5.《ネタバレ》 なんだろうこの映画。題材的にサスペンス系統だと思うんだけど、サスペンス的な面白さが微塵も感じられない。 捜査官役の戸田恵梨香と犯人達の頭脳的対決なんかも無く、いつの間にか邦画にありがちな下手なお涙頂戴的感動ストーリーへと変わってしまっている。 ラストシーンに至っては何これ?テロ賛美映画か?と思ってしまうようなぬるすぎる終わり方・・・。 何もかも中途半端過ぎて何処に楽しさを見出せばいいのかわからなかった。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 2点(2016-11-24 18:34:51) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 この映画、面白いです。
面白いんですけど……序盤の拷問シーンで「悪趣味だなぁ」と思い、終盤の感動シーンで再び同じ感想を抱いてしまったので、どうも手放しでは褒められない内容。 「良い話にしようとしているのは分かるけど、無理あるよね?」という思いが浮かんで来てしまい、中々それが消え去ってくれなかったのです。
結局のところ、本作を楽しむ上でのキーポイントは「外国人の友達が死んでしまった」→「彼は死ぬ前に父親に会いたいと願っていた」→「自分達で探しても父親は見つからない」→「日本で一番捜査力が高いのは警察。死んだ友人の名前を騙って事件を起こし、彼らを動員して父親を探させよう」という、犯人達の行動を受け入れられるかどうかに尽きるのではないでしょうか。 自分としては「死んだ友人の名前を騙って」の部分が、ちょっと受け入れられなくて、本当に友達想いの奴なら、そんな事はしないだろうと白けてしまい、残念でしたね。 作中のテーマとしては「理由があって、頑張れない奴もいる」という、社会的弱者の存在を肯定するような意図があったのだと思われます。 けれど、就職活動はともかく、父親探しにおいて主人公達が「頑張れない」理由がハッキリしなくて、真っ当な方法では探せないと諦めて、死んだ友達に犯罪者の汚名を着せるのを承知の上で、楽な手段を選んだだけとしか思えないのです。 せめて「何年もかけて自力で探したけど手掛かりすら掴めなくて、止むを得ず最後の手段を選んだ」という形なら納得も出来るのですが、そういった過程を経ていないので、主人公達が努力を放棄したようにしか見えない。 酷く典型的な台詞になってしまうのですが「そんなやり方を、本当に生前の友人は望んでいたのか?」という疑問も浮かんできます。
それらの罪を償う為の自殺オチだったのでしょうが、終盤やたらと主人公を賛美する展開になっているものだから、どうも作り手との価値観のズレを感じました。 主人公と対峙し、その思想を否定する立場だった美人女刑事にまで「全てを予告し、やり遂げた」と嬉しそうに言わせたりしたのは、ちょっとやり過ぎだったんじゃないかなと。 生き残った犯人グループの仲間が、罪を全部主人公に被せて自分達だけ助かる件も、シニカルに描くのではなく「主人公の自己犠牲の美しさ」を強調するような演出だったりするものだから(えっ、そこで感動させようとするの?)と驚いてしまったくらい。
その他、主人公が会社での陰口に気が付く件なんかも、あまりにも非現実的な「周りの人間は皆、嫌な奴」過ぎて(これ、現実なの? それとも主人公がそういう被害妄想を抱いているって描写なの?)と戸惑ってしまったし、女刑事と犯人の追跡シーンでも(どうして応援を呼ばないんだ? 刑事なら何らかの連絡手段は確保しておくべきでは?)と集中力が削がれてしまった形でしたね。 そういった諸々が伏線なのかと思いきや、全然そんな事は無かったという意味も含めて、終盤の展開が本当に残念。
「作中で明かされた真相に納得がいかなかった」というパターンの為、ついつい文句を並べてしまいましたが、以下は良かった点を。 まず、導入部から展開がスピーディーで「異常な犯人、シンブンシの目的は何か?」と観客にも推理させていく流れは、とても楽しかったですね。 映画の構成としては、序盤は刑事側の目線で事件を追いかけていく形であり、中盤以降に主人公=犯人へと視線転換して、その背景が明かされる訳ですが、順番が逆だったら冗長な話になっていたでしょうし、この導入部には「掴みが上手い」と感心。 主演の生田斗真の力によって、新聞紙で覆面をして犯行予告するシーンでも、ダークヒーロー的な恰好良さが醸し出されており、作中で彼らの賛同者が生まれていく展開に、さほど不自然さを感じさせなかった辺りも有難かったです。 ここのハードルをクリアしてくれないと、作中の世界観が根底から崩れかねないので。
犯人グループが仲良くなっていく過程も、短いながらも丁寧に描かれており、青春ドラマとしての魅力も備えている形。 主人公の「友達が欲しい」という夢が叶っていたのを示す、和気藹々としたやり取りを、最後の最後に持って来て、カタルシスを与えて終わらせた辺りも、上手かったですね。 ここで「良い友達を持つ事が出来て、幸せだ」などと口に出しては言わせず、主人公の表情や音楽などで伝えてみせる演出は、本当に好み。 決してハッピーエンドではないはずなのに、それに近い味わいがありました。
色々と気になる点は多かったのですが、それらを差し引いても面白かったし、良い映画だったと思います。 【ゆき】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-12-28 12:09:22) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 原作は漫画なのですね。もちろん未読なんですが、恐らく漫画だったら違和感なく 受け入れられるのかもしれないが、実写となると・・・ プログラミングのスキルを一通り持ち、コミュニケーション能力も低くなく ルックスもまともな主人公がそこまで就職に困るとは思えない。 あれだけの規模の会社が全体で主人公一人をいじめるのも不自然でリアリティがない。 せいぜい5人程度の小規模の会社か、一部の人間のイジメならまだ分かるが。 犯人捕まえる為に並々ならぬ執念をにじませている演出にしたかったのだろうが 気合い入りすぎてイマイチ作品にマッチしていなかった戸田恵梨香。 警部補であり犯罪対策課の班長で皆を指揮しなければならない立場にも関わらず独善的。 犯人をダッシュでどこまでも追いかけるが何で応援要請しない理由が解らない。 結果取り逃がすマヌケぶり・・・。これ以上追えなくなった水路で 「あんたなんか認めない!」なんて言って暇があるなら他に出来る事が有るでしょうに。 カイジよろしくの労働所も映画だからか設定が甘いため、スマホを持って居るのに 救急を呼べなかった理由が解らないし、逃げ放題だし、通報し放題だし・・・。 まして、あの犯行理由ってなんなんだろう。父親を捜してあげたいにプラスして こんな社会への復讐も兼ねているのであれば、ちょっとターゲットが違うくないか? 政治家はともかくとしても、最初の方に制裁されたヤツって。 最初は、見ている者に世直しかと目を反らせる目的は分かるが ストーリー的にはちょっと。 そういったツッコミ所が多くてイマイチ入って行けなかった。 しかし、社会から外れて行った者へ当てた話は嫌いじゃなく結末も悪く無かった。 だからこそ、もう少し丁寧に作ってくれればなぁと言う印象。 再編成次第でものすごく良い作品になって居たかも知れない。そう思うと少し残念。 【デミトリ】さん [地上波(邦画)] 5点(2016-10-03 16:33:34) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 社会に負けた若者達が、社会に一矢報いる。その行動に移す事になった理由や行動の過程が過去と並行して描かれる物語終盤までは、心躍ったし引き込まれた。(過去の生田斗真と関わる人たちの悪意ある態度が極端だったのは気になったものの) 戸田恵梨香が生田斗真を追跡するシーンも「その男、凶暴につき」を思い出すような長回し、追う側の粘着性、追われる側の徒労感をよく表現していた。 ただ終盤に向かうにつれて明かされる真実が、シンブンシに免罪符を与える事に終始しすぎではないか。平たく言えば「本当は良い人」にしようとしすぎではないか。 どんどん物語が個人的な問題に収束し矮小化していくし、彼らの行動を正当化するにしては、もうあまりにも多くの犠牲が出てしまっている。 最後まで感動に頼らず、ダークヒーローとして突き通して欲しかった。 そしてその攻撃的な姿勢こそが他にはないこの映画の魅力になるのではないか。 【ちゃじじ】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-06-27 19:22:14) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 原作の漫画は昔読んだことがあり、かなり面白かった記憶があります。だから、おおまかなストーリーはわかっていたんですが、それでも面白かった。原作の雰囲気を踏まえつつ、原作以上の感動をもたらしてくれて、結構泣いちゃいました。現実の社会で実際に起こってるネット問題や派遣労働者問題などをネタにして描いていますが、根底には、誰かのために何かをするとゆう普遍的なテーマがあり、その漫画の描いたテーマをちゃんと踏まえていたのもよかったです。役者の方々も好演していて、特にラストのメタボの涙は、彼らがなぜ最後に嘘をつかなくてはいけなかったのか、保身よりも嘘をつくことがどれだけつらいことなのかを物語っていて、さらに泣けました。あと、ネットでのつぶやきが、現実の風景や人物にオーバーラップする仕掛けも、ありがちですが面白い表現でした。 【なにわ君】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-12-10 03:55:24) (良:1票) |