10.《ネタバレ》 『移民女性一代記』 日本なら二時間ドラマの題材になりそう。 シアーシャ・ローナンのどアップがとても多く、彼女のファンなら眼福な作品では。 他レビュアー諸氏ご指摘の通り、姉が他界し一時帰郷した際の主人公の行動には大きな「?」が付くが、 好意的に解釈すると揺れ動く心情を表す一つの方法だったのかと。 アメリカに戻る際、もう二度と見る事は無いであろう自室を見渡す表情と、 新天地に飛び立つ数年前の自分と同じ境遇の女性にアドバイスする時の描写はなかなか感動的だった。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-10 13:18:19) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 良い良いと聞いてはいましたが鑑賞してその良質の物語には引き込まれました。アイルランドの厳しい環境なんて今の我々には知る由もないし、ましてや故郷に母、姉を残し新天地めざし若き女性の身で単身出かけるなんて何もかもが想像できないほど過酷だったと思います。習うより慣れろでまるでブルックリンが彼女を叱咤しながら育てていくようでした。彼女が自信を持つころ。彼も出来楽しい日々に姉の訃報が届きます。彼女は故郷に帰りその故郷への郷愁と母への愛で戻らずここで暮らしたい思いがふつふつと湧くわけですが、ひょんなとこからアメリカで結婚したことがわかってしまいます。 それを区切りにもう一度アメリカに帰ることになります。 淡々とした流れですが物語の意味合いを嚙みしめるにはいい流れですね。新しい土地は彼女を逞しく育て。また、迎え入れてくれました。アイルランド系移民。イタリア系移民どちらもがニューヨークを語るうえで欠かすことができません。彼女はそのうちの一人なんですね。 故郷を出る前の日。母に打ち明け母は「お別れをするは一度だけ」と娘と抱き合います。送る気持ちでしょうがもう二度と会えないことを思っての別れの抱擁だと思うと泣けました。 【としべい】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-01-13 14:34:24) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 掛け値なし、満点。一般人には船便しかない時代のホームシック、姉の死により故郷に一旦戻ったときにあふれ出てしまう里心。最後の決断はカトリックゆえの葛藤の結果。なによりも画面にあふれる色彩の素晴らしさ。最初の航海での出来事が、ニューヨークに帰って行くとき経験者としてくり返される、このエピソードは原作にはないんだけど、ここがとりわけ素晴らしい。サーシャ・ローナン(たぶん発音どおりだとこう、もしくはショーシャかな)を愛でる作品としても秀逸でした。それから、同時代のアイルランドやカトリックを知る意味で「あなたを抱きしめる日まで」は必見。ほぼおなじ時のアイルランドでの状況を知ることができるし。また、「キャロル」は同時期のアメリカの状況を教えてくれるうえに、川向こうマンハッタンのデパート物語でもあるし。そして逆側のニュージャージーのイタリア系移民の実情を知ることのできる「ジャージャー・ボーイズ」もあわせてご覧になれば、この作品を立体的に捉えることができるでしょう。ついでに「雨に唄えば」もお忘れなく。そうそう、イーストウッドの「ミリオンダラー・ベイビー」にもつながる話なのだよね、この物語は。 【shintax】さん [映画館(字幕)] 10点(2016-07-18 14:52:53) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 アイルランドに戻った際、結婚してるのに思わせぶりな態度を取り、男をその気にさせたひどい女のおはなし。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 4点(2022-12-28 23:07:04) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 ああ、もう言いたいことは「かたゆき」さんが全部言ってくれています。そーです。主人公の女性エイリシュ。この人に中盤以降全く共感できないのです。 エイリシュがブルックリンで出会ったイタリア人のトニー。そしてその家族。みんなとても良い人。エイリシュにとても親切で本当によくしてくれます。エイリシュはトニーと恋仲になり、その家族にも公認されます。籍を入れ、未来を誓い合う二人。それなのに、こんなによくしてくれたトニーとその家族を裏切ろうとします。 結局近くにいる人から好意を寄せられたらそっちにいっちゃう人なんです。居心地が良ければ簡単に流されちゃう人なんです。いや、こーゆー人は結構います。でも映画でそんなとこ見せられちゃあがっかりです。 逆なら良かったです。最初がそんな人だったんだけど、そこから成長していくという物語なら文句はありません。 こいつがもしトニーと結婚していなかったら、ブルックリン在中の人の密告がなかったら、きっとエイリシュはトニーを裏切って故郷に身を落ち着けたことでしょう。 つまり、エイリシュは最初から最後まで自分のことしか考えていない超自己チュー女。 結婚していたことがばれると、あろうことか故郷のことを悪く言い、ブルックリンに逃げ帰り、何事もなかったかのように何も知らないトニーとハグします。クソ女です。後味が良くないハッピーエンドはもはやハッピーじゃねーよ。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 4点(2021-12-12 16:00:24) (良:1票) |
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5.《ネタバレ》 故郷アイルランドからNYに渡り、孤独に耐えて頑張るところまでは、面白くて引き込まれた。また、シアーシャ・ローナンはとにかく魅力的で良い。しかし求婚されて即OKしてから、故郷に戻り再度渡米と大きく展開がかわるのだが、彼女が変わり過ぎ(笑)最後は重婚しそうな勢いでなんともお粗末な展開で、なんとか元のさやに収まったって感じかな。NYでは盛り上がって良かったのに後半残念。 【SUPISUTA】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-09-23 01:25:22) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 故郷のアイルランドを離れて、仕事のためアメリカへ飛び立つ。この時点で、ツカミはばっちしで序盤から惹かれた。移動中の船内や就職先での様子など、地味ではあるが1950年代の社会の様子が伝わり興味深い。ホームシックなど、1人の女性の姿を現実的に捉えていて感情的にも共感しやすい。ダンス社交場で芽生える恋心も、温かい目で追いたくなる。 中盤までは本当に良かったが、後半は微妙。再びアイルランドへ帰ってきてからの主人公女性の姿は、結婚した男性以外に目移りしている姿が露骨すぎて苦々しい。目を覚ますきっかけも、偶然他人にチクリと言われたからと本人内での成長を感じない。煮え切らない気持ちでエンドロールが流れてなんだかなと思ってしまった。 【カジノ愛】さん [インターネット(字幕)] 6点(2018-04-07 13:17:33) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 これから社会に巣立ってゆく女の子たちにぜひ観て欲しい一本。ヒロインと笑い涙し、勇気を共に振り絞る経験ができるでしょう。 美少女だったS・ローナンはすっかり大人になりました。アイルランド出の野暮ったさをすっぴん顔で上手く表現できている前半と、垢抜けてゆく中盤以降の変身ぶりも印象的です。 都会に出たての心細さや、虚勢張りやホームシック、それをサポートする周囲との関わりといった彼女の生活が丁寧に描かれ、エピソードの一つ一つが胸に溜まります。船で出会った赤い服のアドバイザーや寮の先輩達、職場の主任、皆気の良い性質なのだった。初めはコワイけれど。 そして、場が急転換する第二部帰郷編。これがもう、胸がざわつく大変なことになるんだ。ええー、どうする?とワタシが苦悩しちゃったよ。なにしろ旅立つ前と状況が違いすぎる。一会社の事務を任せてもらえるし、以前は相手にもされなかった上層ランクの男子と親密になるにつれ、周囲まで期待を寄せてくる。なんと運命はズルイのか。故郷ってこんな風に絡め取ってくるものなのか。 彼女は決断します。エイリシュ、ああ、もちろんそれしかないよね。だってNYのそこは貴女が自ら切り開いた居場所なのだから。姉の後釜となって故郷に残るより、ずっとローズも喜んでくれると思う。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-01-22 00:11:20) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 1950年代のアイルランド。長年にわたる不況により碌な仕事も見つからないこの国で、年老いた母と事務員として働く姉とともに暮らす若い女性エイリシュ。閉塞感漂うこの国に嫌気が差した彼女は、心機一転、アメリカへと移り住みことを決意する。母と姉に別れを告げ、単身アメリカ行きの船へと乗り込んだエイリシュは多くのアイルランド系移民が暮らすブルックリンへとやってくるのだった。支援してくれる神父の助けもあってデパート店員という職も得た彼女、夜は簿記の資格を取るために大学へも通うことに。そんな忙しい毎日を過ごすエイリシュはある日、心優しいイタリア系移民の青年と恋に落ちる。だが、そんな充実した日々を送る彼女の元に、故郷から悲しい知らせが届くのだった――。夢を抱いて単身アメリカへとやって来た若い女性の青春の日々を瑞々しい映像で描き出すヒューマン・ドラマ。オーソドックスな題材ながら全体に漂う上品な雰囲気や美しい音楽、そして何よりシアーシャ・ローナンをはじめとする役者陣の自然な演技によってなかなか品のいい佳品に仕上がっていたと思います。主人公が身を寄せることになる寮の住人達もみな魅力的だし、世間慣れしていない彼女の不器用な恋の顛末も見ていて微笑ましい。船の中で受け取った助言を最後、成長した主人公が後輩へと受け継ぐという流れも自然でうまい。まあ連続テレビ小説みたいではあるけれど、これはこれでいいかもと見ていたのですが…。やっぱり引っかかるのは、主人公が故郷へと帰ってからの展開でしょう。すぐに帰るからとアメリカの恋人に誓ったのに、彼女は故郷で再会したかつての友人にも惹かれてゆくのです。彼への手紙も返さず友達カップルと一緒にダブルデートしたりするエイリシュ、でもアメリカに恋人がいることはひた隠しにします。え、ちょっと待ってください、これって完全に二股ですよね?なのに最後、嫌みなおばはんにそのことがバレると「忘れてたわ。ここはそういう街だった」とアメリカへ帰ることを決意するって…。いやいや、そんなんアメリカで散々待ちぼうけを食らってたあの彼氏からしたら、「俺への愛情を取り戻したから帰ってきたんちゃうんかい!!」と腹立ってしゃーないと思うんですけど(笑)。少なくとも僕ならそう思います。前半の展開は良かったけれど、後半の主人公の自己チューっぷりが気になって僕はどうもダメでした。5点。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2017-06-05 01:53:47) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 アイルランドからニューヨークのブルックリンへの移民、 ブルックリンでの出会いと帰郷後の出会い、2つの国のはざまで揺れ動く、まだ若い1人の女性のドラマ。 序盤の不安に包まれながらのアメリカへの船出と、ラストの確信に満ちた2度目のアメリカへの船出。 「入国管理局ではアメリカ人のように毅然とふるまうのよ。」最初の船出とは立場が入れ替わったかのよう。 アメリカでの暮らしと、最愛の姉の死や帰郷後の出来事を通して、そこには強く成長した彼女の姿がありました。 1950年代、その時代を感じさせる作品の色と空気感が素晴らしく、 何気無い日常を静かに淡々と綴っていきながらも彼女のドラマから目が離せなくなる見事な物語の構成に、 挿入される寮での食卓や、結婚することになるイタリア系移民の男の家族との食卓でのユーモアのある人間描写もいい。 短い言葉を交わし抱き合う母との別れと、何も言葉は要らないラストの夫と抱き合う彼女の姿。 凛として芯の強さを感じさせるシアーシャ・ローナンの目と、その表情がすごく印象的。 彼女が「ラブリーボーン」の女の子であったことは鑑賞後に分りました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2017-02-05 00:00:15) (良:1票) |