8.《ネタバレ》 端的に言えば、消化不良。 中盤の高揚感はいい。頂けないのは、序盤のイクメン家庭のエピソードがくど過ぎ。 「イクメンとは名ばかりの、クズ親父でした」を、描くのに時間掛け過ぎ。披露宴2次会で新郎に モノを投げる友人達に、共感すら覚える。その辺は、描くより説明にでもしてくれ。 で、変な盛り上がりの末の結末が、???過ぎて、各自勝手に解釈してねのスタンス。 序盤のグダグダを辛抱したのに、期待させといて途中で放り出される苦痛。耐え難い・・ どなたかの「来る来る詐欺」の評価で、嫌な予感90%でしたが、確かに結末は来なかった感じ。 原作知らないのでアレですが、勝手な想像はできない事はない。 最強霊媒師とその軍団は身内の反乱で邪魔されて、勝利できず悪霊と差し違えた? で、霊媒師の妹のカップルは、駄目夫婦の娘と3人で生き残った?
ただなあ、それを描かず、唐突にシーンが飛び、挙句に娘の夢の中「オムライスの国」とかを ほのぼのと見せるセンスは、ホラーの本編より100倍の破壊力を見せ付けてくれた。 褒めてません。せっかくの映画を破壊して終るセンスに、顎が外れそうなんです。
人間の心の闇に付け込む悪霊。 で、家庭の現実から逃避して、ブログの中の自分に酔いしれる親父。 そのストレスで2歳の娘にやつ当たりしまくり、育児放棄して浮気をする母親。 そんな母親を相談にのるついでにネンゴロになる父親の親友。 それぞれが抱える精神の影の部分により、次々と悪霊の餌食になる展開。 戦うべく対峙した3人も、それぞれが隠していた影の部分によりダメージを 受ける終盤。弱点の無い筈の、姉の霊媒師ですら、悪魔との戦いの為に子供を犠牲にしようとして 葛藤した結果、精神に隙ができてしまい悪霊に負けそうになり、最後の手段に出た・・? のかな 中盤の盛り上がりと小松菜奈と松たか子の姉妹霊媒師は、なかなか良かった。それだけかな
話がどうとかではなく、見せ方・終り方が面白くない。 そうじゃないだろ感が充満。 ただ、解釈が変れば、印象も変るかもなので、原作読んでみますか・・? 気は進みませんが・・
追記・・小説読みました。一部理解に苦しむ描写があり、映画と比較出来るまでには至って無いのですが ハッキリとした差は、母親の生死の件ですねえ。原作では母親は生き残ってます。 映画では、トイレのドアからひょっこりはん的登場の「ぼぎわん」ですが、原作では便器から登場・・(笑 右腕奪われた霊媒師も、原作では直後に死亡してまして、リベンジに来たりはしません。 そして悪霊の登場場面、原作は割と具体的な形で来ました。映画の抽象的な戦闘とはかなり違う。 で、映画では描かれない琴子の生死・・、原作の方では生き残って後始末してました・・。 また、原作には「オムライスの国」は出て来ませんし、それよりも最後に不吉な光景があります。 除霊が完璧ではなかったという暗示なのか・・?? と、結構違うストーリーです。 で、これらの改変がどんな意義があるのか? 孤児になった千紗が真琴の許でオムライスで本当に幸福になれるのか? まあ誰にもワカリマセン。 いずれ、悪魔祓いがテーマの原作を、大袈裟なイベントにする事でエンタメ要素大盛りにした点は 良かったと思いますが、悪魔の正体を描写する事から逃げたという印象は、確信に変わりました。 どうしても褒められない・・ ので、点数は変えませんです。 【グルコサミンS】さん [映画館(邦画)] 3点(2018-12-27 18:47:05) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 後半45分は早送りで最後の10分見れば充分かな?役者さんの熱演に5点。
「ぼぎわん」という伝奇ホラーを題材にした映画。原作未読。 物語の中盤までは良かった。香奈(黒木華)が死ぬまでは因果のプロットや伏線の配置は観る者を退屈させずに 画面に引きつける力とテンポもあった。しかし琴子(松たか子)本人が登場してからが全然ダメ。冗長で何が したいかさっぱり意味不明。前半の因果も伏線もほったらかしで、地域の盆踊りのごとき除霊祭りで大盛況。 コレは別に松たか子や演者に問題がある訳では無く、脚本と演出がいい加減すぎるからであろう。
国家権力まで巻き込んで団地で除霊とかもうぶっ飛びすぎてついて行けません。日本全国から霊媒師が集まった 割には彼らは殆ど何もしないのである。ただ祈りを捧ぐのみ。ただ得体の知れないものが暴れ回っており子ども の魂?肉体?を連れ去ろうとしているのである。そこに何の因果があるのか我々は物語を知りたいのである。
我々はただ意味も無く暴れ回る化け物が観たいわけでは無い。そこに何気ない日常生活に密着した因果や物語が 内在するからこそ、畏怖し自らを戒めたり、恐怖に苛まれるのである。ただ訳のわからない血しぶきにいくら 松たか子が格好よく対峙しようと何のカタルシスも起きないのである。 原作の評価が高いだけに残念な作品だ。 (後半の糞ディティールは中島監督なんだろうな/告白も後半破綻しかけた) 【hibari_21st】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-10-07 15:22:05) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 序盤〜中盤の不穏な「家族もの」の展開はベタながら、妻夫木君、黒木さんのハマりっぷりも見事で楽しく見た。とくに、子どもが生まれてからの展開は、「異物」としての子どもが持つ不気味さを見事に体現していたようにも思える。ただ、中島監督が「家族こそが最も不気味なもの」みたいな、ありがちなオチに満足するわけでもなく、最後はなぜかオカルト大戦争。これはこれで面白かったし、岡田准一君の貫禄とか、小松菜奈さんの成長とか、松たか子さんの格好良さとか、それぞれの魅力も十分に引き出してる。でも、全体にチグハグな印象が拭えないことと、物語全体をつなぐ怨霊が思ったより迫力不足だった。とくに、個人的に一番気になったのは、怨霊が何に「憑いている」のか不明な点。少年時代から今までの妻夫木君に憑いているように見えたけど、妻夫木君自身は中盤に退場しちゃうし、その後は「家族」なのか、それともあのマンションの「部屋」という場所に憑いてるのか、よくわからない。こうゆうハチャメチャな作品は、相手側の論理の一貫性があってこそ、面白さが増すと思うのだけれど、この作品は、主役が途中交代する三幕構成、怨霊側の攻撃方法、撃退する側の論理なども行き当たりばったりな上、もっとも大事な怨霊がなぜ怨霊として存在するかの論理もさっぱり。これでは残念ながら楽しめない。 【ころりさん】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-08-27 08:46:16) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 前半のドロドロした人間ドラマまでは非常に面白かった。だが、後半のクソっぷりは目を覆いたくなるレベル。
前半に関しては、「悪霊やお化けなんかよりも、生きてる人間のほうがよっぽど怖い」という昔からある決り文句を言いたくなるなかなかにホラーな人間模様であった。 子供想いの素敵なパパだと思ったら救いようのないクソ夫、母の気持ちも分からずわがままをいう子供、子供をほっぽって遊びに出かける妻に、裏切リ者の夫の友達。 とにかく、見ていて気分が悪い。まるで視聴者に嫌がらせでもしたいのか?とばかりに胸糞悪いシーンが続く。、 特に親父が会社から電話をかけてきて、母親がせっかくご飯を作ってるのに外食に行こうとなって、子供がオムライスとぐずりだすシーン。もう見てられない。 あー、こういう時、自分も児童虐待をしちゃうんかな、とか考えさせられるくらいにイライラさせられた。
これらはもちろん褒めて言ってるいるのである。いいよ、この不快感! そして、このドロドロした人間関係がどう霊に結びつき、どう解決するのかと思いワクワクしていた。ところが、そのドロドロの当事者が子供を除いて全員死亡……。え?
代わりに、完全な第三者の主人公や、よく分からん霊能者妹のマコトに主眼が移り、話の焦点はその2人の過去や子供への想いになる。 おいおい、なんだよそりゃ!お前ら関係ないだろ!
あの子供の苦しみとか、霊が取り憑いた原因とかは、あの家族にあるんだろ。 その当事者の家族のことを全くすっぽかして、なんで、後からぽっと出てきたまことや主人公が、あの子供について、悲しみが~とか語ってんの?全く意味がわからない。
そして、そもそもとして、あの霊は結局なんだったんだ?あの子はなぜ霊に取り憑かれたんだ?そして、あんな小さな1家族のもめごとで、どうしてあんな行政が動き出すレベルの悪霊騒ぎになってんの? 意味不明なんだけど。
最後も、盛大な除霊の儀式の中、ナイフで刺したり、マンションから突き落としたり、血が襲ってきたり、建物がぶっ壊れたり、もうめちゃくちゃ。 何をどうやったらこんなクソみたいな展開にできたのか。
まあ、霊能力者が出てきた時点であまり期待はしてなかったからいいけど。 「霊能力者が出てくるホラー映画はほぼ間違いなくクソつまらない」という私の説を補強してくれるクソつまらない映画だった。 【椎名みかん】さん [インターネット(邦画)] 4点(2021-06-27 23:27:41) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 極端な物言いをするなら、本作の是非を決定付ける分かれ目は、松たか子さんのキャラクターに魅力を感じるか否かに尽きると考えます。完全無欠のプロフェッショナルとして、ある種の冷酷さを漂わせていたスーパー除霊師が、最終決戦で露にした”愛“や”情“すなわち”人であるが故の弱さ“に価値を見出だせるかどうかが鍵。(ちなみに、“何か”が姿を現したシーンの衝撃は絶大でした。絶望は美しいです)あれ?この感想って中島監督の『告白』の時と同じですね。やっぱり中島監督は、松たか子さんの使い方がお上手なようで。そして終わり良ければ全て良しと(ハッピーエンドという意味ではなく)。王道のオカルトでありながら、ホラーを観ている感覚はありません。これまた不思議な味わい。怖いというより、面白い、興味深いとの印象です。ちなみに”何か“は、難病や麻薬中毒なんかと置き換えても成立するでしょう。恐ろしい敵と対峙したとき、人の値打ちが明かされます。 【目隠シスト】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-01-12 17:37:14) (良:1票) |
3.結局、最も凶悪でおぞましい存在の極みは、お化けでも、妖怪でも、怨霊でもなく、「人間」であるということが、この物語の発端であり、着地でもあった。 その物語のテーマ性は、劇中の台詞の中にも登場するが、「ゲゲゲの鬼太郎」の時代から“ホラー”の中で延々と語られているものだろう。 ただし、そのある種普遍的なテーマ性を孕んだストーリーを、中島哲也監督が盤石のキャスト陣で映画化したならば、そりゃあ例によって“劇薬”的な映画になるに決まっている。
「下妻物語」以来のこの監督の作品のファンだ。特に直近の2作品「告白」、「渇き。」は、ただでさえ過激な原作世界に、中島監督ならではの悪意とインスピレーションを盛り込んだ映画づくりにより、クラクラしっぱなしの映画体験を食らわされた。 ビビットな映画的色彩の中で、醜く、滑稽な、人間の本質的な闇を浮き彫りにすることにこの監督は長けている。 そして、その人間描写をジメジメと陰鬱に描き出すのではなく、まるで悪魔が高笑いをしているかのような豪胆さ、即ち“エンターテイメント”を全面に打ち出してくる作風に、毎回ノックアウトを食らうのだ。
今作では、“ほぎわん”という恐怖の対象をある種のマクガフィン的にストーリーの主軸に据え、それに対峙する人間たちがそもそも抱えていたドロドロとした闇を、おぞましく、破滅的に描きつけている。 章立てされた群像劇的なストーリーテリングの中で、主要キャラクターを演じた俳優たちはみな素晴らしかったと思う。
妻夫木聡は、前作「渇き。」に引き続き、実に愚かなクソ野郎ぶりを見事に見せつけてくれる。 黒木華は、「リップヴァンウィンクルの花嫁」と似たようなキャラクターを演じているな〜と思わせておいて、一転、心の闇を爆発させる女性像を痛々しく体現する。 岡田准一は、もはや貫禄を帯びてきた俳優力で、途中登場ながら主人公としての存在感を放っていた。 松たか子、小松菜奈による中島映画歴代ダークヒロインコンビは、あまりにも魅力的な霊能者姉妹を演じ、彼女たちが再登場する続編を観たい!と思わせた。 青木崇高、柴田理恵をはじめとする脇役、端役の面々も、それぞれがキャラクターの存在感を放ち、映画世界をより重層的に彩っていたと思う。
と、総じて満足度の高い期待通りの映画であったことは間違いはない。 ただし、前述の過去2作と比べると、何か一抹の物足りなさが残っていることも否めない。 思うに、この監督と、このキャスト、そしてこのストーリーであれば、もっともっと弾け飛ばせれたのではないかと思える。 ラストの「対決」に至るまでの盛り上がり方は最高だったが、肝心の対決そのものの描写、そして映画の締め方が、この作り手にしては大人しく萎んでしまったように見えた。
いかにもなジャパニーズホラー的な起点から、自らそれを嘲笑うかのような終着へ導いているのだから、もっと爆発的で破壊的な顛末を見せて欲しかったと思うのだ。 この一抹のフラストレーションを、あの夥しい血流の中できっと生き抜いているであろう霊能者(姉)が祓ってくれることを望む。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 8点(2018-12-23 20:44:40) (良:1票) |
2.原作は未読。T○H○シネマズデイで『ヘレディタリー 継承』とホラー2本立て(死語)鑑賞。
端的な感想を言えば、並のJホラーとは一線を画す 恐怖の地域伝承ミステリー。 まず、主役級スターを並べたキャストと、カメオ出演の多さから製作サイドの気合の入り方がわかる。数多い傑作CMを手掛けた中島監督らしい凝ったビジュアル。今の日本人を皮肉った人物描写。随所に散りばめられたユーモア。先の読めないミステリー的な展開。 どれをとっても、シンプル・イズ・ベストなJホラーの枠を超えた【ワンランク上のエンターテイメント作品】である。
しかし、飽きさせることなくラストへ盛り上げた(100点)展開の最後はドカンと派手なバトルでスッキリさせて欲しかった。例えは悪いが、エヴァンゲリオンTVシリーズのラストのような、良くわからない【良かったね!】なラスト。思わず、書店へ直行し原作を買ってしまった。(笑)
『エヴァ』や『2001年宇宙の旅』は誰も見たことの無い映像をこれでもか!と体験させた上でオチを回避し《無限思考》へと観客を誘う傑作。もし、それを狙ったのであれば、ラストまでの展開を200点以上にするべきだったし、それが出来ないならラストを120点にするべきだった。 そうであれば、予告で怖いホラーを想像して来た観客が違うかたちで満足する(口コミで広がる)映画になっていたかも知れない・・・実にもったいない。
個人的には『ヘレディタリー』の直後で 楽しめたから、7点! 【墨石亜乱】さん [映画館(邦画)] 7点(2018-12-15 10:18:10) (良:1票) |
1.来る来る詐欺か? え、え?何これ?やばない? 全く面白くないんですけど。 怖い訳でもなく、笑える訳でもなく、何か考えさせるような裏のメッセージがある訳でもない。 エンターテイメントと見せかけて実は現代社会の闇を描いてるんですよ、というようにも思えない。 普通にホラー系娯楽作を作ろうとして失敗したようにしか思えない。 ただただ、つまらない。 この世界における警察の意味とは?一応は出しました、でも何もしません!ええ? 終わり方もテキトーというか、やけくそにしか見えなかった。これはひどい。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 1点(2018-12-12 20:58:27) (良:1票) |