《改行表示》 4.《ネタバレ》 いやあ劇団の内部てのもなかなか人間関係がエグイですな。そりゃあそうか人生の殆どを芸事を極めることにつぎ込んできた人間が円満な社会性を身につけてるわけないか。 人生の晩年を迎えて扱いづらいこと究極の名優と、その付き人。この二人のやりとりが出色。猛獣使いの如き付き人ノーマンの、そのムチさばきが巧みです。メンタル不安定の老俳優をなだめたり叱ったり、オネエ仕草も勇ましくばしばしと畳みかけます。 トム・コートネイが、芸術に殉じる一員として涙ぐましいほどの忠実さを体現しています。一方で、名優の唯一の理解者であるというプライドや独占欲も時折顔を覗かせます。若い女優が近づいてくると見て取るや、「(抱き上げたのは)軽い女優を欲しているからよ」と言い放つ。その勝ち誇った表情には参りました。 そんな健気なノーマンの献身が、彼の望んだように返って来ないラストシーン。ああー、人の世にありがちな苦い顛末ですけど・・、残酷ですよねえ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-14 23:46:45) |
3.《ネタバレ》 一夜のリア王公演の閉幕までが実に丹念に描かれている舞台劇。暴君サーと付き人ノーマンの果し合いは鬱陶しい限りだけれど見入ってしまう。劇場は破壊され団員は徴兵される戦時下にあって、正装して空襲警報が鳴っても動じず幕が上がるのを待っている観客達に満足して帰ってもらう、劇団の矜持を二人から感じ取る。ノーマンがサーを失い取り乱すラストは居たたまれない。演技上の果し合いではトム・コートネイに軍配を。 |
2.《ネタバレ》 座長とオカマちゃんの掛合い台詞がほとんど全てと言っていい内容の作品なんですけど、それだけで最後まできちっと飽きさせる事なく見せてくれる演技とウィットに富んだシナリオはとても素晴らしいものがあります。嵐の再現シーンは思わず爆笑してしまい、ラストの昇天シーンでは、ぐっと胸に詰まるものがありました。喜怒哀楽を一点に集約したような、大げさに言うと「人生の凝縮」ような作品です。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-01-11 23:15:38) |
1.刻々と老いさらばえていくシェークスピア役者(その声量の凄さは、走り出そうとしている列車をも停車させるほど!)と、その付人がそれぞれの人生を語る。他者を寄付けぬ二人の間に醸し出される、カミソリで切りつけあっているような緊張感が作品全体を覆う。 【ドラえもん】さん 7点(2001-01-14 18:44:41) |