8.《ネタバレ》 面白かった。サブプライム・ローン問題についての最低限の知識と関心があれば、ついて行ける作りにはなってる。これをみれば、そもそもリーマンショックに結びついた金融バブル自体が、「今日ある繁栄は明日も続くはずだ」「みんなで言ってるんだから、そうに違いない」という非科学的な思い込みが、「事実」から目を反らして問題を先送りする制度をつくり出した結果であるというのが、本当によくわかる。そして、その「事実」に気づくのは、どこか現実世界になじめない人びとだったというのも面白い。とくに、スティーヴ・カレル演じる、善悪の判断にはこだわるのに空気を読まない偏執狂的モラリスト、マークのキャラ造形はお見事で、初登場シーンでは「絶対友達にはなれない」と思ったのに、最後にはその人間らしい表情に心を打たれてしまうのだから、映画って面白い(クリスチャン・ベイルのマイケルは僕には現実離れしすぎていたけど)。あと、金髪美女や国際的スター(笑)に金融問題を解説させるなどの面白い仕掛けも、重く難しくなりすぎない工夫として評価できる。でも、この映画の本当にすばらしいところは、現実問題に直接対峙しない、癒着と腐敗で凝り固まった金融業界を批判しながらも、主人公たちの「成功」が数百万単位の人たちの「破滅」を意味するという「大不況」の恐ろしさをしっかりと描いているところ。ブラピにそれを指摘されて思わず固まる若者投資家や、自分の予測があたったのに沈痛なマークやマイケルの表情、そして何よりも家を追われる人びとの映像などが、この映画が描いたのは「華麗なる大逆転」なんかじゃなくて、責任をとるべき人たちが取らない(取れない)金融業界の仕組みと、なぜこんなことが起きてしまったのか、という社会派ど真ん中のテーマだってことを物語ってる。いや、単にサブプライム問題だけじゃなく、根拠のないまま希望的観測だけで問題を見過ごしてしまう、いまの時代が背負ってる雰囲気(日本の少子高齢化とか、原発問題とかもそうだ)を描ききった映画だったと思う。だから、コンゲーム的なものを連想させる邦題は本当に最悪です。配給会社は猛省してほしい。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-01-22 18:19:44) (良:3票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 今までリーマンショックっていう世界的恐慌があったくらいの知識しかない状態で視聴 現状のサブプライムローンについて疑問を持ったマイケルが様々な情報を吟味し、破綻することを見抜いて、大反対を押し切り巨額の投資を行う 銀行家のジャレドが小耳に挟み、提案を持って駆け回り、興味を持ったマーク一派 情報を得た若者二人に元凄腕銀行家のベン 各々の状況を演出しながら世紀の恐慌が起こるまでの解説をしてくれる映画 誰もが当たり前、間違いないと思っていることに疑問を持つこと どんなことがあっても成功する一部の人間はこういった観念がある気がします、 リーマンショックでもそういった人がいたことを知ったこの映画で初めて知りました。 成功はしても、自分が掛けたのは大衆の破滅・・・ マークの憤りは魅せるワンシーンでした。 何組かの登場人物がいるため、ローンの破綻までの期間の心境(実際は葛藤や周りの対応があったはず)や 金融業界の腐敗があったであろう裏側の描写が薄い 焦点がそこではないだろうけど、個人的にはその辺りをもう少し掘り下げて観たいと思った。 物事を理解することは得意な方だと思っていたのですが この映画に関しては内容が難しすぎて、2,3回会話の内容を巻き戻すことがあった 【メメント66】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-04-03 00:49:03) (良:1票) |
《改行表示》 6.これは傑作。金融商品というのはモノではなく数字(価格)でしかないので、おそらく映像にしにくいテーマだと思います。ましてMBSとかCDOとかCDSとか、複雑な商品の仕組みをいちいち説明するのも面倒。しかしあの手この手でドキュメンタリー風にサラリと紹介しつつ、人間ドラマに落とし込んでいくところはなかなか見事です。 主役はほぼスティーヴ・カレルだと思いますが、孤高のクリスチャン・ベールがすばらしい。たまたま少し前に「バットマン」の3部作を見たばかりだったので、あまりのギャップに驚くばかり。一気にファンになりました。対象的にブラッド・ピットは相変わらずですが、出番が少ない割にカッコいいところを独り占めした感じ。さすが権力者です。 しかし他の方も指摘していますが、この邦題はダメですね。ディカプリオが麻薬まみれになりながら大暴れしそうなイメージですが、まるで違います。せいぜい「世紀の空売り」で良かったんじゃないかと。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-11-24 23:47:20) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 ~億ドルの損得に悲喜交々するモラルのモの字も無い世界が描かれた実話。孤高のマイケルが巨利は得たが顧客との信頼関係は得られずファンドを閉じたエピソードのみ心に残る。華麗なる大逆転という邦題は不適切。爽快感はどこにも無い。 |
4.《ネタバレ》 金融用語は少し難しいですが、理解できればじわじわくる面白さです。淡々と描いていますが、起こった事実を重ねると、いろいろと考えさせられます。「サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉」を読んでから見ると、より深く理解できると思います。 【はりねずみ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-12-13 14:19:38) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 最初観た時は、画面上で何が起こってるのか、なんの話をしてるのか、あんまわかんなくて、しかも感情移入しずらいドキュメンタリータッチで、主役たちが絡まない群像劇で、1時間くらいで寝てしまいました。で、これじゃ、まずいと思い、ちょっとサブプライムローンまわりをちょこっと調べてから、最初から観なおしたら、今度は、だいぶ観やすくなって、最後までそれなりに集中できました。僕も家を買うのに住宅ローンで支払っていますが、審査とか書類とか、結構、面倒くさかったです。でもアメリカでは、そんな面倒な審査とかなくしちゃって、誰でもできる住宅ローンがあって、それこそ犬でも名前を書けばローンができるでたらめさで、それがサブプライムローンなんだって。で、実は僕も初めて知ったんだけど、住宅ローンって普通、銀行にお金を払うんだけど、銀行がその権利を証券会社に売って、証券会社はそれを商品として売っているんだって。これがMBS。つまり住宅ローンを支払う人は銀行じゃなく、その商品を買った人に支払うんだって。なるほどー。で、サブプライムローンは、上記のように、ちょっとやばいローンだから、そのまま商品にしては売らず、他の商品にまぜてまとめて商品化して、それをセットで売ってたんだって、これがCDO。で、この映画の主役たちはこれを知ってなにをやったか。そのCDOを普通に買うんじゃなくて、毎月、保険料を支払うかわりに、もしそのCDOが無価値(デフォルト)になった時、それに対する保険金がおりる仕組みで買ったんだって。これがCDS。CDOが普通の空売りができないからこの手段をとった。だから、主役たちは、CDOつまり、サブプライムローンがまざった証券が破たんすることを望んでいたのか。破たんすれば、保険金がおりて大金持ち。でも、それまでは保険料を支払わなくてはならず、だから、サブプライムローンが破たんしたのに、全然、それが混ざったCDOがデフォルトせず、それどころか、値が上昇するとゆう変な現象に後半は焦ってたんだね。まー、それだけ金融業界がデタラメすぎた世界ってことなんだけど。でも時間の問題で、結局経済は破綻し、彼らはもうかったんだけど、なんか後味悪い終わり方で、そこには爽快感とかはなくて、なんか鑑賞中、頭使いすぎてしんどかった徒労感のみ残りました。ふー。でも一番怖かったのは、最後の文かな。この経済崩壊を予測した男が、次に狙いを定めてるのが、水だって。なんか水がまたエライことになんないかと心配になりました。 【なにわ君】さん [インターネット(字幕)] 5点(2016-10-11 21:32:24) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 「リーマン・ショックで空売りして大成功した話」。これだけで興味津々で観たのだけど。半分くらいしか用語の意味がわからず、話にのめり込めなかった。株を空売りしたのならまだわかりやすかったんだけどね。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)っていうデリバティブ取引がメインだったのがネック。それを大量に買うために、いろんな証券会社をまわって交渉するところなどは興味深かったし、また、CDS買った証券会社が倒産するかもしれなくて、儲けを回収できないリスクが発生してるところとかはおもしろかった。 投資は結局大成功をおさめるわけだけど、ハッピーエンド的演出はかなり抑えられていて、爽快感はあまりない。多くの人間の不幸のおかげで大儲けできたという、後ろめたさがそうさせたのだと思うけど。 ちなみに、エンドクレジット見てブラッド・ピットが出演していたことに気づく。 【ネギ寿司】さん [映画館(字幕)] 5点(2016-07-26 03:10:00) (良:1票) |
《改行表示》 1.アホでごめんなさい。業界用語(?)が多過ぎで全くついて行けませんでした。 分かっている様で分かっていなかったサブプライムローンのお話がコメディタッチに、分かりやすく!っと期待したのですがレベルが違いましたね。自主的に勉強してみようと思います…。 【Kの紅茶】さん [映画館(字幕)] 5点(2016-03-07 00:25:39) (良:1票) |