4.《ネタバレ》 イーストウッド、単なる犯罪映画ではない家族との関係、繋がりを感じさせる映画作りには感心させられた。犯罪組織とのやり取りも笑える事を放つ。組織の一人に頭痛のタネとか言われたら、医者で見てもらえみたいな事を言って笑わせたりする。そして、命の危険な立場であるにも関わらず、別れた元奥さんの最期を看取る為に家族達の元へ戻ってくる素晴らしさ、お金で何でも買えたけど時間は買えない。この台詞こそこの映画の一番、言いたかった事だと感じることができる。それもイーストウッドが語るからこそ説得力を感じさせるのだ。イーストウッド歳を取っても変わらないかっこ良さ、この映画を見て、あんな風に自分も歳を取ってもかっこ良く生きていくことができたらと思う。この映画はイーストウッドが監督し、自身も主人公を演じるからこその映画であって、他の人ではここまでの説得力は感じないだろう。 【青観】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-03-20 21:51:17) (良:2票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 外では人気者で家では厄介者。自由気ままな旅暮らし。あれ?まるで寅さんじゃん。でも唯一違う点は、寅さんは決して悪事に手は染めない。とはいえテキヤ稼業も3割はヤクザみたいなもんだけど。(^_^;) 実話を元にしているし、いくらなんでもこのまま何事もなく終わるわけないっていうのは分かってはいても、それでも感情移入しすぎて、なんとか逃げおおせてくれって、真面目な話何度も何度も祈っちゃいましたよ。いやぁ~恐るべし、イーストウッド様。 ただ、一度黒いトラックがやたら止められている光景を目撃しておいて、そのまんま黒いトラックを使用した点が気になって気になって仕方なかった。そもそもあれだけの組織なんだから逆に警察無線の傍受や、スパイや情報屋がいてもいいと思うんだけど、なんか悪い奴らにエールを送るわけじゃないけど、もうちょっと頭使えよな!て思っちゃいました。 いろいろと良いシーンはあるんだけども、個人的に一番好きなのは、ナチ総統閣下呼ばわりしていたフリオに旨いチキンバーガーを食べさせてあげたところ。年代や人種や多様な弊害があったとしても、旨いものを分かち合うことで生まれる連帯感や信頼感みたいな、もうね言葉なんかいらないんですよ。ああいうのホント好きです。 ただなぁ~なんだろう、めっちゃ良い映画なんだけど、ラストの法廷での家族の対応。特に娘さんは散々嫌っていたんだから今までのお金が実は犯罪で得たお金だって知ったら、もっと嫌いになってもいいはずなんだけどな~。それとも悪いことしてでも家族のために頑張った、とでも脳内変換しちゃったんだろうか。あの園芸農園だって汚いお金で買い戻したんだし、それって世間にバレちゃうんじゃないの?そんな農園のお花を買ってくれる人や評価してくれる人たちが現れるんだろうか。てまあ余計なことまで妄想させられちゃいました。恐るべし、イーストウッド様。 |
2.《ネタバレ》 ★あれ、「グラン・トリノ」で主演は打ち止めじゃなかったっけ?それで「えー、なんだよー」と思って「グラン・トリノ」は辛い点を付けたんだけど・・・まあいいか(笑) ★面白かったです。さすがに往年のタフガイみたいなマネは出来ない(時代的にも)なんだけど、悪党相手にも物おじしない態度、女性に対する粋なセリフ(まあ今の基準からはセクハラとも言われかねないが)、それに比べて家族に対するぎごちない言動、そして(わざとだろうけど)差別的なセリフもぜんぜん躊躇ないとか、いかにも「イーストウッド」演じる主人公、らしくって。 ★やっぱりこの映画のキモは、90歳の老人が主人公、ってとこなんですよね。二十歳の若造がこんなことしててもこの馬鹿としか言えないんだけど(いや老人でもばかなんだけど)、人生の終境(造語)に入っていてもこんなことしちゃうってのがね。さすがにマグナムぶっ放して解決、とはいかないんだけど、いろんなトラブルも運と機転で乗り切ってくとこなんか地味なストーリーながら面白かった。 ★映画の最後に流れる歌では、「老いを受け入れるな」って歌ってるんですよね。やったこと(運び屋)はもちろん悪いことなんだけど、あのイーストウッドでさえこんなよぼよぼした老人になっちゃうのに、それでも妙に物分かりのいい、好々爺とかになっちゃわないし。 ★最後、裁判で自分から有罪と宣言したのもかっこよかった。エンドシーン、刑務所で花を植えてるのは笑いました。「家族が一番大事」って繰り返し言ってるんだけど(自分を追ってきた~はずの~捜査官に対しても・・・ここは脚色かな?)懺悔のわりにはそうなってないとかね。 ★まあこれだけ無茶しながら最後は家族と和解しちゃうとこはちょっと出来すぎかなあと思いますけどね。いや、ほろっと感動きましたよ。よかったんですけど・・・ハッピーエンドになると思ってなかったんで(笑) ★PS、マフィアのボス?の携帯、i-phoneのあのおバカ着信音・・・もっとマトモなのにしとけよー!! 【wagasi】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-03-16 21:40:45) (良:1票) |
《改行表示》 1.家族との間に生じた溝を修復できないまま年老いた男の人生のケジメの付け方。 本作は実話に着想を得た作品ですが、前回のイーストウッド監督主演作「グラン・トリノ」を思い出した。 名監督イーストウッドの作品に、名優イーストウッドが帰ってきてくれたことがまずは嬉しかった。 相変わらず、イーストウッド演じる男は偏屈な一面もあるが、意外にも犯罪組織の連中と饒舌に接している時や、 鼻唄まじりにヤバいブツを運んでいる最中は妙にユーモラスでのんびりとしている。 ピンとしていた背中も少し丸くなってはきた。もうすぐ90歳。それも当然だろうし、だからこその味もあったと思う。 何度も繰り返される運び屋稼業。その中に挿入される家族との関係や、DEA捜査官との味のあるやりとり。 それらが最終盤になって効いてきます。犯罪組織の連中との関りは不完全燃焼な感もありますが、 それよりも最終盤は家族との関わりとケジメの付け方をじっくり見せる。これで良かったと思えました。 そしてラストに流れる主題歌の歌詞がジ~ンと胸に響きます。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-03-14 16:16:16) (良:1票) |