《改行表示》 4.《ネタバレ》 プリクェルではないという微妙な立ち位置で多くの観客に混乱を与えた『プロメテウス』から一転し、本作では『エイリアン』の看板が戻り、全体としては原点回帰の作風となっています。怪しげな星に立ち寄った宇宙船がどえらい目に遭わされるという物語であり、血もドバドバ出ます。これぞエイリアンです。ただし、バカな人間がバカなことをしでかしたために余計に事態が悪化するという、この手の映画でやって欲しくない展開が非常に多くて登場人物に感情移入できなかったことが、観客の恐怖心を和らげるという悪い影響をもたらしていますが。 コヴェナント号が航路を外れてまで舞台となる星にやってくるという基本的な部分から、説明がうまくいっていません。「我々の生存に必要な要素が揃っている。当初の目標である植民星オリガエではなく、こちらの星に移住しよう」という突拍子もない意思決定が実にアッサリとなされるのですが、こんな重要事項に関する判断があまりに軽すぎやしないかと驚きました。一応、この意思決定を下した艦長代理には「信仰心が厚すぎる余り、合理的な判断をできない可能性のある人」という人事評価があり、そのために艦長への昇進を見送られてきたという設定もあるにはあったのですが、ならばなぜ他のクルー達は艦長代理に反対の声を上げないのかと思いました。会社命令で行かざるをえなかったノストロモ号のクルー達と比較すると、事の発端部分に自業自得の要素があるため、コヴェナント号のクルー達には感情移入できませんでした。 惑星に降り立った後も、生命に必要な水と空気があり、植物も生い茂っている環境であれば未知の病原体等のリスクを考えなければならないのに、防護服なしで普通に探検を始めるものだから、この人達はバカなのかと思ってしまいました。いよいよバックバスターに襲われる場面では血で足を滑らせて転倒、一心不乱に撃った弾丸が可燃物を直撃して着陸艇大爆発と、こちらも愚かなキャラクターが事態を悪化させるという形で物語が進んでいくため、怖いというよりも呆れてしまいました。 そして、『プロメテウス』で活躍したデヴィッド登場により、場はさらに混乱します。隠れ家としてデヴィッドに案内されたのは未知の巨人の死体がゴロゴロ転がる、見るからに怪しい場所であるにも関わらず、「ここは安全だ」というデヴィッドの言い分を全面的に鵜呑みにするクルーのみなさん。また、一か所に固まって救援を待てばいいものを、単独行動でどんどん戦力を消耗していくものだからイライラさせられました。彼らの持つ銃火器はエイリアンに対して効果を持つようだったし、用心深く対処していれば全員で生き残ることも可能だったと思うのですが。 一応、エイリアンの起源も説明されます。前作でエンジニアが作り出したものをデヴィッドが品種改良して完成させたのがみなさんご存知のエイリアンでしたという、それを知ったところで「へぇ~」とも何ともならない、実にありがたみのない説明ではありましたが。起源を描けば描くほどエイリアンの存在は矮小化しており、「偶然出会った訳のわからん凶悪生物」という第一作のまま放っといてあげればよかったのにと思いました。 リドリー・スコットによると、次回作『エイリアン/アウェイクニング』は『プロテウス』と本作の間の時期を舞台にした作品となるようですが、エイリアンの起源に関する興味はあまりないので、これ以上の続編はもういいかなという感じです。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 5点(2017-09-16 12:35:20) (良:4票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 亜流がいっぱい出た『エイリアン』ですが、ここまで来ると本家もまたその亜流たちとさして印象変わらないようなモンで『ライフ』と比べたってどっちもどっち、くらいなモンで。相変わらずプロフェッショナルにしてはお粗末、お馬鹿な方々が出てきてはエイリアンが出たー、ギャー、ってのを繰り返すばかり。 ヒロインには決定的な何かが足らないし(映画背負って立つほどの存在感の欠如とでも申しましょうか)、各人意味もなく勝手気まま、バラバラに行動してるようにしか見えないエピソードのブツ切れっぷりだし、結構引っ張るけどオチは丸見えだし(いやもうアッチだって判ってるしYOU早くバラしちゃいなよ)。 アンドロイド同士で創造主について語ってる時点でレプリカントやりたいんか、『ブレードランナー』に繋げたいんか、って思いましたが、そこ、この映画の中でも特に面白くないところで。ダレまして。でも、そういう起源からの変遷を語るのならば、その先、人類が進化してアンドロイドとエイリアンを克服してゆくか、或いはアンドロイドかエイリアンが人類を凌駕して宇宙を支配してゆくか、そういうところまで描いてこそなワケで。広げた大風呂敷の結果が『エイリアン』~『エイリアン4』だと、それはそれで小さくまとまって終わる事になるんだなぁ、と。今考えてみれば『4』のリプリーにはその予兆みたいなモノはあった訳ですが。 エイリアンの基本設定はもう変えようがありませんから手詰まり感たっぷり。ジェリー・ゴールドスミスにオマージュ、な音楽も1作目に対する回帰志向を強調しているように感じられて後ろ向きな印象。 もっと変化したエイリアンをやるには歴史を先に進めるしかないんじゃないかと思います。大風呂敷をしっかとたたんでみて欲しいところで。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 5点(2017-09-25 21:47:19) (良:3票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 記念すべき第一作「エイリアン」の60年前以上の世界なんだけど相変わらずハイテクすぎる世界。 どうしても同じ時間軸の物語とは思えない。 本作の主人公はリプリーもどきのヒロインかと思いきやアンドロイドの方でした。 第一作「エイリアン」では会社からの指示で暗躍する存在でしたが、こっちは自我を持ってかなり無茶なことやってる。 しかしこの手の映画のお約束なのか登場人物の乗組員たちが全員アホすぎる。 しかし病原菌や安全性が不明な未知の惑星で宇宙服のヘルメット脱ぐかね? 胞子状になったエイリアンが鼻から入って体内で成長→胸を突き破ってエイリアン登場。 お馬鹿な乗組員たちがギャースカ騒いで攻撃の邪魔になったり誤射しまくったりで宇宙船爆発。 見てて脱力するぐらいお約束なコントを繰り返すアホばっか。 この映画に限らずプロフェッショナルな人たちが子供のような幼稚な行動しかしないと本当にがっかりするね。 勿論現実にも有りうるケアレスミスレベルなら許容範囲内だけど。 【ume0214】さん [CS・衛星(吹替)] 5点(2019-01-25 14:18:35) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 もはやエイリアンは小道具と化しており、創設者の意思を継ぐアンドロイドのお話です。結論、エイリアンに理屈はいらない。緊張感と恐怖があればそれで良い。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-12-29 00:59:05) (良:1票) |