4.価値観や身分の違う二人が旅をする内に打ち解け、いつしか友情を育んで行くという王道なる展開。 おまけに白人と黒人によるコンビというのだからいかにもアカデミー向けだなと思っていたら実話だったのね。 世界的に有名なピアニストの黒人が、敢えて差別の厳しい所をツアーする意味。それが段々と明らかになるにつれ、彼の誇りや苦悩など、多少なりとも理解する事が出来たと思う。
根底に流れるテーマは重いが、基本的にはゆったり楽しめるロードムービーで、ピアノの演奏シーンなどもとても良かった。
それにしてもフライドチキンの食べたくなる映画だ。ケンタッキー州でケンタッキーフライドチキンをバケツで買い、車を運転しながら素手でチキンを貪り食い骨を車外に撒き散らすヴィゴ・モーテンセンの豪快さには笑う。マナー悪すぎだけど…。っていうかモーテンセンってこんなに肥満体型だったとわ(驚き) 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-03-04 20:26:21) |
3.《ネタバレ》 アメリカで黒人差別があったことは知っているが、自分にどれだけの知識と理解があったのが疑問に思う作品に出合ってしまった。 レストランでは同席しない、トイレも別、それなのに黒人のピアノ演奏を聞き拍手を送る差別地域の白人。 グリーンブックまで持って差別地域に乗り込んで、トイレが使えないならホテルまで戻るという天才黒人ピアニスト。 そんな私の理解を超える社会が実際にあったということだが、その肝心の部分が理解できていない私がこの作品を評価するのは難しい。 というかそんな資格がないとも思ってしまいます。 (一応点数は付けますが) 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-03-04 10:52:09) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 無教養で粗野だが口が達者で腕っ節が強く頼りになる白人と知的で裕福で高貴だが孤独な黒人天才ピアニストが人種差別が合法だった時代のアメリカ南部を旅する物語。 南部の有色人種への差別っぷりはいろいろと知ってましたが黒人用旅行ガイド『グリーンブック』というモノは知りませんでした。確かにアレだけの酷い差別を受けていたらトラブルを回避するためのガイドがあると助かりますね。コンサートに来ている演奏者の黒人なら多少は融通されていたのかと思いましたが、楽屋は物置小屋でトイレは庭にある掘っ立て小屋でレストランでは立ち入ることも出来ず普通の黒人変わらないぞんざいな扱い。そんな南部をわざわざ目指したシャーリーは気位が高く立派だった。そのシャリーを見て変わっていくトニーもまた男前。ナイトクラブで様々な人間を見てきたから変われる素養があったんだろうな。人種も育ちも全く違う二人が徐々に心を通わせていくさまは心地良かったですね。 人種の坩堝であるアメリカの歴史を知っているともっと深く映画を見ることが出来たんだろうな。むかし近鉄に入団したメジャーで本塁打王にもなった事もある黒人選手のオグリビーは、試合後に不調で落ち込んでいた自分と一緒にお風呂に入って励ましてくれた日本人選手たちに感激したらしいです。日本人には白人でも黒人でも外国人ってだけで同じですが、実績十分だったメジャーですら白人黒人と別にされてたらしいですからね(まあ日本人も外国人相手というと壁を作る傾向もありますが)。ほんの50~60年前までこんな差別が当たり前でいまだに根深く社会問題化しているのだから、いろいろと考えさせられました。それでいて笑えるシーンもあるし上質なロードムービーでしたね。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-03-03 00:34:28) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 白人と黒人のロードムービー。なんともありふれた題材ながら、かなりの良作。大きな事件が起こるわけでもなく、物語は淡々と進むが、見終えた後の暖かさは格別。演出は最低限に抑えられ、2人が少しずつ心を交わしていく様子が丹念に描かれている。脚本も秀逸で、そうとは思わせない伏線とその回収は完璧。派手さはないが、昔の名作を見たようなしみじみとした感動が味わえた。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-03-01 22:49:10) (良:1票) |