6.《ネタバレ》 大泉がマンションから外に逃げた先に見えたものは日本の終わり。 「あぁ本当に日本は終わってしまったんだな」とビシビシ感じる、海外のゾンビものじゃ味わえない本当に起こってそうな日本のゾンビもの。 その外へ逃げるシーンの絶え間ない人々の悲鳴、救急車も人間をはねる。そして曲がり角を抜け大通りに出ると、どうしようもない説得力のある絵がバシっと出てくる。こんなに心底震え上がって「ヤバい!」って思うのは怪獣映画にだってない。このインパクト、スケール、スピード感、絶望感は凄まじい。そこからタクシーが事故を起こすまでの流れはまさしく日本映画とは思えないド派手さだ。 そこからはヒロミちゃんとの出会いからモールの流れなのだが、ここでさっきの熱はクールダウンしてしまう。しかしコレはラストに向けての充電シーンであった。 英雄の銃を撃ってからの痛快さもまた見物、両方から迫り来るZQN共を文字通りバンバン倒していく。辺り一面血の海になりそりゃもう死屍累々。 しかしそれと同時にたまらぬカタルシスが味わえる。凄いよ英雄!まぁちょっと位置がわかりにくくて他のキャラクター達がどこでなにやっているのかよくわかりませんでしたけどね。 ゾンビにバリエーションがあるのも嬉しい、いろんな元の生活で行って来た残留思念のようなものが残っている台詞がなんとも面白い。そして特徴ある巨漢やら運動選手なゾンビなどが登場するのも面白い。 そんでもってこの映画の見所はやはりその過度な残酷描写なのだが本当にやり過ぎ感があって凄いですね、職人の域です。そこと鈴木英雄…というか大泉洋という抜けた男が緩衝剤となって微妙に良いバランスをとっていると思います。うん、大泉いい映画に出たね! 最後はまるで途中かのような終わり方、まぁ原作終わってませんし。なんとも潔い終わり方…ですが逆に清々しくスッキリとこちらも見終える事が出来ました。 日本の映画とは思えない丁寧な作りとテンポ、そしてスケール感のある凄まじい映画でした。素晴らしい。 【えすえふ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2017-02-12 16:53:02) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 普通に面白かった。特に冒頭近くの日常が非日常に変化していく街頭のシーン、邦画にありがちな安っぽさをまるで感じさせず、そうかと言って洋画とは一味違った非常にリアリティのある無秩序さ。もうあのあたりからぐいぐい引き込まれて、そのままのテンションで最後まで見ることができた。 主人公の覚醒を本当にじれったいくらいぎりぎりまで引っ張ったのも良かった。 あと、女優好きの自分としては長澤はまあまあ、それよりも有村を最初からなんのわだかまりもなく素直に可愛いと思えたのが収穫。 (思えば、あまちゃん放映時、若春子のけなげさが結構好きで、過去パートも楽しんでたのに、ヒロインを演じた女優に肩入れするあまり彼女が不遇なのに、なんで有村ばっかと自分でも理不尽だとわかってるわだかまりをずっと引きずってきたのは自分でも馬鹿だったかなと。ヒロイン女優に対する気持ちの整理がほぼついた今、素直に有村の魅力を認められるのはちょっと嬉しい。さあ、観るぞ、有村映画w)
書き忘れて追加、自分が一番つぼにはまったのは、有村のスマホの2ch?に出てた、赤ん坊のころ階段から落として足を不自由にした妹が扉をがんがん蹴ってるんだけど、あけてあげようと思ってる っていうような書き込みでした。皆さんお気づきでした? 映画はそりゃ映画館で見るのが一番に決まってるけど、こういう細かいところに気付き確認できるのは録画したものを観賞するならではの楽しみですね 最後に、鉄腕麗人さん、あなたのレビューを見なければ多分、こんな面白い映画見なかったと思います。ありがとうございます。 11月19日点数のみ8→7 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-03-05 18:30:11) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 邦画のホラーものというと基本的に霊を題材にしたものというイメージが強く、まして本作のようなゾンビを題材にしたものは邦画ではちょっと無理があるのではと思っていたが、本作はその邦画ではなじみにくいゾンビという題材を扱いながらもかなり完成度の高いものになっていて、途中飽きることなく最後まで退屈することなく面白く見ることができた。とにかく開始20分過ぎたあたりの主人公 鈴木英雄(大泉洋)の恋人であるてっこ(片瀬那奈)がゾンビ化して英雄を襲いはじめるシーンからかなり気合いの入った怖さで目が離せなくなった。この手の大作系邦画にありがちな安っぽさやハリウッドかぶれのような感じも無く、ゾキュン発生の経緯や、よけいなドラマを一切排除した脚本も潔い。とくにゾキュン発生の経緯が一切描かれないことによって、見ていて登場人物たちと同じ目線になることができるし、またリアリティーも感じることができる。(街がパニック状態になってテレビが報道特番に切り替わる中、一局だけアニメを放送しているところが細かくて笑える。このシーンを見ていて「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」を思い出した。)確かに後半アウトレットモールが舞台になってからは少し失速した感があるが、それもそれほど気にはならなかった。趣味でクレー射撃用のライフルを所持している英雄がこんな状態になっても銃刀法違反をずっと気にしているというのが思わずそこかよと突っ込みたくなるのだが、本作はこの英雄(えいゆう)と書いてひでおと読む冴えない主人公がいかに本当にヒーローとして覚醒するかも見どころで、それを最後まで溜めているので、クライマックスの英雄とゾキュンの戦いが半端なくカタルシスのあるものになっているのが最高だった。ラストシーンで藪・小田つぐみ(長澤まさみ)から名前を尋ねられた英雄がそれまでと違い、「ただの英雄です」と答えるのは彼の成長とこれからゾキュンから彼女たちを守って行くという決意が感じられてすごく印象に残る。原作漫画未完の頃に作られているので終わり方としてはやや中途半端な感じがするのだが、個人的にはこの終わり方で良かったと思う。もしも続編が作られたら見たいと思うのだが、ちょっと出来が怖い気も。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-07-21 18:56:23) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 序盤、部屋の郵便受けからのぞいた時のてっこちゃんの異変のシーンから逃走、 街中を駆け回りタクシーに乗り修羅場をくぐり抜けるまでの一連のシーン。 あの勢いの良さは邦画ではなかなかお目にかからなかったので、 「お、邦画もこういうテンションのパニック映画作れるようになったのか」と嬉しく思いました。 なんというか、世界のマーケットを意識したようなクオリティでね。 それでいて、内容的にはゾンビ映画なんだけど、海の向こうのものをそのままやってるわけでなく、 例えば感染者は顔も気色悪く変形するとか、一人一人のキャラが活かされてるとか、そういうオリジナリティもあって面白いんですよね。 高飛び男との一騎打ちのシーンとか手に汗握るほどの素晴らしさでした。 ただ、銃の弾いくら何でもありすぎだろうとは思いましたけどね(笑)。 終わり方も「え?それで終わりなん?」ていう感じで、ちゃんと富士山到着まで見たかったなと思ったんですけど、 あの無敵さを目の当たりにしたらもう彼らは大丈夫だろうなとも思ったし、わざわざ描くのは無粋なのかもしれませんね。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2017-01-20 00:14:22) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 原作既読、愛読中です。漫画原作としては成功してるほうだと思います。 大泉洋がちゃんと英雄君になってました。 そして、原作よりヘタレスケベキャラを薄めて、最後はヒーローになってるところは、大泉ファンだったら満足でしょう。
不満は、やっぱりテッコが本当に英雄を好きなところがわかりずらかった点とヒロミとの絆の描写が飛ばされてる点です。 ZQNになったテッコが歯を全部取ったのは、僅かに残る理性が英雄を守ったと思ってるけど、そこはすっ飛ばされて、単にドアを齧って歯が取れたみたいになってるのは残念でした。 また、ヒロミが英雄を好きになるのはずーーーーーと後だし、英雄がヒロミを必死で守ろうとするまでの二人のエピソードが描かれないので、ただ成り行きで知り合っただけなのに命がけで守るって偉いね、みたいになってるのもなんだかなーと思いました。
ちょっとキャラと合わないんじゃないかと思ってた長澤まさみが、ちゃんと藪=小田さんになってたのは意外でした。 ZQNも良くできてました。リアルな特殊メイクで、血もリアルな黒っぽい血の色だし、CGとの合成も違和感ありませんでした。この大量のZQNを見るだけでも見る価値あると思います。
ヒロミが半分ZQNになったままで特に活躍もせず、今回別に必要ないままなので続編ありきなのかと思いましたが、これはこれで終わって良いと思います。 とはいえ、続編あったら観に行きます。 【nanapino】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-06-27 23:12:30) (良:1票) |
1.原作未読。いわゆる和製ゾンビものだが、ありがちな海外ゾンビの劣化版ではなく、ジャパニーズホラー要素をうまく取り入れ、独自性を生み出すことに成功している。冴えない漫画家志望の主人公が、たまたま銃(と免許)を所持していたがゆえに「ヒーロー」として覚醒していく話だが、このへんの日本的な設定も含め、海外の映画祭で好評を博したことも理解できる。ZQN(ゾキュン)という意味不明な呼び名や、発症しても個人的な記憶は残っており、ぶつぶつ独り言を言う設定なども面白い。 スプラッタ表現も手抜きはなく、画面はショックとエグさの波状攻撃なので、万人にお勧めできる映画ではないが、その中でも大泉洋のとぼけキャラや、有村架澄・長澤まさみといった綺麗どころが画面をマイルドに中和させてくれるおかげで、終始不快なレベルではなかったことはキャスティングの妙か。 いずれにせよ、ユニークな原作設定をモチーフに、意欲的なジャパニーズゾンビパニックとして一定のレベルに仕上がっていることは間違いない。 【田吾作】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-05-06 13:38:15) (良:1票) |