《改行表示》 7.《ネタバレ》 史実に照らして「エピソードの妥当性」を検証する知識は持ち合わせていませんし、娯楽時代劇にそんな野暮は不要でしょう。ですから、時代劇の体裁を借りた「現代サラリーマン人情話」と捉えて感想を述べます。 今回の「本社移転計画」の本質は、「人員整理」&「コストカット」でした。会社を存続させるには避けて通れぬ重要課題。そんな一大プロジェクトを任されたのが主人公です。彼の役職は「資料室長」で、本来ならこんな重責を任される立場ではありません。彼の役目は「スケープゴート(生贄の羊)」でありました。不平不満・恨み辛みの引き受け先。責任をとって腹を切ってくれれば、その後の作業がやり易くなる目論見です。酷い話ですが、手柄を立てるより、ミスをしないのがサラリーマンの処世術。貧乏くじを引かされるのはいつも弱い立場の人間です。ただ、幸いな事に彼には協力者がいました。「引っ越し虎の巻」の提供、金策の下準備、そして精神的サポート。実に多くの人々の助力により、大事業は成し遂げられました。それは、彼の善良な人間性が生んだ奇跡であったと考えます。同僚が一時解雇を受け入れてくれたのも、商人が大金を融通してくれたのも、主人公の頼みだったからこそ。事務遂行や指揮命令力だけが「仕事の力」にあらず。「あの人の頼みなら聞いてやるか」も立派な技能の一つであり、往々にして「努力して獲得する」のではなく「最初から身についているもの」だったりします。 当初、主体性や積極性に欠けるように見えた主人公ですが、次第に見事なリーダーシップを発揮しました。これは「ポジション(役職)が人を創る」典型的なパターンかと。ただし今回は極めて稀なケースと知るべきでしょう。少し背伸びが必要な仕事を与えるのが、人を育てるコツ。背伸びどころか、ジャンプしても届かないような大仕事を与えても、普通は潰れるのがオチです。幹部もそれが分っていたから主人公を「スケープゴート」扱いした訳です。彼の基礎能力の高さ(とりわけ人柄の良さ)と、豊富な社内人材の活躍により「瓢箪から駒」が生まれました。実際「マツダイラナオノリ株式会社」(ドラッグストアみたい!)社員の団結力は目を見張るものがありました。これも社長の人徳のうちでしょう。社長の失策により会社は傾きかけましたが、会社を持ち直させたのも社長の力と考えます。 前述したように、本作は時代劇の体裁を借りた現代サラリーマン話。終盤の「チャンバラ」は特典です。ただ、このオマケが悪くない仕上がりでした。毎度おなじみ大名行列に付き物の大槍が、実戦で活用されるシーンを拝めて得した気分。オマケって、こうじゃなくちゃね。 【目隠シスト】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-09-24 18:54:29) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 何で話が弾まなくて面白くないんだろうと思いながら見ていたのですが、まず、とにかくいろんな箇所で登場人物が騒ぎすぎていて、落ち着きがない。こういうのは、背景のミッションの重さがスタートなのだから、真面目にやっていればこそにじみ出てくる面白さを追求するのが筋でしょう。また、肝心の引っ越し作業あるいは準備についても、課題があるのかないのか分からないうちにたったか先に進んでしまうので、それをクリアしたときのカタルシスもないのです。唯一、行列の途中で一斉にフリ付きで歌うシーンはみんな楽しそうだったので、いっそ脳天気ミュージカル仕立てにした方がまだ良かったのでは、と思いました。ああそれと、曲がりなりにも時代劇という作品のエンディングにああいうテーマを持ってくるセンスのなさにもびっくりですね。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2024-07-08 01:00:31) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 今の転勤のようなことが江戸時代もあったんですねぇ。それでいてお城の引っ越しですから規模が半端ない。 賛否あるでしょうが、そういう史実をこんなふうにコメディ風に仕立て上げたのは素晴らしいと思います。 歌ってみたり、ユニコーンの曲がエンディングであったりと全体として軽いノリなんですが、 切腹命じられたり戦があったりと本当は厳しい時代であったと思います。 そういうのを重くせず軽く見せるところに苦心が見て取れます。 星野源 、高橋一生共によかったですし、高畑充希はこの手のキャラがすっかり板についてますね。 好みのシーンは、大事なものなら全て書き記すこと出来るだろう言ってお宝を没収するシーンと、 元武士さんたちの手で美しく耕された農地のシーンかな。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2020-12-26 16:05:40) (良:1票) |
《改行表示》 4.松平直矩(及川光博)は、5回も国替えになっているのですね。 会社員でも5回の転勤はうんざりしますが、部下を連れての5回の国替えは可哀そうになります・・・ まぁ、普通に楽しめる作品です。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 5点(2020-08-16 17:48:45) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 中盤までつまらないギャグセンスに辟易。だが、話の大筋は面白い。リストラのシーンは、藩側の都合良すぎる主張に、怒りがこみ上げてくるが、最後の最後にそれが収められて溜飲が下がる、というより感動的ですらある。藩に戻るよりも田畑を選ぶものの展開もよろし。 及川藩主も最初は碌でもない若藩主と見えたが、最終的には立派な藩主になったようだ。全体的に「終わりよければ全てよし」な感じ。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 5点(2020-05-05 17:54:38) (良:1票) |
2.江戸時代の大名の国替えをテーマにした 時代劇..う~ん コメディーに寄りすぎちゃってるかなぁ..「武士の献立」くらいのレベルを期待してたのに..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-04-29 16:47:13) (良:1票) |
《改行表示》 1.頼りない主人公(星野源)が、引っ越し奉行という重大な役に命じられた事から始まるドタバタ劇。 こういう巻き込まれ型のコメディとしては「地獄でなぜ悪い」が思い浮かぶが、役柄的にも大体同じ、うまくやらなきゃ殺される(切腹させられる)のだから(笑) で、どう考えても無謀な城ごと引っ越しプロジェクトをなんとか成功させようと仲間の力も借りながら奔走するというのがメインであり楽しい所であった。 しかし、そう簡単に事が運ぶ訳はなく、野武士の襲撃にあったりと、おきまりのチャンバラシーンも用意されてはいるのだが、どうも軽妙な音楽が常に流れている為緊迫感は全く無いに等しい。 もうちょっとコメディとシリアスのメリハリを効かせればもっと引き締まった作品になったのではないか? ユルい時代劇が好きなら楽しめるだろう。 頼りない星野源をグイグイ引っ張る高畑充希がとても素敵だった。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 6点(2019-08-30 18:52:19) (良:1票) |