4.クドイ演技が売りだったピーターセラーズが、この遺作では、技巧を捨て去ったような徹底してストイックな演技。「無」の演技とでもいえばいいのだろうか。アメリカ映画なのに、どこかヨーロッパの映画のような品格と味わいがある。すごく静かな映画なんだけど、紛れもなくコメディで、おおいに笑わせてくれる。でも段々切なく、ほろ苦い悲しみのような物が静かな画面の奥から迫ってくる。ラストのNG集は、何故かいつまでも、これが続いてほしいと思わせる。おかしくて、悲しくて、難解なようでシンプル、辛辣だけど優しい・・・・・不思議な不思議な寓話。 【ひろみつ】さん 10点(2004-03-14 00:39:49) (良:2票) |
3. DVD買っちゃいましたよ。シャーリー・マクレーン、つぶらな瞳が魅力的ですね。ピーター・セラーズはもちろんだけど、脇役陣が素晴らしい。 【ロイ・ニアリー】さん 10点(2003-12-21 05:55:39) |
2.大金持ちの屋敷でテレビだけを友に大人になった庭師をピーター・セラーズが好演。純真無垢な気持ちを持ったままの彼が、ふとしたきっかけで有名人になり、やがては大統領候補に祭り上げられようとするコメディです。チャンスが庭の手入れの話をするのを、本気で経済の立て直し政策と受け取るマスコミのエピソードも楽しいですし、彼を自分の片腕と信じ切るメルヴィン・ダグラスも妙におかしいです。セラーズとシャーリー・マクレーンとの絡みも笑えます。全体に、政治とマスコミに対する皮肉が満載で、それをニコリともしない無表情のセラーズが淡々と演じているのかと思いきや、エンディングクレジットを観ると、やはり本人も爆笑していたのね(笑)。ラストの葬儀の場面で、ひとり水辺を散歩する姿が印象的です。 【オオカミ】さん 10点(2003-11-20 08:36:44) (良:1票) |
1.これは本当に不思議な映画でした。ピーター・セラーズもbest actと言える程の熱演ぶりで大変良かった。展開は単調だし、静かな雰囲気でコツコツと進んでいくものですから飽きてしまいそうな感じだが、何故か内容に引き込まれた。何かチャンスの持つ不思議な魅力に引き込まれたのだろう、そういうキャラなのだチャンスとは。メディアという現代的な題材を選んでいるのに、ラストでチャンスが湖面上を歩いたりどこかメルヘンチックなものを感じさせる。エンドロールでもP・セラーズのNG集を収録しているのだが、何故だか切ない。決して面白くないNG集というわけではなかったが、何故か笑えなかった。そんな不思議な映画だ。 【チャーリー】さん 10点(2001-07-11 20:24:53) (良:2票) |