7.《ネタバレ》 新三部作の締めくくりとしては満足できる出来であった。 前作で行く末が案じられたこのシリーズだが、JJは考えうる限りでうまくまとめたと思う。
さすがにパルパティーンの再登場は唐突だし、(なんとオープニングロールで登場させてしまう) どうやって生き残っていたのか合理的な説明はほとんどない。 「実はこの人は生きてました」的な展開はよくある手法だが、スター・ウォーズでは使ってほしくなかった。 レイがパルパティーンの孫(シスの末裔)という設定は、おそらくEP7の制作時から、いくつかある オプションのうちの一つとしてあったのではないか。レイの生まれつき強いフォースやライトセーバーの構え、 時折見せる激しい表情はそれをうかがわせた。 ただし、パルパティーンに孫がいるという設定はEP1~6の話の流れから無理があることは確かだし、 制作サイドでも当初からその設定は本線ではなかったのだろうと思う。 EP8のファンの反応を見て、やっぱりこのままだとマズイな、という感じで、思い切って路線変更した のではないだろうか。 レイがシスの血縁ということになり、皮肉にもEP8であっさり裏切られたレイの素性の解明としては、 考えうるベターなリカバリー策であり、スター・ウォーズのテーマの一つであるフォースのバランス という側面では、結果的に物語に深みを持たせることになった。 しかし最終的にスカイウォーカーの血筋が死に絶え、シスの末裔が生き残ったことに 納得できない人は多いのではないだろうか。
心配だったレイアの登場場面は意外にも多くあり、本人が死去したとは思えないぐらい奇跡的な シーン作りが行われている。本作での役割も重要性が高く、自らの命(フォース)をもってして カイロ・レンに「ベン」と語りかけるシーンはエモーショナルな場面だし、ハン・ソロの幻影がベンに やさしく語りかけ、ライトサイドに復帰させる場面はスター・ウォーズ唯一とも言える泣ける場面だ。
あと、ローズとフィンの余計な恋愛模様が描かれなかったことも、EP8の反省からだろう。 他にやや難点と感じたのは、ロケーションが目まぐるしく変わりすぎて、人名や地名についていけないし、 ラストの艦隊戦は、スピード感やスター・ウォーズらしさという面で、ローグ・ワンのほうが やや出来がよかったようにも感じた。 果たして、スターの輝きを失ってしまったランドまで登場させる必要はあったのだろうか。
総じて振り返ると、物語のアウトラインと人物設定がEP7~9で統一されていなかったことが悔やまれる。 これは監督の采配よりも、ルーカスフィルム、ディズニーがビジネス優先で一貫した制作体制をとらなかった ことが原因だと思う。ロード・オブ・リングのように、初期の構想から同じ監督・スタッフで 全作を通したシナリオを組んで進めていれば、もっと深く納得感のある物語にできたであろう。
しかし、JJは最後によくやってくれた。ありがとう。 そして全9作に出演したアンソニー・ダニエルズ、 素晴らしい音楽を聞かせてくれたジョン・ウィリアムズ、お疲れさまでした。 【puta-pp】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-12-23 21:06:33) (良:4票) |
6.《ネタバレ》 天童よしみ似のローズが「わたしはここに残れと言われたの」とフィンに言った時 基地に残る人じゃなく全世界の人に言われたようなもんだなと思ってしまった JJはインタビューで「どんな意見も正解だ」とSWファンの重圧を受け止めるコメントをしていたが 正直気にしすぎ。 「スタートレック」のTVシリーズが軒並み終了になっていくなか、映画で「スタートレック」を復活させてくれた。 「スタートレック・ディスカバリー」や「ピカード」と今に続いているのはすべてJJのおかげ。 どんな大人な事情があるのかしらないけど9部作あるはずのSWをルーカスはep1~3の失敗のせいか「作らない」と言い出し それもJJが手を上げてくれた どんなカタチにせよ9部作観れたことに感謝しかない
遠い昔、はるか彼方の銀河系で、、、 やっと昔(過去形)になったよ 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-12-24 10:26:36) (良:1票)(笑:2票) |
5.《ネタバレ》 SWファンの個々の想いが熱くて、レビューの熱量が半端ないですね。ワタシは、シリーズ最終章として「これしかない」という着地を見事にキメてくれたと思いますけども。だってスターウォーズってこういうことでしょ。選ばれしフォースの使い手の成長と絶対的な悪、圧制に立ち向かうレジスタンス。圧倒される映像とメカのかっこ良さ。本家本元ep4から6で育った監督の、SW世界観の解釈は極めて正しいと思います。 旧作と比べてちょっとキャラが弱いな、というのが7からの難点だったのだけどカイロ・レンがやってくれました。冒頭に流れる前置きで「怒りにまかせて」のカイロ・レンとあって、相変わらず怒りん坊なんやなーと笑ってしまった。怒れる自分探しのカイロ・レンが、自己承認欲求も吹っ飛ぶほどに女に惚れる最終話となるとは。師であるルークに対しては「ありったけの火炎を放射しろ」と狂犬ぶりを見せていたのに、今回可愛い子ちゃんが相手だとてんで弱い。まあ仕方ないよな。キミのじいさんも恋女房への想いが強すぎてこじらせたわけだから。遺伝やな。心の迷走を立て直すために父親の幻影にまで頼っちゃうとは、まんま中二。 こんなにハートのもろい人物はシリーズ中どこを探しても見当たらない。SW始まって以来のキャラでありますね。ジェダイにも、名を遺すほどの悪党にもなれなかった彼ですが、弱っちいカイロ・レンを今作で大好きになりました。ダメな子ほど可愛いってやつですかね。 今回レイとカイロ・レンの絡みに時間を取られて割を食ったのはレジスタンス側。森の中でモニターを広げながらも何をやってんだかよく分からず。ポーとフィンはストーリーのどたばたサイド担当のよう。レイは必死に顔をゆがめて戦っていても美しいです。 旧作の御三方を出してくれたJ・Jありがとう。ハン・ソロのセリフといえばあの一言。それを息子に伝えに現れたハン。弟子に有用な助言を与えられるようになったルーク。そしてもう本当にラストの、奇跡のレイア姫の姿。 エンドロール、キャスト名の最初に据えられたキャリー・フィッシャー。彼女こそが我らがレイア姫。ファイナルを一緒に迎えたかったと、心から思いました。 【tottoko】さん [映画館(吹替)] 8点(2020-01-22 18:03:50) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 エピソード8を完全になかったこととした今作、この時点でシリーズとしては完全に破綻。作品自体も問題が多く、時間をたったの十数時間と限ったことでスケールが一気に縮小。惑星間移動がご近所回りのようにあっという間で、広大なスケールが全く感じられない。チューイ捕獲とか3PO記憶消去とか必要のないシークエンスのおかげで、肝心なシーンが駆け足になってしまい物語に深みがない。 が、それでも、パルパティーンやランドはもちろんハンやウエッジまで登場し、タンティブⅣやAウイング・Bウイング、レッド5までが飛び回り、マニア向けの小ネタも満載。更に過去8作品全てをまとめるあのラストからのエンドロールメドレーを用意されては、40年以上スターウォーズを観続けてきた者としてはただただ感激するしかない。前作の憤りと落胆を考えると、J・Jには感謝しかありません。ただ、結局スターウォーズというものはエピソード4~6に頼らなくては何も前に進まないということもよく判りました。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-01-04 22:10:09) (良:1票) |
3.色々とツッコミ所は限りなく有れど、そこはツッコんだら最早負けだ。設定やら整合性やらを考え込んだ時点で負けだと思っている。そしてスターウォーズの続三部作とは言え、この手の超大作に求められているものは(作家性でも深い世界観でもなく)、ベタだろうが二番煎じだろうがとにかくただひたすらに「エンターテイメント」であることの追求なのだ。その意味で言えば、(数多の疑問と、もたらされる感動の「チープさ」に辟易しながらも)実際に観た感想として、本作は100%「面白い」映画だと断言できる。騙されたと思って是非劇場で鑑賞していただきたい。
ただ、続三部作は、エンターテイメントとして『最後のジェダイ』を除く2作はまずまずな出来とは言え、「こんな話になるんじゃないかな」or「こんな話になったらヤダな」の想像の域を殆ど逸脱しない在り来りな仕上りで、つまり、この三部作に本来求められる期待値「(旧三部作の如く)歴史を変える程の」傑作の域には到底達していないのは確実である。そもそも、続三部作を観終わってふと思い巡らせた時に感じるのは、「旧作キャラの俳優が元気なうちにやっておきたい”金儲け”」が真のコンセプトだったのではないかという絶望感でしかない。
いまどき、長編三部作で壮大なテーマ・ストーリーを展開するチャンスなど本当に限られた映画製作者にしか掴めない「天運」であるのに、それを一つ見事に喰い潰したこと、そして、スターウォーズという稀代の映画シリーズのレガシーを(新たなレガシーをつくるのには失敗した上で)これもただただ喰い潰したこと。続三部作を改めて鑑賞し終わって(本作単独での映画としての評価とは別に)その2点を率直に残念に思う。 【Yuki2Invy】さん [3D(字幕)] 8点(2019-12-21 23:27:20) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 めったに出会えないすばらしい映画だと思います。
その上で、ですが、
77年のスターウォーズが映画界に革命をもたらしただけに、いつかあの革命を再び、と長年思い続け、期待値が途方もなくあがってしまい、結局その期待には応えてもらえなかったなあ、というのも実感。
映像や演技や脚本などのすべてのテクニックは、年相応に他の映画同様に、見違えるばかりに進化してきました。それはもちろんすばらしいのだけれど、あくまで既定路線上に居続けてしまったままだったか、再びの大きなジャンプは、起きなかったか、、という印象になってしまいました。
それと、毎度のことながら、レジスタンス側は恨みや怒りでダークサイドに堕ちまくっていると私は思うのですが、結局勧善懲悪の世界観を越えられないままにエンディング、という観があって。。 アメリカンスピリッツなのかねえ、、とか思ってしまいました。ごめんなさい。 【woo】さん [3D(吹替)] 8点(2019-12-21 22:27:13) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 レジスタンスのみならず私にも大きなダメージを与えた前作を受けて、不安たっぷりの状態でみにいきました。結果としては、みにいってよかったとは思いますが、率直に言って非常に複雑な思いです。緊張感あるシーンが多くてまさに宇宙活劇です。最後のクライマックスでこの音楽、と来れば否が応でもテンションは高まります。「なんとか形としては取り返した」感じです。ただ・・・やはり前作でやらかしたために無理のある設定があまりに多すぎる。・〇〇復活?ならば(形は違えど)全員復活させちゃえ、みたいな。 ・レイが〇〇の末裔?いやそりゃいくらなんでも無理筋でしょ。 ・その結果、カイロレンとレイの関係が不明 ・変なアイテム登場。スターウォーズは宝探しだったのか? ・ロボットはBB8が完全脇役、変なロボットも出てきたが結局は旧作ロボが主役。・人も同じで新作で旧作を上回る魅力的なキャラはゼロ。 ただ、ここまで熱くなれる映画はほかにはないと思いますし、シリーズ終結を見届けられてよかったです。今後変な新作を作ってコンテンツの浪費がないことを期待します。 【jcross18】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-12-21 14:25:24) (良:1票) |