《改行表示》 7.まず、完璧と言う言葉が浮かびました。 ひとつひとつのシーンが完璧だなと圧倒されて。 それは、暗い画面でも見たいものがはっきり見える。 ダークで醜いはずのものが美しい。 半魚人の深緑や金属やガラスケースでさえも、くすんだ綺麗な色合いにため息が出ました。 隅々までこだわったビジュアルの完成度の高さは、受賞するに値するものだと納得。 監督の夢が実現できたし、私も見せてもらえて嬉しい気持ちになりました。 もともとB級好きなので、こんな綺麗な半魚人にうっとり。 ゆで玉子に夢中なところも可愛いし。 水中での華麗な動きもさすがですね。 ラブシーンは私の不得意分野なので、他の方のレビューにお任せして。 (ここからはB級好きの独り言として読んでください。) そして私は声を大にして言いたい。 監督の趣味でしょうね。 スイッチ他メカ類のビジュアルのすばらしさ! どんどん、どんどんスイッチが出てきますがとっても綺麗で私の趣味にぴったり。 全編通して見ごたえあるメカいっぱいで、大満足。 例えば、監視カメラを映すテレビなども素晴らしかったですねぇ。 メカを見る作品ではないのですが、私の心がワクワク盛り上り、ルンルンが止まりませんでした。 良い仕事してるな~監督。 もう一度細部に見惚れたい、秀作。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 9点(2018-03-24 16:05:24) (良:3票) |
《改行表示》 6.ギレルモ・デル・トロ監督作品。第90回アカデミー作品賞受賞作品。 デルトロの大好きなモンスターと口の利けない女性との恋を描いたダークファンタジーの傑作。 本作についてデルトロはこのようにインタビューで述べている。Shape of water is shape of love. つまり本作のタイトルであるシェイプ・オブ・ウォーター(水の形)とは愛の形であるということだ。水という物質は様々な形状に柔軟に変化でき、至るところに存在する。それは愛にも当てはまる。デルトロは愛も地域や民族、宗教、言語、性別など様々な壁を越えて存在する普遍的なものではないかという可能性を本作を通じて、我々に提示したのではないだろうか。そのメッセージを”水”を象徴物として用いて素敵なおとぎ話に内包させ、愛が枯渇した現代社会に届けたのだ。その手腕は実にあっぱれだ。現代社会へのメッセージ性も強く込められているため、アカデミー賞を獲ったのも納得である。 その表現方法も秀逸であった。時代は1962年冷戦下のアメリカ。アメリカとソ連が対立し世界中を巻き込んだ混沌の時代である。そして浮き彫りになるマイノリティーと権力者の対立構造。声の出ないイライザや政府の研究の捕らえられた半魚人をはじめするマイノリティーと対照的に高級車を乗りこなす当時の理想の姿であった役人ストリックランド。時代背景と、とりわけこの対立構造が作品の根幹をなしている。話の中心はイライザと半魚人の恋だが、外見が違うからこそ半魚人の心に潜む愛情がより強調されるのだ。 俳優陣の演技や映像、音楽も抜群である。特にアレクサンドル・デスプラの音楽は幻想的な本作の質を高めていると感じた。度々出てくるエロ・グロシーンは賛否両論あると思うが、自分的にはあまり気にならなかった。 愛の可能性や多様性をデルトロ流の世界観に乗せて届けた一作。今まさにトランプ政権下のアメリカから圧力を受けているメキシコの生まれであるデルトロ自身もある種マイノリティーの1人であるというのはでき過ぎだろうか。 【whoopi】さん [映画館(字幕)] 10点(2019-09-17 02:01:27) (良:2票) |
《改行表示》 5.どんな映画を面白く思うか、・・やはり好き好きなのだなと思った。 ETの場合は違和感があっても入り込めたのに、この映画の場合はそうではなかった。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-05-11 23:07:00) (良:1票) |
《改行表示》 4.アカデミー賞作品賞受賞作とのことですが、どの辺が素晴らしいのかよく分かりませんでした。 「水の形=愛の形」ってことですが、人間の愛の形とその他の生物の愛の形は違うわけで、人間と半魚人の愛の形が同じというのがおかしいんじゃないだろうか?(実際、半魚人は猫を食い殺しているのですし) 更に言うと、アマゾンの奥地で捕らえられた半魚人が、塩水でないと弱るのか、理解できない。(淡水じゃないの?) 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 3点(2020-05-11 15:05:57) (良:1票) |
《改行表示》 3.パシフィック・リムが好きなオタクとしては、これはなんかよくわかりませんでした。 パンズ・ラビリンスも全く理解できなかったので、この監督はやっぱりよくわかりません。 お伽噺ではなくて、アイツはいった何なのか?を突き詰めた方がよっぽど面白くなったのではないかと思います。 それと全然色気のない裸をひょこひょこ見せられ、さらに半魚人と・・・正直引きます。 アカデミー作品賞との相性の悪さを再確認した作品。 【マー君】さん [映画館(字幕)] 5点(2018-03-13 23:54:00) (良:1票) |
《改行表示》 2.なんて醜いんだろう。なんて悍ましいんだろう。なんて妖しいんだろう。 そして、なんて美しいんだろう。 ファーストカットからラストカットに至るまで、すべてのシーンにおいて、あらゆる形容が感嘆と共に押し寄せてくる。終始一貫して、ギレルモ・デル・トロ監督の「偏執的」な愛と狂気が渦巻いている。 いわゆる「怪獣映画」を好んで、古今東西の色々な作品を観てきたけれど、あらゆる怪獣映画の魂を引き継ぎ、それでいてそのどれとも異なる類まれな作品と成っていることは間違いない。 その創成期より、怪獣映画にはそれを生み出す「人間」のあらゆる“業苦”と、社会の“歪”が込められてきた。 「怪獣」たちの姿は、苦しみ、怒る我々人間たち自身の権化と象徴だった。 だからこそ、僕たちは、作り物の怪獣が織りなす恐怖や悲哀に、恐れおののき、心を揺さぶられてきたのだと思う。 この醜く、美しい相反する形容が同時に存在する映画が素晴らしいのは、そういった怪獣映画の真髄を真正面から組み込みつつ、時代と社会を超えた映画世界の中で、現代社会の怒りと悲しみを訴えているからだ。 この現実世界に「強者」は存在しない。 大国を動かす権力者も、長者番付のトップに君臨する金持ちも、絶対王者の格闘家も、只一人で完全無欠に生きられる人間など居ない。 この映画の人間描写はそのことを如実に物語る。 声を持たないヒロインも、ゲイの隣人も、黒人掃除婦の友人も、権力者に使い捨てられる敵役も、そして“異形の君”も、この映画に登場する誰もが「弱者」であり、何かに寄り添って、必死に生きようとしている。 “ゆで卵”一個の悦びに生きる価値を見出し、耐え難い苦しみから抜け出す勇気を得るのだ。 彼らのその姿は、とても脆くて儚いけれど、あまりにも愛おしい。 社会が勝手に貼り付け、押し付けたレッテルと価値観を超えて、ただ「存在」し続けることの勇気と愛を堂々と示したこの生命の讃歌を愛さずにはいられない。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 10点(2018-03-02 23:40:46) (良:1票) |
《改行表示》 1.ものすごく人を選ぶ映画だと思います 映像、音楽はとても雰囲気があり興味をそそるのですが、 ストーリーの方はなんというか雑。いろんな部分を省きすぎて不親切の方に思えました。 なんであんな厳重な施設に簡単に掃除婦が出入り出来るのか、この時点で???と思いながら見てました。 映画全体を通して、 ファンタジーを押したいのか現実感を押したいのか見てて気持ち悪い中途半端さがあり、どっちつかずでした。 おそらくリアルを舞台にファンタジーを織り交ぜたかったのでしょうが うまくこの2つがマッチしてなかったです エロやグロに関しても本当に必要なシーンなのかわからない部分があったり 雰囲気重視に作りたいんだろうなぁって映画だと思います。 ラストも見る人によって色々考えられそうなオチでしたし個人的には好きです 決してつまらないというわけではなく むしろもったいないなぁっと感じる映画でした。 【非映画人】さん [映画館(字幕)] 6点(2018-03-02 17:25:06) (良:1票) |