《改行表示》 4.極論すれば、三島の「アイドル映画」。相手が学生とは言え、同じ人間なのにどうしてこうも存在感が違うのだろう。見事に絵になっています。 討論されている内容は今となっては出鱈目としか思えませんが、当時は当時で別な位置付けだったのでしょう。製作陣もそこに重きを置かず、あくまでこういうことがありましたという記録に徹しているようです。それを補強するために、ナレーションが過剰になったり、当時は生まれてもいなかった作家をコメンテーターに起用したりと、苦労が垣間見れます。当時の学生も出てくるわけですが、他にいなかったのかという布陣を見ると、仕方なかったのかとも思いますが(盾の会側はさらにひどい)。 三島は、少なくとも現在的には、作家としてではなくあの時代状況の中である行動を起こした人物として決定的な存在とされているので、外れのないドキュメンタリー作品の素材であったと思います。 つまり、つまらなくはなかったけれども、期待したほどではありませんでした。それは製作陣のせいだとは必ずしも言えない、ということです。 【傲霜】さん [映画館(邦画)] 6点(2020-06-12 18:09:13) (良:2票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 三島由紀夫の有名な何篇かが心地良かったのを覚えています。 自決のいきさつは難しすぎて入り口でさえ掘り下げられませんでした。 だから動く彼を見られただけでもうれしい。しかもその語り口は実に魅力的です。 だがしかし!! 映画を見て感じたのは ①男ばかり!(瀬戸内寂聴さんはコメンテーター) 死ぬとか、殺すとか、暴力とか、男たちが理屈こねてる。 みんな女の子宮から産まれたんでしょ?身を削って産み育てたのに「非合法で人をヤル」とか勝手ですね。 内田樹さんだけが「1930年代のティーンエージャー、男の子の場合」と説明してます。 戦争、闘争、暴力。これ圧倒的に男世界の話です。語るときは主語を必ず「男」にしてほしい。 ②男の若者が未熟だったり息巻いてエネルギー発散したり、その成長過程は大切です。 男学生と45歳の男天才作家がレベチなのは当然。 1000人の学生にとって ごまかさずに話してくれる大人がいるんだ!という気付きは尊いとおもう。 「レースのカーテンの前でのろけたり」「立派な書棚の前で懐かしんだり」元全共闘や元楯の会の皆さんは好々爺となり、 若いころ自身のジグザグ試行錯誤時代ををふりかえることができる。 世界には振り返ることもできぬまま死んでしまう若者がたくさんいる。男たちまず生きよ! ③芥さんって今も変わらない。金子みすゞに言わせたら「みんな違ってみんないい」ですかね ④討論を交わした天才が翌年、自決したわけですよね。 1000人の学生にとってその衝撃はすごかったと思うのですが語られていません。900番教室の思い出ばかりです。それは物足りないです。 イロイロ感じることがあって三島由紀夫再読しようかと思ったので、そういう意味のある映画、という点にしました 【LOIS】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-10-17 22:36:47) (良:1票) |
2.生きている三島由紀夫を見るための映画だと思います。討論会の内容はよく理解できませんでしたが、なんとなく面白かったです。三島を論破しようと血気盛んな学生に、器の違う三島が会話を楽しんでいるように見えました。三島が生きていたら、今の日本についてどう思うのでしょうか。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-28 19:12:57) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 ワタシには、この作品がわからなかったです。900番教室で行われた討論はイライラするくらいわからなかったし、ちょうど50年という節目の年でもないのに、このタイミングで公開される意図もわからない。この映画の監督が豊島圭介氏であることも何故?と思うし、なによりこのフィルムは秘蔵するような類のものか(そんなセンセーショナルなものと思えない)。わからないんですよ。でも。作中、内田樹氏も触れていますが、三島由紀夫氏はなんて粘り強いんだろう。このくそボンズの大学生を相手に一つ一つ丁寧に応対する三島由紀夫氏の姿に誠実を感じます。なんかよくわからないが、三島由紀夫の魅力だけはわかった。今度、食わず嫌いだった氏の小説を読んでみようと思います。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 5点(2021-05-06 21:54:26) (良:1票) |