8.《ネタバレ》 サメ映画は(そんなジャンルがあるのかは知りませんが)、最近ではB級はおろかZ級のネタ映画のような存在になっていた。(ステイサムが巨大サメと戦うというヤベェ映画も待機している) 本作も妙な邦題と低予算の安いあらすじで、例に漏れずという雰囲気だが、いやいやこれが実にいい出来だ。満足感はB級どころかSクラス。どこの誰とは言わないがブレイク・ライブリーの水着見たさにホイホイ釣られるような観客は、本作の緻密な設定と演出に驚くことになるだろう。
本作はシンプルなサメ映画のプロットながら、随所で的確な演出が冴える。。 監督のジャウマ・コレット=セラといえばホラー、サスペンス、アクション、さらにはスポーツ青春ものまでそつなくこなせるオールラウンダーだ。これまで培ってきたであろうどんなジャンルでも通じる演出力を、この上映時間の短いサメ映画でも遺憾なく発揮したといえる。
それは冒頭のスマホの画面を映し出す演出からもうキレキレ。これだけだと単によくある今風の画面作りに思えるが、スワイプしていった先に頭を布で覆った女性を映したのが巧い。これだけで彼女の母が闘病したことが刷り込まれるため、中盤の親子の会話が無理なく展開できる。さらには妊婦の形の島やファンタズマも、彼女と母との繋がりを暗示し、結果はどうあれ、彼女が最後まで闘いぬく意思を持つことを強調させる。
恐怖描写もまた面白く、ローカルの帰宅と冒頭のビデオのミスリードのおかげで、持久戦にもつれ込んでいく際の絶望感が際立っている。砂浜に落ちているバッグを気に掛ける描写もリアルな不安感を煽るが、それを中盤のメキシカン裸の大将がそっくり回収するのがまたタチの悪い所だ。陸からほんの200mほど離れただけで、人間はこんなにも無力なんだよと再確認させられる。(さらにはサメの恐ろしさを非業の死をもって伝えるなど、大将はなかなかいい仕事をしている)
シンプルかつ理路整然と用意された舞台設定も、恐怖を感覚的にとらえやすくするための仕掛けだ。鯨の死体、足場、ブイの3点が形成するまさに魔のトライアングル海域には、生存に直結するような起死回生アイテムもない。 そう、これほど救いのない状況だからこそ、生存を占う要素として、彼女のファイターとしての側面を丁寧に描いたのだ。
荒唐無稽なサメ映画と見せかけてその実、ロジカルな構成に裏打ちされた「面白い映画」だと言える出来だ。
そしてやはりブレイク・ライブリーについて言及しないわけにはいかない。実はヌードNGとして通っているが、必要であればギリギリを惜しまず提供する非常に好感度の高い、いや仕事に真面目な女優だ。(参考資料:「野蛮なやつら/SAVAGES」) 監督もそれを理解してか、演技指導にも撮影クルーにも良い指示を出していたことが伺える。その功績は枚挙にキリがない。
破った袖に足を通して美脚ドン!ラッシュガードはジッパーで胸寄せドン!一年後には新作水着キタコレドン!はい、いただきました。ありがとうございますありがとうございます。
どこの誰とは言わないが、一部の客層が絶対抱くであろう期待をもしっかり汲み取ってくれる素敵な映画だ。 あの狡猾なサメがブレイク・ライブリーのお尻を追って玉砕したのも、今の君たちなら理解できるだろう? 【サムサッカー・サム】さん [映画館(字幕)] 7点(2016-08-08 17:26:28) (笑:2票) |
7.撮影当時27歳前後と、最も脂がのった適齢期のブレイク・ライヴリーが思い切った演技&水着姿を見せてくれます。顔や足などが日焼けしている感じは微妙ではありましたが、それでもやっぱサーファー姿のブレイク・ライヴリーはあっぱれ。
脚本自体これ以上やりようがないというくらいスマートにシェイプされた作品ですが、正直言ってサーフィンが終る30分を過ぎたあたり、「さあ、今からサメが出ますよ!」というフラグが立った途端に退屈になります。いや、もちろん観客が飽きないようクジラ→岩場→ボード→GoPro漂着等、順にステージが変わるよう工夫はされていますし、事実、計算されつくした脚本なのも理解できます。でもワンシチュエーションのこの手の映画は飽きるんですよ。。 画面内に画面が展開されるいわゆる”ピクチャーinピクチャー”がオープニングから強調されていますが、こちらは全くといっていいほど機能していません。なぜスマホ、時計、GoProの画面など何度も強調したのでしょうか?なぜこれを見せたかったのかがよく理解できません。その他、無駄なシチュエーションも多く、酔っ払い、カモメ、クラゲ、ラストの海底のアレなど、何だかリアル志向の映画に水を差す流れがチラホラあったのも気になった点です。そもそも論ですがメキシコ地方×言葉も判らない×女1人×ビーチの名前すら知らない・・ 医学部の才女が絶対にやらない行動のオンパレードだったのもかなり気になった点です。
総じて、海や水の表現が最高に美しかった!というのが最終的な感想だったりします。映画としてはよく出来てはいますが、どうにも微妙な点数に落ち着く作品でした。 【アラジン2014】さん [インターネット(吹替)] 6点(2022-08-04 16:05:23) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 スマホの画面が浮き出る演出。そういう機能を持ったスマホが出来た時代のSF映画かと思ってしまった。 ナンシーとサーファー男二人の格好いいサーフシーン。この辺で、序盤のサーフボードとカメラヘルメットの持ち主が解る。彼女たちに待ち受ける、良くない未来も。 「もうひと波」とサーファー達と別れるナンシー。でも波も少なくなり、荷物もちょっと心配になったり、寂しさと心細さを感じさせる演出が上手い。 そこからクジラの死骸…あれは、怖いわ。 サメとの闘いはスリリングで迫力もある。だけど決着は、あそこまでドラマチックじゃなくても良かったかも。 太ももの傷が痛い痛い痛い。見てるこっちも大口開けて「ア~~・・・アフッ!!」って思わず声が出る。 そしてカモメが可愛い。捕まえて食べるのか?ってミスリードからの治療→指かじり。可愛い。 サンゴ、クラゲのフラグもキッチリ回収。 タイトルのThe Shallows =『浅瀬』が充分に活かされた、もどかしいシチュエーションが見事。 なのに敢えてロストバケーションにした効果はイマイチ感じられない。原題ままで良かったかもしれない。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-26 00:31:36) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 昔見た「オープン・ウォーター」よりはマシに思えましたが、やはり地味過ぎて今一つノれませんでした。 一応、潮汐や体力的なこと等、タイムリミットを設けていましたが、途中の酔っぱらいや日参りのサーファーの存在がヤラレ役とは言え「待っていれば人が来る」ことを印象付けてしまい、中途半端に絶望感を削いでいるように思えました。 それとクラゲのシーンはいくら何でもチープ過ぎます。あのギコチナイクラゲの所為で一気に現実に引き戻されてしまいました。マイナス1点。 【J.J.フォーラム】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-10-26 21:58:48) (良:1票) |
4.さすがにサメに襲われる役は、リーアム・ニーソンじゃないんですね~。 ジャウム・コレット=セラ作品に出てくるリーアム・ニーソンみたいに、この映画の主人公も周りから「孤立」しているのですが、周りに人が大勢いるのに孤立するのとは違って、本作では、海上に突き出た岩礁に、物理的に孤立しています。確かに、遠くにいる人なり船なりと「思うように意思疎通が取れない」という問題、ではありますけれども。 海中にはサメがいて、こいつが敵だから、わかりやすい。わかりやすい分、物語に盛り込むネタがあまりなくって、前半はパニック映画というより(そもそも、登場人物がほぼ一人で「パニック」というのかどうか)、外科手術映画として見せ場を提供します。痛そうです。見てて心細くもなります。が、主人公に医学の心得がある、ってのが若干、言い訳っぽくって、出来レース的でもあります。 このまま盛り上がらずに終わったらどうしよう、と思ってたら、終盤はどんどんサメがアタマ悪くなってきて大暴れ。こうでなくては。 というワケで、最終的には期待に応えてくれるのですが、ちょっとネタ不足ですかねえ。 主人公が岩から岩へと移って場面、なんてのは、ちょっとトレマーズみたいで、ジョーズ映画が海から陸に上がって、また海に戻ってきた、みたいなパニック映画の歴史っぽいものを感じさせますが。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 6点(2019-12-15 12:20:06) (良:1票) |
3.”水着のお姉さんがサメのピンチに遭遇するB級映画”というイメージのまんまといやそうなんですが演出のひとつひとつに結構力がありまして「うわあ傷が痛そう」とか「陽がじりじり暑そう」とか「きゃーサメがでかい」とか客を飽きさせないで引っ張る力量はなかなかのものでした。 美貌絶頂の「旅するジーンズ」からだいぶ経って、正直なところ水着タレントの旬からは外れているブレイク・ライブリー。でもこの人、元々お色気を売るというよりは女子にも人気の高いサッパリ美人ですので今作のサーフィン好き医学生という役にハマってますし、かもめの治療を通じて悩みを通り抜けるサブストーリーもちゃんと機能していました。 タイトルどおり、見るからに”浅瀬”なのにビーチにたどり着けないもどかしさ。ギリギリ声は届くのに、浅いことが油断を招き犠牲者続出。シチュエーションも結構考えられてるのですね、コレ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-08-21 23:50:39) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 テレビでやっているとついつい見てしまうサメ映画。 B級率が高いジャンルですが、本作はなかなか健闘していると思います。 ほとんどブレイク・ライヴリーの1人芝居映画ですが、彼女もまた体を張った大健闘。 砂浜までは200mで相当遠くとても泳いで行けない。 彼女の移動距離はごくわずかなのですが、何とかあそこまでなら行けるかもしれない。 狭い範囲に点在する、大きなクジラの死骸、海面から少しだけ顔を出す岩礁、ブイの配置が絶妙。 また、満潮になると今自分が身を寄せている岩礁は水没してしまう。 満潮までの残り時間を提示することで、タイムリミットものの緊張感も加わります。 最後のサメとの一騎打ちの決着のインパクトは弱いのですが、 90分以下にまとめられた尺も良し、十分最後まで楽しめる作品となっています。 岩の上で彼女の心の支えのようにずっと傍にいたカモメがいい助演をしていました。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-29 14:12:15) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 この映画の存在を知り設定を聞いたときからずっと観たいと思ってた映画なんですがなかなか観る機会がなく、今回やっと観たわけですが…正直、期待が大きすぎました。
ヒロインの水着姿に魅力がないのが致命的で、これがたとえばグラスハウスのリリー・ソビエスキーの水着シーンみたいなエロさであればそれだけでもう十分!ってくらいの価値はあったと思うんですが…何しろほとんどヒロインのワンマンプレーな映画ですから映画の魅力はヒロインの魅力に依存する部分が大きいわけです。 そのヒロインを演じるのが「野蛮なやつら/SAVAGES」で、どこがいいのかわからない冴えないヒロインを演じていたブレイクライブリーなんですから、期待するだけ無駄だったという事なんでしょう。
ストーリーもイマイチで、たとえばカモメ。 例えばサメに喰われてヒロインの囮になるなり何かの偶然でヒロインの助けになったり、とにかくストーリー上の鍵を握るかと思いきや…何もない! 何なのそれ!
まぁカモメも無事に助かってたみたいでよかったですが…てか人間の医者ってカモメの羽とかでもあんなパシっと治せるものなんでしょうか? いくら医者でもさすがにカモメの羽の構造は知らないような気がするんですが… 【あばれて万歳】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-06-27 14:37:49) (笑:1票) |