《改行表示》 8.《ネタバレ》 飲んだくれでみんなにバカにされている人間が凄腕の殺し屋。よくあるプロットなんですが、昔から私はこーゆー『実は…』なヒーローに弱い。アウトローに憧れてしまうのはもはや男の性(サガ)かもしんない。 マフィアのボスの息子がどーしよーもないクズ。このクズのせいでみんなが殺しあうことに。ストーリーラインだけを見ると理不尽で救いようがないんですが、最後はハッピーエンドにつなげてくれるので後味は悪くありません。組織に、ボスに尽くしてきた結果、生きる意味さえ持てないかのような生活を送っているジミーが、最後は最愛の息子とその家族を守るために命を懸けることができたのだから何も思い残すことはないでしょう。 この映画で不満なのは警察の中途半端な立ち位置。 『街全部が敵だ。』みたいなことを言うので、警察の大部分がマフィアに買収されているのかと思いきや、話が進むにつれ『いや、そうでもないのか?』って感じです。少なくとも息子を拉致った二人の警官はマフィア側。でももしかするとその二人だけの可能性もあります。だとしたら息子が通報した際にまっさきに駆け付けた警官がその二人っていうのはあまりにマフィア側に都合が良すぎないだろうか。 それにしても私にとってリーアム・ニーソンはブルース・ウィリスと並んで最高にかっこいい親父ヒーローとなりました。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-02-27 22:13:21) (良:2票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 ジャウマ・コレット・セラとリーアム・ニーソンのコンビはこれで三度目ですが、作品のクォリティはどんどん上がっています。本作は、外形的にはB級アクションに分類される作品ですが、その中身は非常に濃厚。ドラマ性と娯楽性を両立させた見事な佳作に仕上がっており、当該ジャンルの作品としてはここ数年で最高の仕上がりだと思います リーアム・ニーソンのみならず、エド・ハリス、ヴィンセント・ドノフリオ、ニック・ノルティと、渋すぎる演技派をズラリと並べたキャスティングには、「B級アクションにこれだけのメンツが必要なのか?」と思ったものの、実際に作品を見てみると、このキャスティングこそが作品のキモでした。長々とした説明セリフを費やさなくとも、彼らの演技や雰囲気を短時間見るだけで、キャラクター達の背景や複雑な感情がきちんと伝わってくるのです。それにより、アクションの勢いを殺さないまま重厚なドラマを描き切れており、作品の絶妙なサジ加減が実現されています。良い演技とはこういうことを言うのだなぁと納得させられました。 偶然が重なって子供同士が殺し合いをしてしまい、その事態の収集を巡って、本来は親友同士である親二人が敵対関係となってしまう。状況からして一方的に悪いのは組長の息子の方であり、このトラブル全体が組長の逆ギレのようにも思えるのですが、その辺りの設定上の不備はエド・ハリスの好演によりしっかりと補完されており、ドラマを破綻させるには至っていません。受けて立つニーソンは、若い頃の狂犬ぶりから家族も友人もみな離れて行ってしまい、組の貢献者でありながら組織内での敬意も得られないアル中老人。しかし、息子に危険が迫っているとなれば黙っておられず、持てる殺人スキルを全開にして逃走経路を作るという、最高に燃える役柄となっています。アクション俳優としてのニーソンのパブリックイメージもキャラクター造形に寄与しており、この親父がとにかくカッコいいのです。ごはん3杯くらいいけそうなほどカッコいいです。また、過去の悪行が原因で息子からいろいろとなじられるのですが、何を言われようが「お前のためだ」と言って愚直に行動し続ける様には感動的なものがありました。現在、こんな哀愁ある殺人マシーンを演じられるのはニーソンかスタローンくらいでしょう。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2015-10-14 15:41:23) (良:2票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 その強さとは裏腹に、映画ごとに演じる男が背負う悲しき過去や、内面に抱える心の闇。 近年のリーアム・ニーソンの定番のキャラクター設定とストーリーに目新しさは無いですが、 もはや安心して見ていられる鉄板の安定感です。絵になる。渋い。アクションもまだまだいける。 本作は微妙な関係にある敵役のボスにも大物を配したことで、ドラマ的にも味のある作品になっています。 久しぶりにエド・ハリスを見たのでその老け具合に驚きましたが、作品を引き締めるさすがの存在感があります。 戦慄の一夜が明け、息子との和解と息子の家族との顔合わせイベントと、最後に穏やかな時間が訪れると思いきや、 最後にもう一波乱。映画的には最後のまさかの一波乱、これも分からなくはないけど、 それよりもようやく訪れた穏やかな時間の中で、ニーソンを追い続けた刑事との最後の絡みが見たかったですね。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-04-29 01:11:14) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 ギャングのボスの子供を殺してしまい、さー、大変って話はほんとよくあります。似たような設定で最近のだと「ジョン・ウィック」かな。ただし、あちらは殺し屋世界の表現が独特でちょっとファンタジーな感じが面白いの対して、こちらは、どっちかゆーたらリアル路線です。結局はいつものリーアムニーソンの映画なんですけどね。ただ、いくつか面白ポイントがあって、まずカメラワークが独特。街全体から、今から起こる出来事の場所にクローズアップするとか、こーゆうの単純に楽しいす。次に主人公が追い詰められる緊迫感が普通より多めなとこ。追ってくるのはギャングの手下だけでなく、ギャングに買収されている警官達、凄腕の殺し屋と街の表と裏で追われるので、逃げ場ないやんってゆうヤバさ感が結構ありました。しかも、リーアムニーソンの息子の奥さんと子供も殺される対象になるので、そーゆうの、個人的にドキドキ感増してしまいます。そして、物語が普通にうまくできてるとこも良かった。逃げ回る中にも、ちゃんと父と子の確執と解決が描かれていたし、警官の中にもちゃんとした者がいて事件をなんとかしてくれる事への伏線なんかも序盤にあったし、特にギャングのボスとの対峙は途中で済ませ、ラスボスに手下の殺し屋を持ってくる展開は、ヒネリ展開としてアリガチだけど、元自分の立場に立つ者との戦いで、過去の自分の過ちにケリをつけるってゆうオチとして、僕は好きです。ただ、映画としては十分面白かったんで10点つけたいとこですけど、他のリーアムニーソンの映画を観てしまってる僕としては、どーしても、リーアムニーソンとゆうジャンルにカテゴライズして見てしまうので、新鮮味から7点になっちゃうかなー。 【なにわ君】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-09-28 17:10:38) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 リーアム・ニーソンとエド・ハリス。 二人が画面に映っているだけでも映画として成立しそうな名優の共演作、たっぷり楽しませて頂きました。 一緒に煙草を吸うシーンでの思い出話により、二人が長年の親友である事を自然と理解させてくれる作りなど、上手かったですね。 そして作中で主人公が息子に語り掛ける「お前は撃つな」という台詞。 汚れ仕事を引き受け続けてきた彼の過去とも合致しているし、何より息子を想う父としての願いが伝わってくるものがあって、非常に良かったと思います。 脇役である「誰よりも主人公を憎んでいるはずの警官」も、オイシイ役どころ。 そんな彼が、憎んでいるはずの相手の息子を救う事になる結末なんかも、渋くて好みでした。 一方で、最後の敵という形になる殺し屋に関しては、特にコレといった背景が描かれていなかった事も含めて、どうにも印象が薄くなってしまい、残念。 監督としても、この映画のクライマックスは主人公が親友を殺すシーンであると考えており、その後は簡略的に済ませて「後始末」のように主人公を死なせてみせた、という事なのかも知れませんね。 ただ、自分としては今一つ物足りないものがあって、これなら普通に自首させて終わりでも良かったんじゃないかな、と思えた次第。 それと、この映画のストーリーラインを考えてみるに「飲んだくれのダメ親父と化した主人公だが、実は今でも殺し屋として凄腕である」というサプライズが存在していた事も窺えました。 自分が「96時間」などを未見であったなら (えっ? この親父さん、こんなに強かったの!?) という衝撃を受けて、もっと楽しめた可能性も高そうです。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 7点(2016-05-27 14:39:37) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 かつて、マフィアの殺し屋として幾多の標的を抹殺してきたものの、いまや落ちぶれアル中となってしまったジミー。息子夫婦からも疎遠にされ孤独に生きる彼は、かつてのボスで若いころからの親友でもあるショーンのお情けで何とか食わせてもらっている。そんなある日、彼の息子で堅気の生活を送っていたマイクが、麻薬がらみのトラブルに巻き込まれたことを知るのだった。すぐに息子の家へと向かったジミーは、今にも息子を殺そうとしていた男を射殺してしまう。だが、彼は知らなかった。自分の息子を殺そうとしていたのは今も闇社会で絶大な力を持つかつてのボス、ショーンの息子だったことを。「何があろうと俺がお前を守ってやる」――。息子のためにそう決意したジミーは、かつて狂犬のように恐れられていた血を呼び覚まし、夜の街を疾走してゆく……。無実の息子のためにマフィアや殺し屋、それに長年自分を追い続けていた刑事の追跡を決死の覚悟で逃れようとする父親の一夜の逃走劇をノンストップで描いたエンタメ・アクション。リーアム・ニーソン主演&セラ監督作品を観るのはこれで何度目かですが、このコンビの作品ってけっこう当たりハズレが多い印象。本作は何だかハズレに近いような感想を僕は持ってしまいました。うーん、何だかエピソードを盛り込みすぎて全体的にごちゃごちゃし過ぎな感じですかね。たとえば、この主人公親子を追う人たちなのですが、①マフィアのボスのショーン、②彼を長年追ってきた刑事、③ショーンに雇われた凄腕の殺し屋、はっきり言って3つもいらんでしょ。だから最後はエド・ハリス演じるショーンと一騎打ちを果たしてそこで終わったらすっきりしたはずなのに、途中でいきなり出てきた殺し屋と森の中で銃撃戦を繰り拡げられても何だか蛇足感が強くていまいちカタルシスが得られなかったです。さらに、幾多のサブエピソードも、①親父がかつて息子のいとこを殺した過去、②入院中の母親に会いに病院へ向かう、③無実を証明するために目撃者の黒人の子供を捜す、と一夜の逃亡劇を描くにしてはいかんせん多い。少なくともこれらのエピソードのうち2、3個は削って、90分ぐらいで終わってくれたら小気味の良いエンタメ映画として面白かったって言えたはずなのにね。セラ監督、ちょっと欲張り過ぎたんじゃないですか? 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-04-16 21:10:41) (良:1票) |
《改行表示》 2.これも「子供のケンカに親が出る」系アクション映画でしょうかね。ちょっと違うか。 ジャウマ・コレット=セラ監督、リーアム・ニーソン主演とくれば、どうにも期待が高まってしまい、期待が高かった分「ありゃ?」と思ってしまうところもある本作。それでも十分に面白い。ラン・オールナイトと言うだけあって、夜の雰囲気がいい。でもリーアム・ニーソンはあんまし「走れる」ヒトじゃないなあ、と思ったのが『96時間』。この映画も、一晩中アクセク逃げ回る物語には、ならないですね。ダメ親父が、息子との距離をはかりつつ、敵から息子一家を守ろうとする。最初の方のゴチャゴチャした流れがあるポイントに収束して物語が動き出す、その時の快感というのが、一つの魅力なんですけれども、その後も、ゴチャゴチャ感が抜けきらないのは、ちょっと内容を欲張り過ぎたか。ラスト近くになり冒頭シーンに繋がってなお、もうひとつスッキリしないところがあります。・・・とかケチをつけるのも、欲張り過ぎですかね。 この監督&主演コンビで、これだけ毎回、趣向を変えてきて、いずれの映画でも楽しませてくれる。これは、さすがです。 【鱗歌】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-01-04 07:37:35) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 よくある、ただリーアム兄さんが悪役をボコりまくるだけのリーアム兄さん無双映画ではなくて、結果的に敵となってしまう相手が旧友で、むしろそれまで救われてきた、信頼していた相手だったという設定が物語に深みを与えてます。それまで罪を重ねてきた男の贖罪の物語であるという点も世界に奥行きを与えて。 だけど全体の印象は「雑」。 なんかあちこち作りが雑なんですよね。組織から買収されていた警官2人を射殺した時点で警察側からの危機終了とか、店に突入して数人射殺して組織壊滅とか、脚本的にはそれでいいんか?と(少なくともニューヨーク全体が敵みたいな宣伝文句は大嘘です)。 会話シーンでの単純でめまぐるしいカットバックは冗談のようで。 カーチェイスシーンでは頻繁にシフトノブを操る手元がインサートされますが、肝心のクルマの動きはワリと直線的でシフトチェンジ要らんだろ、みたいな状況ばかり。シフトノブはクルマへの気合注入棒か?っていう。 アクションシーンではカメラ動かし過ぎのカット割り過ぎで、もつれ合う二人、どっちがどっちだか判断しづらく、クライマックスの湖畔のシーンでは主人公、息子、殺し屋、家族の位置関係がまるで判らず。 夜のニューヨークの空を翔ける凝った映像の影で、大量の雑な映像を見せられている感じ。 雰囲気はいいけれど、大きな部分も細部ももっとちゃんと作り込んで欲しかった、そんな映画でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 6点(2015-05-19 21:37:15) (良:1票) |