7.風景も音楽も雰囲気も良いが、途中のおしゃべりを聞くのはきつかった。こういう恋人同士のおしゃべりは当人たちが楽しむもので、端で聞いていて楽しいというものじゃないしと思って見ていた。そして最後まで見ることができたのは、どこでどういう別れ方をするのだろうという興味のみ。余韻のある終わり方は良かったけど、再会を約束してもきっと守られないと思う。お芝居も必ず行くからと言って行かなかったのだから・・・。 点数は私の年齢と性格的に合わなかったというだけで、映画が悪いというわけではない。(ここまで最初のレビュー) ビフォア・サンセットを見た後、もう一度見直してみる。会話劇に慣れたこともあり、作品の雰囲気ゆロマンティックな面がさらにプラスした。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-03-01 20:47:21) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 変った観点からいうと、夫婦喧嘩も役に立つことがあるということ。一種のバタフライ・エフェクト。運命が動き出した瞬間が夫婦喧嘩とは面白い。これは内容にも関係します。二人の人生には苦しみや悩みがあり、その中で最大のものが愛情が続かないということ。ジェシーは恋人と別れたばかりで、親は離婚している。セリーヌも恋人と別れて殺意を抱くほど憎み、祖母は夫でない人をずっと愛していたという秘密があった。それが恋に対する恐れとなり、お互い惹かれながらも恋心に制限をかけていた。だが話をしてみると会話が弾む、弾む。恋の初期段階の男女のマシンガン・トークショー。共に知的で情より理性にまさるタイプ。内容は哲学的なものが多い。ここで重要なのは別れるまで14時間しかないということ。恋愛のタイムリミットもの。心に制限していても、夕暮れの観覧車の中でついキスを。女性のほうから誘いますね。「私とキスしたい?」男は断れませんよ。いい雰囲気になったところで電話ごっこ。女性の方から告白。つられて男も告白。お互い目を見ながらは、照れ屋の日本人には無理。セックスも女性から言い出す。恋愛がスムーズに運ぶには女性がさりげなくリードするのが一番。ここまでくればソウル・メイトと気づきます。行きずりの恋なんて論外。それでも理性にまさる二人は、もう会わないつもりで別れようとします。が、ここで「もう一度会いたい」と男が言い。「そう言って欲しかったの」と女がキラーワード。情が理性の壁を突き破った瞬間です。爽快でした。やっと気づいたんですね。二人は間違いなく再会しますよ。ところで「運命の出会い」のための演出過多なのが気になります。占い師が女の未来を語り、「人はみな星くずから生まれた」と言う。女と同い年だった13歳の少女の墓。ミルクセーキのような甘い詩をプレゼントする詩人。「ここに来て」という歌詞のレコード。結婚式をイメージさせる教会。赤ん坊をイメージする誕生の踊り。環境が人間より強いと感じさせる絵。虹の中で死んだ祖父を見た。別れた恋人を殺したい欲望。無心論者とホームレスの挿話。ちょっとやりすぎでは?と思いましたよ。それとも恋愛にはこれくらいのしつこさが必要でしょうか。とにかく、これほど知的な恋愛映画は他に知りません。限りある時間は貴重、人生でも恋愛でも、ということも学びました。ところで牛の芝居を観たかったのは私だけ? 【よしのぶ】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-09-20 09:05:23) (良:1票) |
《改行表示》 5.出会いから別れまでの14時間、ほとんどが二人の会話で紡がれていく、リアルでロマンティックな恋愛映画。 もちろん、ふたりの会話は知的でスリリングだったが、それよりも、最後の誰もいない風景、二人が確かにほんの少し前に楽しい時間を過ごしたはずの景色が映し出されるシーンにこそ、恋の余韻が色濃く漂っていて、素直に「ああ、いい映画だなぁ」と思えた。 また、ほとんどBGMが使われていない本作で、ふたりが視聴したレコードのバラードは、その情景とともに深く印象に残り、うまい演出であった。 画面から、ドキドキ感が伝わってくる恋愛映画を観たのは、久しぶりだ。 時間の経過と共に移り変わる、ウィーンの街の美しさも堪能した。 【poppo】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-12 18:31:34) (良:1票) |
4.かなりこっぱずかしい映画です。まるで仲良しの友達の恋愛を覗き見しているような。自分の過去を振り返るかのような……。すごいリアリズム(笑)。そりゃあコレと同じってわけではありませんが、若い頃(とくに学生時代)に旅に出るとあるんですよねぇ。あんなこんなのトキメキが。初対面だからこそ、普段友達とはまず話さないような、いろんなことを語り合える。口がまわりはじめると「あれ?こんなこと思っていたっけ?」っていうような、そんな見果てぬ夢まで語っちゃったりするもんだから、旅先ってのはオソロシイ。ちょっとだけ背伸びして、わかったよーな口きいて、そして相手の話にも心を寄り添わせて話を聞いてはフンフンと頷く。いろんな人に影響されて、急激に世界観が広がったよーな気がする。たとえ現実は、同じ世界の中をぐるぐる廻っているだけにしても新しい発見をしたよーな気分になる。多くはそのまま「一期一会」で分かれ、恋愛したって感覚もなくいい思い出になってしまっているものなのですが。いやぁーー、恥ずかしい……(笑)。 【元みかん】さん 7点(2004-12-25 15:18:12) (笑:1票) |
3.吊り橋の上などの不安定な場所で異性と出会うと、人間はその不安定感と高揚感を恋愛感情と錯覚する、という実験結果がある。揺れる車内で異性と出会い会話していると、何かしら高ぶって来るのかも知れない。そういう旅の高揚感をちょっと恋愛感情と錯覚したところも絶対あるはず。お互い国に帰った頃には随分醒めていると思う(笑)。でもそれゆえに何だかリアリティと庶民性がある。その場に居合わせたような臨場感を終始楽しめた。 【ひのと】さん 7点(2004-08-03 20:43:39) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ずーっと話してばかりでしたけど、人って分かり合うには話すことが1番ですよね。初めて会ったばかりなのに、あそこまで深い話が出来るとは驚きました。私はレコードショップの視聴室のシーンが好きです。目が合うと、どちらからでもなく逸らしてしまう。2人ともいい大人なのに、初恋の初々しさのようなものがあって可愛らしかったです。14時間をあそこまで充実したものに出来るとはすごいですよね。ラストシーンも本当に良かったです。話の展開がはっきりした映画を好む人にはオススメできませんが、こうゆうまったり系を好む人にはぜひ観ていただきたい1本です。イーサン・ホークなかなかよかった。 【未歩】さん 7点(2004-01-04 19:54:10) (良:1票) |
1.期待せずみたら(BSで観たので)思わぬ拾い物をしたって感じです。二十歳前後の男女が生と死、個人と世界、そして男と女について語り合うところは、若干年を取ってしまった今ではちょっと青臭い感じがしないでもないけど、公開の年を考えるとほぼ同世代でもあるわけで「親の世代の頃は敵がはっきりしてたけど、今は敵が分からない(うろ覚えの台詞ですが)」なんていう意見には、うんうんとうなずいてしまいます。ラスト二人はどうなるんだろうと思ってたら、あんなだったので、ちょっとがっかりもしたんですけど、あれはあれでいいのかな。「結局二人は二度と会いませんでした。ただの旅先という非日常の中での勘違いでした」って言うオチだと、確かにそれも人生の真実かもしれないけどあまりにも寂しすぎるし、再会できたっていうオチにしても、何だか普通のラブストーリーみたいでつまんないし、「あとはご想像にお任せしますよ」っていうのが一番良かったんでしょうね。それにしても、僕は旅ってほとんどしたことないけど、こういう映画を観るとちょっとヨーロッパを旅したくなっちゃいます。別に素敵な女の子との出会いを期待するわけじゃないけど(いや、そりゃ来る物は拒まずだけどさ)、ヨーロッパの街角で、アマチュア劇団や路上詩人、ちょっと胡散臭げな占い師と出会えたりするのは、かなり素敵ですよねえ。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-05-29 12:50:03) (良:1票) |