5.もはや『宮崎』、『ジブリ』はブランドに成り下がってしまったのだろうか。アメリカでは売り上げトップ20にも入れなかったのに大成功と大々的に報道するマスコミとジブリのプロデューサーに不信感。実際海外においては大友克広や押井守のほうがずっと評価が高い。ではなぜ売れなかったのか。答えは簡単、つまらないからである。売り上げでその作品を評価するのは間違っていると思うが、この作品は内容的にみても監督の自己満足映画に過ぎない。昔のジブリ作品はもっとシンプルで力強く、メッセージが観る人にストレートに伝わってきた。しかし最近のジブリは明らかに間違った方向に進んでいる。分かりずらい設定、複雑なストーリー展開や人物描写が神秘的でさも凄いことのように持ち上げられている。果たしてこれがジブリの作品では無かったら本当に売れたのであろうか。公開する前から凄い凄いと騒ぎ立てる異常な過熱報道が無かったらどうだったのだろうか。ジブリを批判することが悪いことのような風潮が世間にはあるが好きだからこそ批判することも大切なのではないだろうか。このまま行けばジブリの時代もそう長くは無いと思う。 【КОФЕ 】さん 1点(2004-01-05 21:52:04) (良:5票) |
4.これは期待はずれでしたねぇ・・。宮崎監督作品は好きなんですけど、「トトロ」以降内容があまり無くなったというか、あたたかみがなくなったような気がしました。千と千尋は特に。本作は内容を云々する以前の問題として、基本的な作劇に不備があるように思えます。最初の5分で既にボクはコケました。何引っ越してきた家族。ヒロインの千尋は何か憂鬱な顔。お父さんとお母さんは千尋の言うことを聞き流すばっかり。この時点でボクは「なぜ、お父さんとお母さんは千尋の言うことを聞いてくれないんだろう?」と思っていました。お父さんもお母さんも全く生気がないのです。そのどことなく違和感のある家族が道に迷い、古びた建物をくぐった時にお父さんとお母さんがブタに変わり、「神隠し」が始まるのですが、この導入部が全然スムーズじゃない。本来なら謎の建物のトンネルをくぐったところから何かが切り替わらないといけないのに、冒頭からお父さんもお母さんも変だからです。どこから神隠しが始まったのかが全くもって不明瞭です。ほどなく湯場が現れ、異形の神々が次々登場して本格的なファンタジーへ突入します。しかし、何分経ってもこの世界がどういう世界なのか、ボクには全然理解できませんでした。突然の出来事に焦る千尋に、「ハク」という男の子が現れて千尋を導いてくれます。が、その過程でもハクは千尋に行動の仕方だけを教えて、その目的を教えてくれません。そして、千尋も焦っている割にハクに何にも聞きません。突然、大量の情報が説明なしに放出されていきます。そして世界観がわかんないところに、更にストーリーの目的もわかんない。物語というものはですな。ただ始まって終わる、というだけではダメな訳で。何か視聴者がしがみつける物語のメインの流れが必要なのです。「ロリコン伯爵からお姫様を助けるぜ!」 みたいな。主人公の千尋は、この話で何を得たのか?もしくは誰かに何かを与えたのかということを考えてみると、とにかくボンヤリ・・・。最初に湯場で千尋が挨拶をするように何度も言われたり、仕事を持つように言われたりする辺りは、「実は何かが欠落している千尋が湯場で働くことで、その何かを埋めるヒントを得る」って流れが考えられていた残骸であるとも言えます。しかし結局、千尋は徹頭徹尾良い子でした。従って、問題の無い千尋が問題のある誰かに救いを与える形でしか、この物語は成立しようがなかったのですが、千尋がやったのは自分をストーカーするカオナシを総括するだけ。本当なら本来の相手役であるハクを救うことが物語の本筋であったはずです。しかし、カオナシが余りにもキャラが立ってしまったおかげで、ハクがどういう人でどういうトラウマをもっているかという部分が全然印象に残りません。だから、ハクとのクライマックスの時もボクはカオナシのことばっかり考えてましたねぇ。そして、千尋が湯場で働く決心をしたモチベーション(←であるらしい)である両親もあっさり元に戻って、しかも最初と同じように千尋の言葉を聞き流すまま。この両親って一体何のために存在したんでしょう。だから、この話って一体何の話なんか全然わかんなかったってのが一番の感想。まあ、宮崎作品はストーリーラインの一貫性が乏しい、ってのはよく言われることですが・・・それでも、いつもは最後の大盛り上がりで全てチャラになっていたものです。しかし、この「千と千尋」では最後の最後まで全く盛り上がりがなく、全ての中途半端さは精算されることなく残りましたねぇ。世界観の後押しもストーリーの流れも希薄で、寓話的な印象を集めていくだけの作品ということで、「となりの山田くん」と同じような感じですね。作中でも同じイメージありましたけど、「銀河鉄道の夜」風とも言えます。しかも、その寓話の指すものが非常にわかりにくい。 こんな感じに楽しめれば面白いんでしょうけど、やっぱりボクはパッと見でわかんないものはダメなんで、今回の映画は非常にイライラさせられましたねぇ。とにかく説明不足な映画ですよ。宮崎さんの頭の中では全ての要素が揃っているんでしょうけど・・・注釈無しにばら撒き過ぎです。誰か宮崎さんを対等な立場でプロデュースできる人がいたら、イメージは豊かなだけに一気に大傑作になっいる主人公たかも知れない・・・。あくまでボクの感性にあわなかっただけなんでしょうけど・・あと一言 ヒロインの顔・・髪形買えたら、トトロのめいちゃんそっくりですよ。まあジブリって髪形変えるとみ~んな同じかおしてるんですよね(笑 あ、この1点は千が外の階段降りるところがめちゃくちゃ怖かったから(笑 【セドリック】さん 1点(2002-04-15 14:39:50) (良:3票) |
3.基本的に物語になっていないので評価する以前の問題。 パラレルワールドの設定が定かでないために何でもありの世界観。 そして、千尋の情報も少なすぎる。 彼女の人間性をさして示さぬままに状況に巻き込まれても感情移入できませんし、、状況に巻き込まれてからは自我が曖昧になっていく設定では彼女を通して語られる意味がない。 物珍しい世界を楽しむだけのアトラクションムービー。 【カラバ侯爵】さん [試写会(邦画)] 1点(2007-01-03 22:27:28) (良:2票) |
2.世界観がすごいとかなんとか言われていますが 物語のつくりはアニメならではのなんでもありといった感じでとても残念でした
なんというか、なんでそうなるのか、腑に落ちない 物語のギミックも皆無で「世界観のルールでこうだからこうなのでこうなった」というのがない 作品の都合でこういう展開にしただけで、そしてムダに長いです なんでもいいから早く終わればいいのに、と思いつつ良い所探しをしていましたが、それも徒労に終わりました 劇場で見なくてよかったです
この監督さんの過去の作品はカリオストロの城とか有名で、たしかに「過去の作品」は良かったです もののけ姫もまぁまぁでした 楽しんで作っている感じが伝わってきます
ですが、本作は「万人が理解し得ない物をいかにも芸術っぽく見せること」に主義を鞍替えしたターニングポイントのようです
ボクなら本作をおすすめしません 【ぐりこ】さん [DVD(邦画)] 1点(2023-11-04 14:42:34) (良:1票) |
1.いままでの宮崎アニメに比べ、やたらキャラクターが多いことは、この映画のすごいところであり、宮崎アニメの成長点であると言える。だが、序盤、中盤は良かったものの、銭婆が実はそれほど悪い人ではなく、なんだかあっけなく問題が解決されてしまって、面白くなかった(つまり戦いがなかった)。いままでの宮崎アニメでは、最後に何らかの困難があり、それを克服するスリルみたいなものがあった。また、この映画は、もしかすると単なる千尋の夢あるいは幻想に過ぎない可能性を多分に含んでおり、見終わった後、空しさあるいは虚無感というものが残ってしまうと思われる。つまり、千尋自体が本当に成長したのか、ということである。 |