5.《ネタバレ》 傑作です。「大脱走」や「パッチギ!」なんかと同じく、身体中の熱い血がたぎってくるような、そんな男騒ぎの映画です。自分がこの映画の中のキャラクターならどのタイプに当てはまるのか、一晩じっくり検討を重ねたくなります。どんなシーンでも、常にリーダー的存在(になりたがる)J・スチュアートや、危険を顧みず死地に赴く勇気あるP・フィンチはまず真っ先に消去。まるで犬死にする為だけに出てきたようなE・ボーグナインでもない。理系蘊蓄人間とは程遠い、軟弱文系人間だからH・クリューガーは絶対有り得ない。一見クールだけどホットなイケメン医師クリスチャン・マルカン氏も違う。あと目ぼしいところ・・・力自慢のG・ケネディか、仮病の達人軍曹さんあたりか、やだなぁ・・・この辺は・・・。あ、副機長の走れ正直者リチャード・アッテンボロー君がいたか。最後まで生き残るし。よし、今回の僕はキミに決定だっ!おめでとう!ラスト、フェニックス号が飛び立つ時、仲間達の墓標を映すワンショットにはホント感動しました。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 9点(2022-06-30 21:39:07) (良:1票) |
《改行表示》 4.面白かったです。タイトルから受ける爽やか青春モノのイメージとは地球半周くらい遠い、武骨な男達のサバイバルストーリーでした。ほんと、邦題もう少し重厚なものになんなかったかな。 突然の事故、生命の危機、錯綜する人間ドラマが次々と畳み掛けるように展開し、見てるこちらは身を乗り出しっぱなしでした。 「デキる」名優らを勢揃いさせ、惜しみなくストーリーから消してゆく。こういう怜悧な演出は印象も強烈に残り、このへん「大脱走」が頭をよぎります。アッテンボローもいるしで。(ちなみに彼は今作では副官に甘んじておるのですが、常にJ・スチュワートの意見を伺う自信の無さがかの脱出隊長とは間逆のキャラクターで、もうつくづく演技達者です) 命の瀬戸際にやられた時に露見する人間性。卑怯者もいれば崇高な者も、尊大な者も愚か者もいる。砂漠の中での人間模様に加え、”外部の敵”まで抜かりなく用意されてまったく息が抜けません。技術の低いCGに頼ったりしていない分、映像も製作年から想像されるほど古臭くなくリアリティを保っています。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-04-14 01:08:52) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 不時着する輸送機はフェアチャイルドC-82パケットというマイナーな飛行機です。胴体が二本になっているツイン・ブームという珍しい型式が特徴ですが、原作者はこの姿を見て「これだ!」って閃いたのでしょうね。ちょっと飛行機に詳しい人なら、どうやってエンジンの後ろに計器をくっつけたんだよ、などと突っ込みたくなるところですが、フィクションとしては素晴らしいプロットであることは確かです。フェニックス号は飛行可能な機体として実際に製作されていますが、やはり空力的には不安定だったので墜落してしまい不世出の名スタント・パイロットだったP・マンツが撮影中に亡くなってしまいました。J・スチュアートは大戦時に航空隊に志願して爆撃機のパイロットをしてたくらいですから、適役と言えるでしょう。 この映画に出てくる男たちは、J・スチュアートを含めて人格的な欠点を持つ人間ばかりだってところが濃密なドラマ構成に繋がっています。H・クリューガーにやり込められてくさっているスチュアートは、まるで窓際の中年サラリーマンみたいで、全然ヒーローらしさがありません。それにしてもアルドリッジらしいところは、結果として卑怯で臆病な人間が生き残るという実にリアルな結末でしょう。極限に追い込まれた人間の醜さを、綺麗ごとで済まさずにちゃんと描いているところはさすがです。そして、あまり活躍しなかったけど、おサルちゃんが最後まで生き残ったのはホッとしました。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-30 19:05:25) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ハッピーエンドだとは予想がついていたが、全員が助かると言うような安易な作りでないのが良い。全員がバランスよく登場するわけではないが、それぞれのキャラにしっかり個性があるのが良い。約2時間半と言う長尺もそこまで気にならずに観られる。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-09-27 22:10:50) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 飛行機が不時着するまでのほんの数分の冒頭部で搭乗者全員のキャラを見せているのが凄い。内二人はオープニングクレジット後には死体になっているのですが、顔は映らない。手だけ映る。それでも誰が死んだのかがその手と共に映されるギターの弦と「プレイボーイ」の表紙で判明できるようになっている。この冒頭部の極めて簡潔かつ的確な人物描写はその後のドラマにも影響し、苛立ちと不安が助長する理不尽な言動や行動に説得力を与えている。悲壮感が充満するドラマも映画のタイトルからおおよその結末を予想できるようになっているので、ひたすらそのシーンを待ち、ついにやってきたそのシーンに「待ってました!」とばかりにお約束の爽快感を味わう。それでも手放しに大喜びしていいものなのかと思わせる後味の悪いエピソードも挿入されているところがアルドリッチらしい。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-08-09 11:40:22) (良:1票) |