《改行表示》 4.《ネタバレ》 元はバリー・レヴィンソンの企画だったものの降板し、代わりにメガホンをとったのがスコット・クーパー。この人はクリスチャン・ベール主演のクライムサスペンス『ファーナス/訣別の朝』を撮った監督さんなのですが、『ファーナス』は雰囲気こそ良かったものの、作品の要となるようなインパクトの強い見せ場や、2時間に渡って観客の関心を引き続ける強力なストーリーテリングを生み出せておらず、致命的な欠点はないものの、さして面白くもないという凡作に終わらせた実績を持ちます。この監督が、同じくクライムサスペンスである本作をどのように仕上げるのかについては不安が大きかったのですが、案の定、『ファーナス』と同じ傾向の作品となっています。各構成要素は悪くないのだが、2時間を引っ張るだけの強力なものがありません。 最大の問題は、監督が一体何を作品の主軸に置いているのかがよく分からないこと。ジョニデ演じるヤクザの成り上がり物語なのか、武闘派ヤクザの狂犬ぶりなのか、ヤクザとの癒着を暴かれそうになって背中に火が点いたFBI捜査官の転落劇なのか。元となった事件が10年以上に及んだだけに構成要素はパンパンであり、どのエピソードを落とすかという取捨選択が必要だったのですが、監督は乱雑にエピソードを詰め込んだ結果、個々のエピソードがぶつ切り状態で2時間を貫く大きな流れを生み出せていません。 そもそも、誰の視点で語られる物語なのかが不明確。FBIの事情聴取に応じる下っ端ヤクザが冒頭に登場するため、『グッドフェローズ』のレイ・リオッタのように彼がストーリーテラーになるのかと思いきや、冒頭を除くとこのヤクザは空気同然の存在感。その後、ジョニデの元右腕だった殺し屋が語り手として登場したり、ジョニデ自身の家族エピソードになったりと視点がめまぐるしく変動し、結局、感情移入の寄り代がないため物語に集中できないのです。せっかく豪華な出演者を揃えたのにこの出来は残念でした。スコット・クーパー、私の中の要注意監督の仲間入りをしました。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 4点(2016-08-10 00:42:35) (良:2票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 久しぶりにコメディ感のないジョニー・デップを見ました。こういう役のほうが似合っているし、カッコいい気がします。 しかし映画としては、残念ながら期待はずれでした。とにかく気になったのは、変化のなさ。かなり長期間を描いているはずですが、誰も老けないし、メンバーはずっと数人だけだし、クルマも服装もさして変わらないし、裏の〝仕事〟ぶりや暮らしぶりはほとんど描かれない。敵も味方も気に入らなければ殺すだけで、いつまで経っても「街のコワ~いチンピラ」から脱していない感じ。 だから、FBIとの関係がバレるスリルや、奢る強者が崩壊するカタルシスもなし。いったい何を見せられたんだろうという印象しかありません。 もう1人の主役であるはずのカンバーバッチも、ストーリーに絡んでいるようないないような。「兄貴が凶悪犯の上院議員」という立場は、想像するだけでゾクゾクしますが、そう思わせてくれるシーンもほとんどなかったように思います。結局、単なるゲスト出演という感じでした。 ついでに言うと、邦題にも違和感が。ネガティブな単語を2つ並べてオドロオドロしい感を狙ったのかもしれませんが、懐かしの「ブラック・デビル」を思わせる滑稽さがあります。まあ原題の「黒ミサ」でも、日本人には伝わりにくいですが。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 3点(2020-07-15 02:56:33) (良:1票) |
2.ちょっと期待していただけに、残念..とてもシリアスに、丁寧に、創られているのは良いのだけれど..一言で言えば、物語に、登場人物に、魅力が無い..主人公ジミーの冷酷さは、伝わってきたが..エピソードや小ネタに、重みが無い..特別な展開が待ち受けているわけでもないし、結末も尻つぼみ..「ゴッドファーザー」クラスを期待して観ると、ガッカリしてしまう... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-08-21 11:03:07) (良:1票) |
1.ストーリーは淡々と進行し、これといってドラマチックな展開もないのですが、そのおかげでバルジャーの怖さが際立ったと思います。彼にとって人殺しは腕に止まった蚊を叩くくらいの感覚なのだろうか。こんなヤツ、もっと豪快にハゲれば良いのに。 【Y-300】さん [映画館(字幕)] 8点(2016-05-06 08:27:48) (笑:1票) |