《改行表示》 5.《ネタバレ》 中学生のときに見たときは何が面白いのかさっぱりでしたし、ジブリの作品の中でも最低だと思ってました。オッサンになってから見返すと、「名前が奪われ(その人の個性なんてどうでもいい)」「顔が無くても金さえ出せば人が群がってくる」「欲望をコントロール出来ない大人に溢れた」社会の表象なんだなあと腑に落ちる部分が多く面白かったです。仕事に就いてから見るべき作品だったんですね。千尋と琥珀川に感謝するところも愛おしさに溢れていてemotionalになりました。 一点だけ納得いかないのが豚にされてしまったお父さんとお母さんの描写です。欲望をコントロール出来ない大人の代表格のように描かれていますが、真面目に働いて子供を養っている大人までこういう描き方をするのはどうなのかなと。こういう大人達が頑張って働いて出来た便利な社会で宮崎監督も生きている訳でしょう?離島で映画を作っているならまだ分かりますが、恩恵を受けていながら斜に構えた視点でそれをdisるのは違うと思いました。 【なす】さん [インターネット(邦画)] 8点(2018-12-24 07:55:15) (良:2票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 これは公開時に映画館で見たが、冒頭のトンネルの場面で近くにいた幼児が怖い怖いと言い出し、仕方なく母親が飲食物を持ったまま外に連れ出したのが記憶に残っている。大人なら怖くないと言いたいところだが、そのあと海の向こうから得体の知れない船が近づいて来る場面では、自分も怖くなって腰が浮いてしまった。やはり劇場で見る迫力は違う。 それで全編を見ると舞台設定の面白さは当然として、とにかく映像から受けるインパクトに圧倒される思いだったが、一方で話の意味がわからないため気持ちの収まりがつかなくなり、帰ってから解説本などを読みあさる結果になってしまった。監督が当時これを子どもに見せるために作った、と言っていたのも意味不明で、せっかくアニメとして純粋に面白いのだから、妙に小難しくして混乱させるのはやめてもらいたい、というのが初見時の実感だった。 しかし公開から時間が経つと、監督が何を言ったかというようなことはもうどうでもよくなり、大人も子どももそれぞれの立場から勝手に味わえばいいのだという気もして来た。今の目で見れば、年齢に対応した子どもの心境の変化のほか、子どもを取り巻く不健全な環境や、子どもから見た大人の複雑さといった内容が詰め込まれているように思われる。クモオヤジは茶化して「愛」などと言っていたが、初めて純粋に他人のために何かしたいと思いつめたのは大事なことだろうし、また本来一人の人物が持つ“理性”と“本能(我欲)”を分離した上で、それぞれがさらに多面性を持ったものとして外部に表出される描写は、分析的すぎるようでもあるが面白いといえる。 ほか特に海の映像が美しく、湯屋の廊下から見える海原や、海面を渡る電車から踏切に立つ人影が流れて見えるなどは非常に印象深い。こういうのはもう理屈など関係ない。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-01-28 20:58:24) (良:1票) |
3.個人的には、宮崎作品の他作と比べると物語の完成度的には格段の低さを感じずにはいられないというのが正直なところだ。「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」の圧倒的な物語の創造性と比較すればそれは明らかだと思う。だから私はどうしてもこの映画を面白いとは言えない。しかし今になって思うのは、私は過去の宮崎作品のイメージに固執するあまり今作の異色性に戸惑ってしまった部分があるのではないかということだ。今作は他の宮崎作品とは一線を画すジャンルではなかったかと思う。SFでもなければ確固としたファンタジーでもアドベンチャーでもない。描かれるのは徹底的な異世界である。物語性が薄いので、観客はそれぞれ違うものをその異世界に見る。生きるということの厳しさか、欲望の葛藤か、ただ淡々と広がる精神世界か…。おそらく見る度にその感覚は変わってくるのだと思う。この映画に対する間口は、それこそ子供から老人までとても広い。しかし、その出口は一人一人のために無数に分かれているのだろう。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 8点(2003-12-20 12:59:51) (良:1票) |
2.実は、ただ行って帰って来るっていうなんてことない内容なんですよね。それでもパワーありますね。私は映画館で観ましたけど素直にいい映画だと思いました。単純に楽しめばいいんじゃないですか?むしろ昔のジブリの方が私は苦手なんで。 【たかちゃん】さん 8点(2003-11-18 19:20:06) (笑:1票) |
1.ストーリーは最初から最後まで、ぼ~んや~りとしてて、ぼ~んや~りとおもしろい映画だった。帰りの車を運転中、道路脇にふとカオナシがいてもおかしくないなあ、と思ったり。不思議なおもしろさがある映画でした。 【dig】さん 8点(2001-09-24 03:19:12) (良:1票) |