6.これはもうアイデアの勝利でしょう。映画というよりラジオドラマを聞いているような感覚に近い。一連の事件をふつうの映画のように撮ったとしたら、おそらくありきたりの、2時間ドラマレベルの話だと思います。しかしそれを、すべて見る側の脳内イメージだけで展開するというのが面白い。またその様子が、脳内でイキイキと再現されるのも面白い。何でもかんでも映像が当たり前の今の時代に、音だけの情報が人間の思考や感情にどんな影響を及ぼすか、自分が実験されているようでした。言い換えるなら、人間のイマジネーションも捨てたもんじゃないなと思わせてくれます。 ただ主人公の個人的な事情については、ちょっと不発だったような。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-08-14 02:43:54) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 いやー面白かった。 画は基本的にずっと同じなんだけど緊迫感はすごい。 ただここまで横の繋がりと言うか、報連相がgdgdなもんなのかとそこは引っかかりました。 映画の演出としてなのか実際こんな感じなのかは知りませんが。 終盤の展開と、それに気づいた主人公のアップの顔の時点で「あ、このまま暗転終了エンドロールとかになったらとんでもない映画だ」と思ってしまった。 結果まだ続くんですけど。 主人公ずっと見てると段々トラボルタに見えてきたのと、私情挟みすぎて途中別の通報への対応が疎かになってるのが残念。 けど面白かったなぁ 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-10-10 11:41:06) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 過去に何らかの不祥事?を犯したらしく現場に出ることを一定期間禁じられた熱血刑事と思しき人物が110番コールセンターで業務をこなす中、怪しげな女性からの通報に異常をかぎつけて事件解決に向けた対応を行っていくという話ですが、場面転換が一切なく、コールセンター内の映像と電話の音声のみでストーリーが進んでいく映画です。音声を追っていくだけとはいえ、手に汗を握るような展開がずっと続き、飽きることなく最後まで鑑賞できた点は非常に評価できるのですが、そもそもこれって映画としてみたときにどうなの?という思いも同時に生まれてくるのが正直なところです。
映像情報は非常に限定的で、音声だけなので鑑賞者の想像力により補完される余地が大きく、(映像を具現化するという)映画という作品ジャンルの特徴・魅力を活かしきれていない印象になってしまいます。確かに今回は音声のみで進行するがために、重要な要素などもうまく隠したまま進行できますし、常に主人公目線なのでストーリーの進行もシンプルにできるメリットは大きいと思いますが、だからこそ、映像シーンをちりばめながら同様のサスペンス要素をうまく表現する、という「他の作品ではみんな苦心しながらやっていること」を放棄しているとみなすこともでき、私としてはちょっと高い評価にしにくい作品だなと思いました。
ここまでのレビューで軒並み高評価なので私の考え方が間違っているのかもしれませんが、個人的な意見としては、映画として評価するなら5点という形にさせていただこうと思います。 【たあたん】さん [インターネット(字幕)] 5点(2022-08-21 20:47:43) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 あぁもうつまんなかった…
拉致されたというイーベンは、しょっちゅう電話かけてくる。
いや、拉致した男、拉致したら普通まず最初にスマホとりあげるだろ。
すでにそこで気持ち冷める。
結局夫が暴力で元妻を拉致ったとミスリードさせておいて、実際は弟を殺したのはイーベンだったわけだが それならそれで、なんで拉致するの笑
警察に電話が先でしょ、いくらなんでも、暴力をふるった経歴があったって、 自分が拉致してどうする気? 殺す気だったなら、それこそ警察に通報されたりしないように、いのいちばんにスマホ取り上げて 誰にも追跡されないようにするでしょ。
アスガ―も、犯人と電話で「自首しろ」って…おいおい、たとえば目の前に犯人がいて 「抵抗するな!」ってピストルつきつけて追いつめられている状況ならともかく 電話してるだけの状況でそれを言って
「わかりました」
なんて言ってもらえると思ってるわけ?
息をしてないのが一目瞭然なほど切り裂かれてるという弟が家にいることを プライベートで彼女の家に行くように頼んだ友達から電話を受けたときも
「息をしてるか調べろ!」
って感情的になってたけど、いやあんた、そんなことしてないで さっさとこの事件に関して他の警察の人達と連携して取り組めよ!ですよ。
「なんてこった」て表情されたって、こっちが「なんてこった…」って気分。
とにかく、いちおう最後まで見たけれど、ずっと心のなかで
「またリアリティのない展開になってるよ」の連続でした。
最後に、イーベンが自殺しそうなところを確保したっていうことになったけど それもアスガ―が問い合わせしないとアッチからは確保したよって知らせないというシステムもどうなの。
とにかく、警察側もイーベン一家も、全員やることなすことイライラする。
アスガ―が最後、部屋から出て電話をどこかにかけてたけど
ウーバーイーツで、ラーメンでも頼んだんじゃないかっていうくらい、お粗末な映画。 【フィンセント】さん [インターネット(字幕)] 1点(2021-11-11 15:08:37) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 主人公はオペレーターという職務上、どんなに刑事の勘を働かせようと自ら現場に急行して捜査を行うことが出来ない。頼れるのは電話のみ。物語は電話の前でのみ進行していく。一種のソリッド・シチュエーション・ムービーと言っていいでしょう。約90分の短い尺の中、さして場面の転換もないままに物語はスピーディーに展開していくので、観ている方は想像力をかきたてられるばかりで片時も目が離せません。 主人公は現場を外され日々オペレーター業務に勤しんでいる身であって、恐らくは毎日を鬱々とした思いに浸って過ごして来たのでしょう。転がり込んできた誘拐事件に我を忘れて没頭していきます。しかし、次第に彼自身が心の奥底に抱いている闇が見え隠れして来て、誘拐された女性が実は恐ろしい性癖の持ち主であることを知った瞬間、ついに我を忘れて彼女にシンクロしてしまう。彼のしたことと彼女のしたことは、あらゆる面で全く異なるものではあるけれど、最も深い部分ではどこか繋がっているのだと思います。その結果待っているのは見ようによってはバッドエンドですが、もともと予定していたハッピーエンドは協力する相棒を不幸に巻き込むものであるばかりか、誰も心から迎え入れてくれるあてもない中、彼自身にとって何も解決されることなく、恐らくは同じ過ちを繰り返してしまうだけのものだったと思います。やっと自らを真正面から見つめることが出来るようになった彼が迎える結末は、決してハッピーエンドではないけれど、鬱々とした日々からほんの僅かでも彼を解放してくれる希望の光ではないかと思います。 などと、観終わった後いろいろと反芻することも出来、思いがけず出逢った秀作に9点献上します。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-09-08 00:46:56) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 映画を見ている間、これって、反抗期だった息子と私のやりとりだわと思った。 親としてはどうしても電話に出てもらいたいのに、プチ家出を決め込んだ本人はなかなか応答しない。無駄だと思いつつ何度も何度もコールをかける。つながらなければ、彼の友だちにかけたり、実家にかけたり、塾に欠席の連絡を入れたりする。その間のイライラ、おろおろ、ハラハラした気持ちはたまったもんじゃない。そのうち、やっとのことで本人から電話がかかってくると、こっちは腹が立ってたまらないからどうしても声高で問い詰める口調になってしまい、当然会話にならずガチャ切りされる羽目となる。後日「嘘でしょ、ホントにそんなことやってたの? 理解が追いつかないんだけど!」と驚愕の結末が待っている・・・・・・。
要するに、このアスガーという警察官は、当時の私とそっくりなのだ。彼はオペレーターとしての研修を受けたことがないのか??? 誘拐とわかった時点で同室にいる同僚たちと連係プレーを取るべきなのに、せっかくマチルダから有力な情報を得ても、延々と彼女の相手をしてしまう。北シェラン指令室の女性から「車の情報を巡回に伝えるから、他の話は後にして!」と強引に回線を切られてブチ切れていたけど、どう考えても彼女の方がプロ。アスガーは一から十まで感情で動いているから、ああ、途中で大きな失敗をするだろうなあ、と思って見ていた。
ありえない展開はまだまだ続く。誘拐が絡んだ大事件を個人プレーで、それも個室で対応しようとするなんて、デンマークの警察ってこんなことが本当に許されるんだろうか。しかも、犯人とおぼしき男に直接電話を入れるだけでも驚くのに、感情にまかせて大声で罵るとは。人質を取っている相手を全力で刺激する警察官なんて、本当にいるの? そもそも被害者とオペレーターとの信頼関係が救命の可能性を左右するというのに、上司の「時間が来たから上がれ」って何? 「もう少しやります」って、その軽いやり取り、通信販売の受付レベルに見えたんだけど・・・・・・。 それから、デンマークでは飲酒運転は基本的にOKなんだね。これものけぞるほど驚いた。2杯は「運転できる」で、4~5杯は「慎重に運転」。しかもドライバーは警察官・・・・・・。日本に比べて人口密度が低い国だとしても、「走る凶器」が積雪の往来を行き来するのかと思うとぞっとする。
それから、被害者の女性に武器を探して相手を殴るよう指示するところもびっくりした。殴り損ねた場合、殺される可能性は高いと思うんだけど、どうしてアスガーは犯人を刺激させることばかり考えつくのか。彼自身が犯した罪も、相当なもの。相棒に偽証を強いて裁判を乗り越え、ふたたび通常勤務に戻るつもりでいるとは・・・・・・。開いた口がふさがらない。この映画は、警察官の素質など一片もない人物が、誘拐事件をワンオペでミス誘導し続けたという話だ。いくら終盤でアスガーが罪悪感にさいなまれ、ようやく亡き19歳の少年に思いを馳せたとしても、そうは簡単に同情できかねる。
ただ、だからといってこの作品に見る価値がないかというと、そうは言いきれない。 一度も現場が映らないシチュエーションでありながら、観る者の想像力をあおって鮮やかに話を二転三転させる手法は素晴らしいし、何よりその、デンマークという国が・・・・・・言いにくいけれど、本当にこれくらい警察の法規がゆるゆるであるのなら、映画は嘘をつかずにリアルに撮影しただけ、ということになる。現地の警察官がこの映画を見て「面白い」と素直に思えるのなら、私があちこちで感じた違和感や驚いたシーンは、カルチャーショックというものなのだろう。 【tony】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-08-12 01:26:18) (良:1票) |