4.《ネタバレ》 なかなか手を出せずにいた。何十年も前に他県に移住したとは言え、やはり出身県がディスられるのは気分が宜しくない。たまたまテレビでやる事を知ってしまい、何となく見てしまったのである。見て正解であった。良い映画だった。抑圧された者同士で手を組み支配者に立ち向かうという感動の肝を抑えている。序盤はまさしく埼玉をディスりまくっていて大変不愉快であったが、これも予想通り一旦思い切り落としてから持ち上げるという創作の基本を抑えている。むしろ見ているうちに周辺都県の方が余程ディスられている事に気付く。東京は巨悪、千葉はやたら自尊心が強く、茨城は納豆臭いで終わらされ、栃木に至っては名前が出て来るだけ。群馬はネットでネタにされている様な秘境。空を舞うプテラノドンには笑ってしまった。秘境の振りをするにも理由があり、まだ救われる。神奈川など悪の手先である。好物である崎陽軒のシウマイがこんな使われ方をしていると軽く悲しくなる。そして東京がいかに尊大、傲慢であるかがクローズアップされていく始末。埼玉人を演じるGACKT京本政樹両氏の毅然としてカッコいい事。同郷の者に埼玉人としての誇りは無いのかと叱りつけ、ださいたまなどと言われて悔しくないのかと決起を促す。タモリなる福岡人が生み出した差別用語を逆に利用するのである。ここまで来るともう埼玉に生まれて良かったと思わされて来る。主役のGACKT二階堂ふみ両氏は沖縄の人だが、沖縄もまた色々複雑な所で、東京神奈川大阪など恵まれた都会出身の人が演じるよりは良かったんじゃないかなと。他県の人には分かりにくいだろうが、埼玉人は長く差別されて生きてきた被差別民族なのである。何も悪い事などしてないのにネットで謂れなき見下し攻撃に晒されてきた。この映画を見て救われた気がした。都道府県別観客動員では埼玉がダントツだったらしいが納得である。 自分がいた頃は森と畑ばかりだったが、今は住宅だらけだ。何も無かった駅前の荒野は店舗で埋め尽くされ、バスターミナルまで出来ている。やれ平均世帯所得が何位だの、随分と華やかになったものだ。こうした余裕が生まれたからネタに出来るし、ネタにされても県民は笑いで済ませる事が出来るのかも知れない。原作が描かれた当時では映像化など不可能だったろう。 監督は千葉人との事で、なるほど千葉をも上手く料理しているなと思う。それにしても一体誰が埼玉と千葉の対立煽りを図ったのだろう。千葉出身の親しい人間は大勢いるが、埼玉をディスる人になど会った事がない。さんまの番組で千葉人の小島瑠璃子が埼玉をディスっているのを見た時、正直げんなりした。知名度で売ってるタレントにテレビ制作者が対立煽りを指示するとはいかがなものか。テレビが差別を助長し、映画が和を取り持つ事になるとは。どこ出身だからと語る事自体が愚かしいと、この映画に学ばされた気もした。 感動したし救われもしたが、かなり笑えたのも加点要素。冒頭いきなり産みたて卵のピタゴラスイッチで爆笑してしまった。こんな埼玉も有りかも知れない。踏み絵ならぬ踏み煎餅に使われたしらこばとが可愛くて、踏まないでくれたGACKTさんに感謝。 【にしきの】さん [地上波(邦画)] 8点(2020-02-09 06:47:09) (良:3票) |
3.東京出身で神奈川住民歴の長い自分にとっては、楽しめない映画だとばっかり思っていた。 しかし、高評価をあちこちで耳にして、今回鑑賞することに。 結論から言うと、面白かった! とにかく小ネタをこれでもかとギッシリ詰め込んでいるんで、どこかで必ず笑えるし。
ところで、自分が「日帰りでどこか遊びに行こう」と考えた時、埼玉県内を候補に挙げることはまずない。 100回のうち1回あるかないか。 距離的にも時間的にも伊豆(静岡県)より近いけど、行った回数は伊豆の方が全然多い。 それでも、その1/100を20年、30年と繰り返していたら、埼玉でもかなりの場所に行ったことがあることに気付いた。 浦和、大宮、所沢、深谷、与野、熊谷、春日部、川口…みんな行ったことがあるし、地図上でもどこにあるかわかる。 だから「与野は黙ってろ」なんてネタも大いに笑えた。 長いこと遊んできた知識から笑うことができたんで、「年取るのも悪くないな」なんて見終わった後に思った。 楽しく前向きに見終われるんだから、これは結構バカにできない、いい映画ですよ。 【まかだ】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-09-06 00:34:59) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ばかばかしすぎておもしろい!こんなに大笑いして楽しく見られた映画は久しぶりです。こんなばかばかしい映画を本気で作っているのがすごい。GACKTと京本政樹が魔夜峰央の世界観にはまりすぎ!はなわのエンディングテーマがおもしろくて、エンドロールも最後まで見られました。 きょうは日曜日ですが、コロナウイルスの感染防止のため、東京に外出自粛要請が出ています。金曜日に職場(都内)で同僚と、「月曜はどうなっているかな」「東京に入れなくなってたりして」と話してて、同僚が「あたしは埼玉県民だから途中で止められるかも」と言うので「翔んで埼玉みたいに通行手形が必要になったりして!」と言ったら、翔んで埼玉を見た人どうしで大盛り上がり。ウイルスのニュースで沈んでいた雰囲気がなごみました。 【チョコレクター】さん [インターネット(邦画)] 8点(2020-03-29 13:17:01) (良:1票) |
1.映画にできるってことは、埼玉県の人がこの映画を笑って楽しめるくらい、自分の県に自信を持てるようになってるってことなのかな。 私は広島県人だけど、お好み焼きやカープのことを揶揄される映画を作られても、やったー!って喜んじゃうもんな。 いやー楽しい映画だった。 本気で嘘みたいな設定の映画撮るのって楽しいだろうな。 輩出した有名人対決、他県人とやりたくなった。 【roadster316】さん [インターネット(邦画)] 8点(2020-03-27 21:35:46) (良:1票) |