5.《ネタバレ》 『シュガー・ラッシュ:オンライン』のヴァネロペを批判した以上、この作品のウッディもまた批判すべきなのかもしれないわ。
これまでの『トイ・ストーリー』のルールを逸脱した今作。基本中の基本であったおもちゃの持ち主の存在の絶対性を壊して、おもちゃの自由意志で持ち主の選択、また持ち主そのものの有無の選択を可能とするというのは作品世界そのものの破壊にも繋がりかねないわけね。 その選択の肯定のために前作で尊い存在であったハズのボニーを、ウッディを必要としていない雑な性格の少女へと貶めてしまったし(アンディとは扱いが違って、ウッディがいなくなったことをフォローする描写からは目を背けているわ)、そもそも1作目で自分をヒーローだと信じて疑わなかったバズに対しておもちゃであるという現実を諭したそのウッディが、今回の選択をする資格があるのかどうか、ちょっと判らないわ。それはあくまでボニーの選択によるものじゃなくちゃいけなかったんじゃないの?って。見終ってもにょもにょするのよ。
ただ、『シュガラ:オンライン』のヴァネロペは作品自体が前作のルールを無かった事にしているのに対して、ウッディの場合はその選択の直前までは必死に彼の従来通りのアイデンティティを貫いているのね。1作目で現実を悟らせたバズからの言葉によって最後の最後で自由を選択してるの。だからここまで物語を重ねてきた上で、でももう解放されてもいいんだよ、って言われてるようにも思えるし、そしてもう少し残酷に考えれば、もうウッディの役割は終わったとも考えられて。
ここから新たな世界が開ける、のではなくてウッディの到達点というか、終着点。おもちゃの死。それを希望溢れる世界(おもちゃが到達する天国)として描いたというのであるならば、それはそれで納得できちゃうのね。 今回は子供のパーソナルなイマジネーションの世界から遊離したおもちゃの価値とは?っていうのが描かれていたわけで、ウッディとギャビーギャビーの関係を『カーズ:クロスロード』のマックイーンとラミレスの関係的に捉えると、これはウッディの黄昏の物語にも思えて、そう考えるとこれは結構切ないお話なのかしら?と。ならば評価できるのかもしれない、って。
まあ、ここから更に短編だ次回作だとダラダラと続いたとしたら、もう知らないけど。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-07-14 19:37:15) (良:4票) |
4.《ネタバレ》 まず感じたのは、シリーズの中では圧倒的にロケーションが素晴らしい。古き良き遊園地にアンティークショップ「セカンド・チャンス」、このレトロでノスタルジックなロケーションをおもちゃたちが所狭しと走り回る光景は、否応なしに心躍ります。だから視覚的にはシリーズ最高ではないでしょうか。しかし内容としては、このサイトのレビュアーさんの投稿を読んで、鑑賞中に感じていた違和感がスッキリしました。確かに、このシリーズは人間とおもちゃの関係 (ルール) があってこそ。何だかウッディたち、飼い主の手を自ら離れた野良犬、、いや野良おもちゃになっちゃいましたね。トイ・ストーリーであることのポリシー (こだわり) を簡単に捨てたことは残念。しかしそれ以上に残念なのは、、名作「トイ・ストーリー3」が本作の登場によって色褪せたこと。続編がないこと、いや、ないと思っていたからこそ、あの終わり方は最高の結末でした。ボニーとおもちゃたちの、短いが幸せであろう "これから" を想像してワクワクしたもんだ。 (それがあっという間に飽きられて、フォーキーってねぇ・・) これからはもう、大好きな「トイ・ストーリー3」を観直しても、ラストの感動はもうない、これが続きではきっと素直に感動できない。 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-07-26 21:47:42) (良:2票) |
3.1~3までは純粋にオモチャとしてどうあるべきかというのを描いていたと思うが、今作ではさらに踏み込んでオモチャ達のアイデンティティに迫るというか、それぞれがどう生きるか(オモチャだけど)という深いテーマ性、さらにはどこからがオモチャでどこからがゴミなのかという境界線すらも描いていてとても深い作品だなぁと考えさせられた。 あと、毎度のことだけどいい加減人間に見つかりそうでハラハラした。 特に新キャラのフォークの奴が勝手に動きまくるのでそれを制さなくてはいけないウッディの動きが神がかっていた。 だけども、今回はそこがちょっとやり過ぎていて、人間界にオモチャが少々干渉し過ぎではないか?という所が気になったかな…。
【余談】上映前に時間があったので劇場売店を覗いていたら、前作に出てきた憎き苺味のピンク色の熊のぬいぐるみが売られていて、もしや再登場するのか?と楽しみにしていたけど結局出てこなくて残念。 まさか…、3の時の売れ残り? だとしたら可哀想だな。顔がめっちゃ買ってくれとこちらに訴えかけて来てる気がするし。 でも憎らしいので買わなかったが。 【ヴレア】さん [映画館(吹替)] 7点(2019-07-12 18:30:53) (良:1票)(笑:1票) |
2.トイストーリーシリーズは、個人的にはあまり刺さらないシリーズで、PIXERのアニメの中では「中の中」くらいの出来のシリーズという評価です。 当然、シリーズに思い入れもないので、一部で話題になった「4はトラウマ」みたいな話は(理由はネットで読みましたが)理解できません。 個人的には3も4も(1も2も)面白さとしてはだいたい同じくらいでざっくり7点前後の作品群です。
またウッディが仲間の元に戻っても「いつまで同じ事やってるの?」という話にしかならないし、製作サイドがここらで路線変更するのはまぁ当然かな…と個人的には思いました。 大人になると子供の頃と言ってる事が変わるのは良くある話だし。
以前「結婚するまで処女でいる」と宣言していた純愛指向の知人女性がいたのですが、彼氏にいろいろ教えられてからは人前でエロのよさを熱く語る人に変わり果ててました。主義主張なんてそんなもんですよ。 【あばれて万歳】さん [地上波(吹替)] 7点(2022-06-26 19:00:09) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 この映画に限らず、見る人の「映画」に何を求めるかによって、映画の評価って全く変わってくるものなんでしょうね。 映画では夢に浸りたい為わざわざ辛い現実などを見たくない人、映画に現実を投影させて自分に置き換えて見たい人。後者の自分は現実と何かしらつながりがある作品で感動する。 本作は過去のトイ・ストーリーブランドに違わず、しっかり感情移入できるテーマを盛り込んで作品に仕上げるさすがピクサー、という感じ。3でキレイに終わった話を今更続けるのは相当ハードルが高かったはずだが、そこはさすがです。 常にアンディや持ち主の子供達に飽きられ、捨てられてしまうかもしれない宿命を背負ったトイたち、その自分の居場所問題を再度問いかけてきたテーマ。1から一貫しているテーマかな。 居場所というのは年代やその時々によって変化し、周りにいる仲間も移り変わっていく、そんな普遍的なテーマが心に響いた。 某CG版ドラえ**などではできない、(必ず訪れる)別れを描きその後の成長を期待させる良い終わり方だと関心しました。 ただ一点、どうしても気になる点が。 トイが一線を超えて人間に干渉するシーンがあり、具体的には声を出して問題を解決すること(バズとカーナビの件)、物理的にブレーキとアクセルを操作してしまうこと、これはトイ・ストーリーとしては反則な気がする。伝えたいことがあるときに直接話しかけて解決するのはダメでしょう。今までもっと上手にやってたのに、一線を超えてしまったのよ。これはイカンです。 【kosuke】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-09-13 01:51:32) (良:1票) |