5.《ネタバレ》 明確な設定と目標が示されて、それに向けて物語は進んでいく。役者も達者で過不足無い演技で素晴らしい。それなりに楽しめるのは意外だった。気になったのは、日本を敗戦に導くために大和を作るというオチ。現実に大和が沈んだのは日本にとって大きな痛手だったかもしれないが、その後も戦争は続き、結局、原爆2発をくらって無条件降伏を受け入れたという歴史的事実。この歴史的事実を知っている以上、大和が撃沈されれば日本は敗戦を受け入れるという平山の発想は、どうにも甘く見えてしまった。田中泯はダンサーだけに、体の演技は絶品だが、セリフが下手だと思っていたら、今回はセリフも上手かった。田中泯に似ているけど、それにしてはセリフが上手いので、誰だろうと思っていたら本当に田中泯だった。浜辺美波はレトロな服もバッチリ似合っていて、いいのだけれど、顔面演技に走りすぎている気がした。器用な役者だと思うが、体の演技にも意識を向けて大成して欲しい。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(邦画)] 5点(2022-01-29 12:52:15) (良:2票) |
4.この映画のダメなところは大きく三つ。①構成が悪い。冒頭に派手なVFXシーンを持ってくるのは掴みとしてはいいが同等のシーンがクライマックスに無いので物足りなさを感じてしまう、竜頭蛇尾でバランスが悪い。②演技・演出・人物造形が漫画的過ぎる。菅田将暉はステレオタイプな理系キャラで現実味がなく、軍人たちはいかにも間抜けで戯画化された悪役でしかない。田中泯の眼鏡が光る演出はエヴァンゲリオンかよと(笑)。③史実を無視している。戦前の戦艦大和は日本の象徴として宣伝されるどころか国民にその存在を隠されてすらいる。その伝説化は戦後に生まれた種々の物語によって作り出されたものであり、この映画ですらその一つである。以上3点からあまり評価する気にはなれませんが、この映画の良いところは原作からの改変部分、特に山本五十六の描き方です。合理主義は非合理的な軍国主義に必ずしも対抗するものではなくむしろあっさり加担すらしてしまうということを露呈させていることです。それに最後まで抗えるのは主人公がアメリカに渡るのを留まったように人道の尊重・他社への共感以外の何者でもないでしょう。そして、我々もそうあるべきなのです。 |
3.《ネタバレ》 予備知識なく観賞。思ったより話がしっかりしていて、見ごたえあった。冒頭の沈没シーンが強烈なフリになっているが、良い意味で予想外な回収でした。話の流れから、論破して痛快なシーンをどこか求めていたので、その点は少し消化不良。大和という戦艦は、いろんな捉え方ができる儚い戦艦だ。この映画では皮肉っぽく感じた。 【ラグ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2022-01-26 20:14:34) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 このラストシーンだと、歴史に詳しくない人だとそのまま冒頭のシーンに繋がって沈んだと思う人もいるような作りになってるなぁ…とちょっと疑問に思ったんですが、実際の大和の戦歴を考えれば就航→中略→沖縄特攻しかないので、その理解でも実は大筋で正解だな…と思いなおしました。 それくらい大和は実戦で何もしてませんからね。 (映画冒頭で旧式化扱いされる金剛級が大戦中に一番活躍したのは皮肉なところです) 原作は未読なので細かい違いはわからないんですが、映画用シナリオとしてうまくまとめていて手堅い娯楽映画になってると思います。 細かい事なんですが、山本五十六などは実在の人名が使われている一方で、ライバル側の造船技師の人が(おそらく平賀造船局長をモデルにした)平なんとかというフィクションの人物になっていたり、そのあたりのリアルとフィクションのバランスが終始不自然で気になりました。 大人の事情?? 【あばれて万歳】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-01-08 21:30:36) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 いや~ これはなにエンドって言えばいいんだろう? ハッピーエンドじゃないし、バッドエンドでもない。ただただ鳥肌が立つような…。原作未読だが、事実として戦艦大和は造られ、沈んでるわけだから、数学の力で平山案を潰してバンザ~イじゃないのは初めから分かっていたことだけど、予想をはるかに超えるゾクゾク感を味わえて今、とても満足している。数学者と技術者、軍を嫌う者と軍人、若者と老人、天才と秀才… 櫂少佐の平山中将と対峙、実に面白かった。戦争ものとはいっても、相手陣営の嘘を暴くのがメインだから決して重くはなく、むしろフィクションならではの娯楽性のある映画だから構えずに観てほしいなと思う。おまけ程度ではあるけど、大和の戦闘シーンはなかなかの迫力だった。 【リーム555】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-08-07 22:44:29) (良:1票) |