える中、最高傑作の宣伝文句で公開されたこの作品は西部劇に登場する賞金稼ぎ、ならず者、はみ出し者たちへのレクイエムとも思えるような異色な仕上がりになった。イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、ウォラックの3人が善、悪、汚に扮してラストで三角決闘を行う。いつものようにイーストウッドの眼差しは男の美学を感じさせるが、本作品ではやさしさ、人の良さが色濃く出ているように見える。他の作品では冷酷な悪そのものを演じるクリーフも、ここでは哀愁さえ漂わせる。立場、生き方は違っても独りで生きている男たちが、避けて通ることのできなかったラストの死闘。砂ぼこりと硝煙、狂気と虚無をイメージさせるタイトル曲と共に永遠に語り継がれることだろう。 【天地 司】さん 8点(2002-09-23 16:38:53) (良:1票) |