12.クドイ演技が売りだったピーターセラーズが、この遺作では、技巧を捨て去ったような徹底してストイックな演技。「無」の演技とでもいえばいいのだろうか。アメリカ映画なのに、どこかヨーロッパの映画のような品格と味わいがある。すごく静かな映画なんだけど、紛れもなくコメディで、おおいに笑わせてくれる。でも段々切なく、ほろ苦い悲しみのような物が静かな画面の奥から迫ってくる。ラストのNG集は、何故かいつまでも、これが続いてほしいと思わせる。おかしくて、悲しくて、難解なようでシンプル、辛辣だけど優しい・・・・・不思議な不思議な寓話。 【ひろみつ】さん 10点(2004-03-14 00:39:49) (良:2票) |
11.これは本当に不思議な映画でした。ピーター・セラーズもbest actと言える程の熱演ぶりで大変良かった。展開は単調だし、静かな雰囲気でコツコツと進んでいくものですから飽きてしまいそうな感じだが、何故か内容に引き込まれた。何かチャンスの持つ不思議な魅力に引き込まれたのだろう、そういうキャラなのだチャンスとは。メディアという現代的な題材を選んでいるのに、ラストでチャンスが湖面上を歩いたりどこかメルヘンチックなものを感じさせる。エンドロールでもP・セラーズのNG集を収録しているのだが、何故だか切ない。決して面白くないNG集というわけではなかったが、何故か笑えなかった。そんな不思議な映画だ。 【チャーリー】さん 10点(2001-07-11 20:24:53) (良:2票) |
《改行表示》 10.《ネタバレ》 掘り出し物的な作品。 コメディだと思うが、雰囲気は非常にシリアスで興味深い。本人はただありのままを語っているのだが、周りがそれで盛り上がったり癒やされたりする。 結末をどうもっていくんだろう、と考えながら観ていたが、最後のシーンで、チャンシーが現実には存在していないことを表していると感じた。そして本人もそれを理解したかどうか、この終わり方がまた良い。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-10-25 19:33:57) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 Life is a State of Mind と刻まれた「すべてを見る眼」を頂きに抱くピラミッドを模した墓。 巨大な邸宅と合衆国大統領を友人として扱うベンジャミン。 なんだ、そーかいベンはフリーメンソンのグランドマスターかい?ってことは棺を担いだ彼らもフリーメンソンの重鎮? まぁいいです、そこは…。 で、この映画、初出の1979年の暮れからなんと33年ぶりに観た。そして20歳の自分があの時感じたのと同じ感動と笑いと、そして知的興奮を覚えた。 そう、細かいことはいいや…。 この映画素晴らしい、それでいい、なんたって Being thereだ、そのままでいい、そのまま、ありのまま。 【crushersyu】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2012-02-20 16:29:30) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 原題は「そこにいるだけ」って意味なのかな。確かにその通りで、チャンスは嘘は言っていない。周りが勝手に騒いでいるだけという作り方です。本作は極端な例だけど、世の中、多かれ少なかれこんなことはある。人の社会的評価は本人では無く周囲にいる他者がするものだから。そして、日常的な評価軸から離れた人は正当に評価されにくいことも表現しています。普通は評価を下げられることがほとんどで、チャンスのように上がり続けることはありませんが。でも、本作は痛快という類いの作品では無かったです。笑うシーンはたくさんあるけど、もし本当に大統領候補になれば素性がバレる時が来る。失望し悲嘆する人が少なからずいる。それを想像すると、ちょっと暗い気分になりました。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-08-18 00:46:54) (良:1票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 この映画、とてもシュールなコメディで好きです。 それも、ピーター・セラーズの素晴らしい演技があってこそ。 純真無垢だけど何もない、ただの世間知らずの庭師・チャンス(ピーター・セラーズ)が、とんとん拍子に成り上がって(周りが勝手に祭り上げ)、やがて大統領候補になる・・・ なんてバカげている?と思うなかれ。 幼少の頃から、あの年まで庭師一筋なら実績申し分ない職人な訳で・・・ そりゃガーデニングに関しての言葉には、経験に裏付けされた立派な“お言葉”であることは間違いなく、勝手に周りが違う解釈に捉えるのもあり得ることです・・・ということにしときません? まさにチャンスがチャンスを掴むというお話。 ラスト、湖の上を歩くシーンは、チャンスが全ての運を吸い寄せて超越した人間(いや、神?)になったのでは・・・と思える印象深いシーンでした。 さて、私は決して熟女好きって訳ではありませぬが、オバサンになった(失礼)シャーリー・マクレーンが、『アパートの鍵貸します』の頃と変わらずキュートだなぁ~と思いキュンとなりました。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-04-29 14:58:53) (良:1票) |
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6.見た目は普通でも中身はヘンテコな役を演じさせたら天下一品のピーター・セラーズがまたもややっちゃいましたね~。風刺さとチャンスのキャラが合い過ぎておもしろすぎ。運と周りの人たちのお陰で今まで生きてきたようなもんのチャンスが一歩外に出てみたら不思議ちゃん扱い(笑)周りの人に祭り上げられてエンドクレジット前には水上を歩く見事な超人になっちゃったチャンスですがそのあとに流れる彼の笑いとストーリーのギャップさがいい感じにハマってました。 【M・R・サイケデリコン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-10-13 00:20:12) (良:1票) |
5.シャーリー・マクレーン(イヴ)がまたいい味だしてます。チャンスのばかっぷりにちょっとうんざりしたのもイヴで巻き返します。すごい屋敷だなー、チャンスは神の子なの?! 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-24 14:25:58) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 ほんとはこれって、もっとコメディ色の濃い作品になるはずだったんじゃないだろうか?いくつか、明らかにここは笑わせるポイントだろうと思しき箇所があるのですが、全体のトーンがとても静かで一様に淡々と進んでいくため、妙な教訓臭が漂ってしまっているのです。我々もこのチャンスのあり方に学ばなければならない、みたいな感じで。それだと、作中でチャンスの一言をありがたがっていた人たちと同じになってしまいます。あと、家を出た後に庭師としての主人公を感じられる部分が(言葉以外で)ほとんどないのが残念。それまでの人生の重みにリアリティを欠く結果となっています。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-05-05 02:41:45) (良:1票) |
3.テレビの見過ぎやわ!!! 【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-05-13 21:55:31) (笑:1票) |
2.大金持ちの屋敷でテレビだけを友に大人になった庭師をピーター・セラーズが好演。純真無垢な気持ちを持ったままの彼が、ふとしたきっかけで有名人になり、やがては大統領候補に祭り上げられようとするコメディです。チャンスが庭の手入れの話をするのを、本気で経済の立て直し政策と受け取るマスコミのエピソードも楽しいですし、彼を自分の片腕と信じ切るメルヴィン・ダグラスも妙におかしいです。セラーズとシャーリー・マクレーンとの絡みも笑えます。全体に、政治とマスコミに対する皮肉が満載で、それをニコリともしない無表情のセラーズが淡々と演じているのかと思いきや、エンディングクレジットを観ると、やはり本人も爆笑していたのね(笑)。ラストの葬儀の場面で、ひとり水辺を散歩する姿が印象的です。 【オオカミ】さん 10点(2003-11-20 08:36:44) (良:1票) |
1.何か物悲しいような、切ないような不思議な気持ちにさせてくれる映画。結局は、無知な人間に名のある大人や社会が勝手に巻き込まれていくという、社会を痛烈に風刺した映画であろう。ベンが死んだときにチャンスは表情は変えないが涙を流しているんですね。あの涙は本当の無垢の涙なのでしょう。大人のおとぎ話です。 【じふぶき】さん 8点(2003-05-30 14:37:00) (良:1票) |