《改行表示》 3. ――君は、ジョン・J・ランボーという男を知ってるか? 初めて観たのは…LDだった。 30年以上前だったかな…懐かしい。 寂しそうで苦しそうで…彼に対して「守ってあげたい」って気持ちにもなった。 何よりも、あの曲やBGMも胸に沁みて、今も時おり聴きたくなる。 さて、今回のラストブラッド…だが。 舞台は…戦場ではない一般社会。 ハッと思ったのは…「ミッション・インポッシブル」とか「007」などと… 近年の近代世界のでバトルアクションと、どのように差別化をするのか?だった。 あのリーアム兄ぃの「96時間」みたいな感じになるんかな…などと観る前に色々と思案した。 ただ、その差別化への考慮は無意味だった。 ――彼の名は、ジョン・J・ランボー。 その佇まい、そして行動がランボーなのだ。 そう、彼の怒りが爆発し…敵に対してオーバーキルなのがランボーだったのだ。 ホラー映画やスプラッタ、アクションやSFなど…たくさん観てきたはずの俺だが… ガキの頃に衝撃を受けた「北斗の拳」を想起させる悪即滅殺なのだ。 ――そう、彼の名は、ジョン・J・ランボーなのだ。 映画が終わりそうな瞬間…ふっと思った。 出会った時の気持ち…「ひとつの時代の終焉」とでも言おうか…。 何かこれで終わりになるんか……と思ったら寂しくなる。 そして、ここからは余談っぽい蛇足…。 ラスト・ブラッド観た後、家に帰り…今月号の映画秘宝を読みつつ… シリーズの1から4までを一気に観てみた。 そして、こう考えた。 「このランボーが物語のキャラではなく、本当に彼が居たとしたら…」と。 こんな男が本当に居たら…そう考えると涙が止まらない。 爽快な瞬間もあるが、ランボーの怒り…そして悲しみ、苦悩の推移。 それはシリーズ通して何ひとつ払拭できず、誰にも解決して貰えないまま。 2では、現地人のコー・バオとの愛も、想いも結ばれる事はなかった。 更に今回の結末に、俺は例えようのない悲しさを覚えてしまい…今も胸が痛い。 そして、思い出すのは、シリーズ1の最期… あのトラウトマン大佐との会話。 彼の青春は何だったのか? 戦争の中で結ばれた仲間と共に過ごした時が… そう、彼にとって一番幸せだったのじゃないか?…と。 いつも傷つき、いつも苦悩し… いつも誰かのために戦った男が居る。 ――その名は――ジョン・J・ランボー。 誰が何を言おうが、うん。 俺の心にしっかりと名を刻んだ男だ。 俺は決して彼を忘れないだろう。 いや、忘れてはならない。 【映画の奴隷】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-07-05 21:34:35) (良:1票) |