《改行表示》 6.《ネタバレ》 天才を扱った映画を観るたび思うこと。やっぱ「周囲」が苦労する。凡人には計り知れない脳を持っているから天才なんだが、その才に魅せられる一方、社会性を有しない彼に振り回されるストレスのハンパないこと。 映画は、ボビー・フィッシャーその人の苦悩にも迫ろうと苦心したあとは伺える。折り合いの悪い母親の代わりに姉に依存している姿を描いたり、肌に吹き出物を作りながらギョロ目で変人ぶりを余すところ無く演じたトビー・マグワイアは確かに精神病んでるし。 称賛を受けても喜ぶでもなくステージを後にするボビー。天才の感性などわかるはずないもんなあ。脚本もトビーも頑張ったけど、ボビーは何を思ったんかなあ、とやはり理解するには全然遠かった。マネージャーやセコンド役の神父らの苦労は手に取るようにわかったが。 残念ながら、ワタシはチェスについては全くの門外漢。史上最高と言われるレイキャビクでの第六戦、ソ連のチャンピオンが、自らの敗北を悟ったにも関わらず思わず笑みをもらしたのは、そこに「完全なる美」を見たからと思われる。ああ、それを目にすることができないわが身が、つくづく残念だ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-11-06 17:28:04) (良:2票) |
《改行表示》 5.実話だから仕方ないけど、なんとも後味の悪い作品でした。 まあ、彼の人生そのものは横に置いておくとして、対局シーンの緊張感が凄かった。 チェスは駒の動かし方を少し知っている程度だけど、何か凄いことが起きてるということはよく伝わって来ました。 【もとや】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-01-30 13:56:54) (良:1票) |
《改行表示》 4.チェス映画という前代未聞のジャンルを切り拓いた作品ではあるのですが、何が凄いんだか観客には伝わりづらい上に、そもそも画が地味という映画としては致命的な欠点を孕んだこの題材を真正面から取り扱うことは避けており、特殊な環境に置かれた天才が精神を病んでいく物語として全体が構築されています。チェスをまったく知らなくても何ら問題がないというレベルにまでこの題材を落とし込んでみせた監督と脚本家の工夫には恐れ入りました。 ただし、映画としてはまったく面白くありませんでした。頭のおかしい人が暴言や妄言で周囲をひっかき回すだけの内容で、誰にも感情移入ができないのです。フィッシャー以上のストレス下に置かれながらも紳士的な態度を維持できていたスパスキーとの違いなどの考察があれば面白かったのですが、二人の天才の関係性もやたら淡泊で描写が不十分だったので、盛り上げるべきポイントを逃してしまっています。トビー・マグワイアが狂気の天才役を演じる自分の姿を撮らせたくて、自分で製作費を集めて作った映画なのだから仕方ないのかもしれませんが、狂人だけを描いても映画は面白くなりません。むしろ、レクター博士の如く狂人は脇役にしてしまい、狂人に振り回される人達を表面上の主役にしてしまった方が、その存在は立ったのかもしれません。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(吹替)] 4点(2017-10-14 01:41:35) (良:1票) |
3.トビーマグワイアは適役でしたが、ボビーフィッシャーの精神が病み始めてからは、もうイライラしっぱなしで正直疲れました。最後も爽快感もなく終わってしまいましたし。勝負の後のボビーフィッシャーの半生のほうが気になります。 【木村一号】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-03-05 12:21:20) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 飛行機での視聴。従って吹替ですが、正直吹替のクオリティが致命的。演者さんには申し訳ないけど、棒に次ぐ棒。シリアスな作風なのに吹替のせいで入り込めない。 チェスのルールはさっぱりですが、ジャンルとしては将棋とか囲碁、オセロと同じ完全情報ゲーム(自分の目から全ての情報が見えているゲーム、つまり運要素が絡まないゲーム)で、麻雀やポーカーなどの不完全情報ゲームとは異なるものでしょう。それ故に先の先の先の先の考えられる限り全てのパターンを頭の中で思考して最善の一手を打たなければならず、莫大な情報量に圧迫され、言い方は悪いですが狂ってしまう。その狂気に徐々に浸食されていく様子、チェスにのめり込むにつれて徐々に症状が深刻になっていく様子の描き方は良かったと思います。世界トップクラスともなれば、むしろそのほうが説得力が増します。 ただし、だからといって他人に迷惑をかけて良いかというのはまた別の話でしょう。例に挙げた将棋囲碁、オセロ麻雀、ポーカーそしてチェスも、相手がいなければゲームそのものが成り立たないというのが大前提です。世界1位を目指したい、誰よりも強くありたいのならば、人としても強くなければならない、と私は思います。それが嫌で好き勝手やりたいのであれば、町場のおっちゃん達とプレイしていればいいのです。機械相手にプレイしていればいいのです。純粋に実力を試したいのであれば、相手に対しても紳士であれ、そう思います。ですので、はっきり言ってボビー・フィッシャーもその周りの人も甘い。甘くするからかえって問題がでかくなるんです。・・・とはいえこれはこの作品での描き方なので、多少なり誇張があったのかもわかりませんが・・・。 【53羽の孔雀】さん [地上波(吹替)] 6点(2016-02-11 23:27:25) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 主人公の神経質さをどう捉えるかによって評価が変わる映画だろうと思います。同情的に捉え主人公に感情移入できれば良いですが、僕はどちらかというと振り回されるほうに感情移入してしまったので、主人公をただの厄介な精神病患者にしか思えませんでした。精神が仕方なく病んでいってしまった、という過程をきっちり描いたら、もう少し評価が変わるのではないかと思います。 【Keytus】さん [ビデオ(吹替)] 4点(2016-01-31 15:25:11) (良:1票) |