1.《ネタバレ》 TVアニメ「魔法少女リリカルなのは」シリーズの劇場版である。TVシリーズ第1期(2004年)の劇場版は「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」として2010年に公開されているが、この映画は第2期「魔法少女リリカルなのはA's」(2005年、全13話)の劇場版として2012年に公開されている。前回からあまり経っていない時期のようで主人公は依然として小学生女児だが、激しいアクションを伴う戦闘少女アニメであり、せめてもう少し大人になってから戦ってはどうかと言いたくなる。 物語としては、前回は母と子の問題が大きく扱われ、形の上では一般社会に問題を投げかけたとも取れる作りになっていたが、そのせいで話が大げさすぎて不自然に見えた。その点今回はこのアニメ内部で閉じた話のため違和感はないが、ますます現実から隔絶した架空世界に閉じこもったようでもある。前回に続いて“話せばわかる”というようなコンセプトが出ており、また最初は敵でも最後は友達になるという展開が基本構造のようにも見えるので、ここから無理にメッセージのようなものを読み取るとすれば“心を開いて仲間をつくるのが大事”というような話だろうが、しかしまあ現実にはキャラクター同士の個別の関係性を超えた一般化など求められていないのだろうという気はする。 なおreinforceというあからさまな英単語はファンにどう受け取られているのかわからないが、自分としてはreinforced concrete (RC)の印象が強いため人名に使うのは抵抗感がある。ほか個別の場面としては終盤で、ここは号泣するところだ!!!と明瞭に指定した感じの演出が印象に残った。