11.《ネタバレ》 オリジナル作品では1968年という時代に、支配者である人間と被支配者である猿の関係を逆転させたところが奇抜であり、支配者と被支配者の関係性を辛らつに暴いたことが物語自体以上に評価に値するものであった。しかし、支配者と被支配者の関係が上手く描ききれていないところが時代を経るにつれて浮き彫りになり、この超大作も色褪せてしまった原因ではないかと思う。今回30年も前の作品がリメイクされたのだが、支配者と奴隷の関係性の描写に何の進化/変化も見られないである。いや、むしろ退化している。被支配者・人間は気弱ではあるが暴力を嫌い、優しさに満ち溢れる無垢な善人として好意的に描かれている。一方、支配者・類人猿は最後まで被支配者的な視点でしか描かれておらず、ともすれば人間に危害を加えかねない、野蛮な存在なのである。また、類人猿の人間に対する視線は恐怖と憎悪に満ちたものであり、どこかびくびくしていて支配者たる威厳が全く感じられない。このように類人猿は支配者にもかかわらず、いつまでも被支配者としての態度・行動が目立ち、実に奇妙なのだ。例えば、被支配者(ここでは人間)が喋っていた言葉を支配者であるはずの猿が普通に喋り、奴隷である人間が進化した類人猿のことを「猿」と呼ぶと、「猿じゃない、類人猿だ」とわざわざ訂正しているところだ。奴隷の使っている言葉の定義にいちいち過敏に反応する支配者っているのかい?そんな言葉使いをしたら、問答無用で殺すだろうに。つまり、リメイク作品では支配者、被支配者の関係は大いに矛盾に満ちているのである。こんな明らかな矛盾をそのままにした理由は、オリジナル作品に対する敬意の念とは到底思えない。むしろこの不自然な支配者と被支配者の関係に全く手を加えていないという事実は、支配者と被支配者が入れ替わったらどうなるかという想像を彼らが本気でしなかったということの表れだ。類人猿たちが休暇では別荘に行ったり神を信じたりして、いかにも人間らしい設定にしていることは、人種差別の批判と受け止められなくも無いが、支配者・被支配者の関係性における陳腐な描写の前では、逆にうわべだけ取り繕っただけで誠意の無い批判精神だったということがよく分かる。アメリカで根強い差別の問題が、今もって解決しないのも、支配者/被支配者、強者/弱者の関係を本気で考えていないことに問題があるのではないかと思わずにはいられない。 |
10. 本作中で旧作よりも評価出来る点は【キリコ】さんが指摘されている通り、野生の実態に即してチンパンジーを最も凶暴な種族としたトコロ。セードのキレっぷりと併せて納得。でもでもやっぱりゴリラを凶暴な軍人扱いしているのは大いに不満。個人的には(旧作で言うトコロのオランウータン的な)インテリ扱いが相応しいと思うんだがナァ…。(主人公以外の)人間たちが”喋る”のも余計なアレンジ。アレで可成りテンション下がった。他にも突っ込みドコロは多過ぎる上に皆さんが既に御指摘済みなんで、私メからは一点だけ。ポッドは飽くまで単なる船外作業用であって、大気圏突入(&突破)能力なんか無いんじゃ??旧作みたいに着水するなら兎も角、地表に激突しても無事って…いくら何でも丈夫過ぎ!!おたくティム・バートンの「ボクの考えた『猿の惑星』」には精々5点が関の山でせう。 【へちょちょ】さん 5点(2003-08-20 00:44:41) (良:2票) |
9.将軍の父親のセリフがテーマになってるんだろうね。「人間ほど狡猾で残酷な生き物はいない」 立派な武具や、家具、織物、社会システムなど、いちおうちゃんとした文明を築くことができた知能を持っているのに、保存されていた「銃」を真似して武器をつくらなかったエイプのご先祖は偉い!前作とはまったく別物ということで見ればおもしろいと思う。それにもまして、肉体派マーク・ウォルバーグのタフガイぶり、エイプといい勝負だぞ!眉間のシワもいいぞ(笑)セリフも軍人らしくクールでいいや。 【solo】さん 7点(2003-06-11 21:54:18) (良:2票) |
8.「猿」とひとくくりにしてもゴリラ、チンパンジー、オランウータンなどその性質も特徴も様々。それを今回はよく描き分けていた。一番凶暴なのがチンパンジーで、セード将軍はまさにその凶暴なチンパンジー。ティム・ロスのサルっぷりは見事だった。M・クラーク・ダンカンはメイクなしでもいけそう。ウォルバーグもなんだかサルっぽい。老猿のC・ヘストンに「銃は危ない」と言わせたり、バートンらしい遊び心も見られて面白い。話はともかく、私はこれはこれでバートン流の猿を結構楽しく見た。 【キリコ】さん 7点(2003-06-05 20:17:48) (良:2票) |
7.ロッド・サーリング(【asfur】さん、オリジナルの脚本は正に「トワイライト・ゾーン」の制作者なんですよ)が物語に込めた人類批判を一切無視し、何と人間♂と人間♀と猿♀との種を超越した三角関係に話の焦点を持ってくるとは、これこそバートンのセンスなんでしょうねぇ。だからこそ猿の雌は皆あのメイクなんですよ(並の人間より美人じゃねーかよ! あれなら私もOKです)。サスペンス、ミステリー、SFとしてはどう作ってもオリジナルにはかなわないので、パロディ、ラヴ・ストーリーとして対抗したんでしょうけど、そもそも企画自体が無謀でした(宇宙ステーションの時代錯誤した外観・内装デザインからして昔のSF映画のパロディ。エステラ・ウォーレンの原始美女も、昔のその手の映画を彷彿とさせます)。というわけで、栄えあるティム・バートンの愚作第一号に3点献上。 【sayzin】さん 3点(2001-12-13 22:02:49) (笑:2票) |
|
6.「猿の惑星」(第一作目)のリメイクと言うよりも、「最後の猿の惑星」の姉妹篇のような作品となっている。“猿のメイクに数段の進歩が・・”とか“猿の跳躍力が云々・・・”と言うように、いかにも興行サイドが“売り”に苦慮しているのも頷けると言うものだ。いったいそれが何だと言うのか!と言いたくなるほど見所のない作品で、パロディともギャグともつかない中途半端な仕上がりとなっている。ラストなどは昔のTV秀作SFシリーズ「アウター・リミッツ」のパクリそのもの。オリジナルを知らない世代や、あまり物事に拘らない人にはそれなりにウケるかも知れないが、これではあまりにもオリジナルに対して失礼というものだ。興行側は「猿の惑星」ではなく「おサルの惑星」とするべきではなかったか。 【ドラえもん】さん 2点(2001-08-18 14:59:24) (笑:2票) |
5.ザイアス(セードの父)はチャールトン・ヘストンだったのかよ! 勘弁してくれ~ 【東京50km圏道路地図】さん [地上波(吹替)] 6点(2007-06-27 23:09:10) (笑:1票) |
4.コントだね! 【k】さん 4点(2004-02-19 12:27:38) (笑:1票) |
3.ティム・ロスがいいっ!! 【ビッケ】さん 10点(2002-07-25 22:36:50) (笑:1票) |
2.スゴイ面白かったです☆ 【おうち】さん 10点(2002-01-29 19:48:19) (笑:1票) |
1.さすが、ティム・バートン。猿の惑星を全作からのイメージを残しつつも、とてもおもしろおかしく、リメイクしてくれた。ティム・ロス猿があっけなく猿を殺した所はビックリしたけど・・・オリジナルを見た人は前作をあまりひっぱらないで「スクリーム」を見た後に「最終絶叫 【カツヒロックス】さん 10点(2001-08-16 12:54:30) (笑:1票) |