《改行表示》 4.《ネタバレ》 いままで散々映画の宣伝文句で「今年一番泣ける映画」とか「これを見て思い切り泣いてください」なんて ものは山ほどありましたがこのローグ・ワンはもちろんそれを売りにした映画じゃありません。 ですがいい年こいたおっさんの私は鑑賞しながら何度か涙がボロボロでてとまらなくなって 3Dメガネの横から拭うのが大変でした(笑) 人間、ドロイド問わず多数の仲間の犠牲と引き換えにやっと入手したデススターの設計図。 その計り知れない価値を嫌というほど分からせてくれる物語だと思います。 ちなみに私はこの作品で初めて某暗黒卿の圧倒的な強さに恐怖を感じました。 【クワイガン人】さん [映画館(字幕)] 10点(2016-12-17 14:44:26) (良:2票) |
《改行表示》 3.帝国による圧政の過酷さや戦いの凄惨さがこれでもかというほど描かれており、暗くて重くて暴力的な、まさに異色作として仕上がっています。そんな作風にも関わらず、ちゃんとスターウォーズになっていることは流石であり、お馴染みのアイテムの登場のさせ方、戦闘シーンの盛り上げ方はシリーズ随一。また、ジェダイが登場しない、一兵士目線の物語であるおかげでシリーズの世界観がより深まっており、正編の追補版としての機能もきちんと果たしています。 その攻めすぎな作風ゆえに一部で拒否反応が出るかもしれませんが、私は文句なしの傑作だと感じました。 【2018/6/30 追記】 新作『ハン・ソロ』公開にあたり、設定年代の近いEP4と本作を再度鑑賞してみました。劇場公開時のレビューでは本作にシリーズ中最高の10点をつけていたのですが、今回の鑑賞でもあらためて本作が最高傑作であるという思いを強めました。ドラマ性の高さや見せ場の緊張感など、どの要素をとってもシリーズ随一と言えるクォリティの高さであり、とにかく凄い映画だと思います。 なお、↑のレビューでは異色作と書いていたのですが、あらためて考えるとそもそもスターウォーズって師匠と弟子が反目したり、親子で剣を向け合ったりと暗い話が多く、本作もその伝統に乗っ取った作品であると言えます。ではなぜ、本作のみが従前のシリーズとここまで異なった評価を受けているのかと考えてみたのですが、反乱軍の抱える闇が克明に描かれたことと、ひとつ間違えれば死に至るという緊迫感が全編に漂っていたことがその原因ではないかと思います。 まず前者については、狂人にしか見えない革命戦士ソウ・ゲレラを登場させたり(彼の登場はルーカスのアイデアだったようです)、主人公の一人であるキャシアンが口封じのためなら殺人をも厭わない姿勢でいることから、反乱軍もクリーンな組織ではなく、ひいては戦いに完全な正義などなく、戦争の当事者になった以上は悪事にも手を染めねばならないという厳しい現実を観客に付きつけてきます。特に目を引いたのは、惑星イードゥーにてゲイレン暗殺指令を実行しようとしていたキャシアンをジンが責める場面でした。味方が自分にウソをついて父親を殺そうとしていたのだからジンが怒るのは当然なのですが、それに対して「完全に自分の自由意思のみで動ける人間ばかりではない。俺は6歳で反乱軍に出会い、命令とあらば選択の余地なく従うしかない人生を送ってきた」というキャシアンの反論にも戦争や軍隊の真理を突いたものがありました。 後者については、まず前半にて主人公たちが圧倒的に非力である様が描かれています。例えばストームトルーパーなんてシリーズを通したやられ役でしかなく、オビワンやルークは何十人ものトルーパーに囲まれようが焦り一つ見せなかったのですが、本作の登場人物達はトルーパーの監視の目を掻い潜りながら活動しています。並みの戦士にとってはストームトルーパー一人であっても脅威であること、ひいては本作にはどんな不利な状況でも跳ね除けるスーパーヒーローはいないということを観客に突きつけてくるのです。そして、そのことが敵地において死と隣り合わせのミッションを遂行しているという緊迫感を醸成しています。 そんな非力な人間たちがチームを組むが、チーム内での足並みが揃っていないばかりか、惑星イードゥーでは反乱軍本体との連携もうまくいかず、焦った友軍が最悪のタイミングで雪崩れ込んできて場が完全に壊されるという失態をも犯すのですが、それでも俺らがやらねばならないんだと有志のチームが立ち上がる様には圧倒的な高揚感がありました。同時に、チームの実力に対して目の前の壁はあまりに高く、最初から死にに行っているようにしか見えないことが、最後の戦いが陰惨に見える原因なのだろうと思います。例えばEP4のヤヴィンの戦いだって反乱軍が壊滅寸前にまで追い込まれており、状況的には本作以上に厳しかったのですが、デススターで常人離れした活躍を見せたルーク一行の存在のおかげで「まぁ何とかなるだろう」という安心感はありました。しかし本作にはそれがないのです。 スカリフでの戦闘は、まさに壮絶を極めます。そもそも反乱軍にとって形成が不利である上に、規格外の強さを誇るベイダー卿までが参戦してくるという絶望的な戦況なのですが、一人でこの戦況を覆すことはできなくても、命を懸けて一歩ずつ前へ進み、仲間にバトンを繋いでいくことくらいならできる。また、ローグワン(一匹狼)を名乗るこのチームの意思を汲み、宇宙空間からの支援をするために駆け付けてくれた味方の艦隊もいる。クライマックスはSFファンタジーを超越し、絶望と、その絶望に挑もうとする人間の美しさが同時に描かれた素晴らしい戦争映画と化しています。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 10点(2016-12-16 21:18:01) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 その昔、ブルース・リーの遺作「死亡遊戯」をしてラスト10分の映画だとする評価に納得したことを思い出した。SWシリーズに流れる冒険活劇のエンターテイメント要素が薄いこの作品にあって、そこに不満を持つ頭の固いオールドファンであっても、ラストに用意された「新たなる希望」へ繋がる10分間には思わず魂がくすぐられたに違いない。そう、そういう意味ではこの作品もラスト10分間の映画と評されても私はあえて反発はしない。あの映画史を変えたエピソードⅣに感激しSWマニアになった者であっても、その感激の中身は決して同じではないのだ。ましてや映画人となるほどの感性を持った者は独自のSW感を持ち、幸運にも夢の監督に抜擢されれば、最大限自分の世界を追求するだろう。例えるなら、これはという美味しいお酒に巡り合っても、1合で満足する者もいれば一升でも足りない者がいるように(何か違う)。と、とにかく監督のギャレス・エドワーズの感激の質はこういうものだ。まあ、シリーズの主流作品監督ではなくとも、盲腸みたいなはぐれ作品でも満足だというように(これも違う)。とにかく、そういうことなのだ(どういうこと?)。 【パセリセージ】さん [映画館(字幕)] 10点(2017-04-13 22:38:24) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 スターウォーズファンの私はエピソード4を何回観たか分かりません。 そんな私の中ではデススターと言えば悪の象徴、あれ程の苦労をして破壊したもの。 長年にわたり心にあった、「犠牲」とはどんなものだったのか? この作品で見事に映像化されました。 デンマークの至宝と言われるマッツ・ミケルセンさんの素晴らしさ。 ジェダイ風の衣装で現れたオープニングから、私の心をしっかりとつかみました。 そんなミケルセンさん演じるゲイレン・アーソの思い、このお話の核となっていきます。 何回も繰り返される「私のスターダスト」 そのセリフからは娘ジンへの溢れんばかりの愛情が感じられました。 そんな父の思いとは裏腹に、娘ジンは不遇な少女時代をおくります。 レビューを書きながらその後を思い出す時、また涙が出てきました。 アーソ親子の運命、それから多くは語られなかったがキャシアン・アンドーの少年時代の苦労、などどれも胸を打つものでした。 スターウォーズは親子の物語、それを本作でもしっかりと感じさせてもらいました。 それからもちろん、スターウォーズファンとしてはXウイングは勿論のこと、スターデストロイヤーやタイファイターAT-ACTなど盛りだくさんでもう!大満足。 2D字幕で観賞後は4DX吹き替えでもう一度観賞。 戦闘シーンではXウイングに乗ってるようで気分爽快でした。 そして我らがK‐2SO可愛かったですね。 お利口で我慢強くてボヤキもチャーミング。 あーそれなのに・・・・あそこでああなってしまうとは・・・ 主人公たちと同じぐらい惜しい気持ちになりました。 ありがとうジン、キャシアン。 そう思いながら幾度も観たい傑作です。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 10点(2017-01-08 17:36:15) (良:1票) |