81.妻投稿■1960年代以前の古い日本家屋の社会では、もし息子が障害者になったら座敷牢に放り込んで世間の目にさらさない事が多かったようだ。しかし1970年代以降マンションや公営団地に人が住むようになり、その真っ白な壁と幾何学的な未来都市は、こういうドロドロとした村社会や世間体といったしがらみのない新しい住空間に見え、当時の人々は一般に言われる「快適さ」とは違った意味の「快適さ」を期待したんだと思う。■でもギリギリ昭和世代(1987年生まれ)の私の友達の障害者は親に「お前は本当の○○ちゃんない」とか存在を否定された人は多い。確かに村八分とかはなくなったんだけど、その分マンションのコンクリート構造は、ありのままの家族を見ようとせず、それぞれが「こうあるべき」という家族の虚像(というより妄想)を相手に押し付けあうという、昔から結構水面下にあったものを一気に明らかにしてしまった。この映画はそれを松田優作に発露させたんだ…(と「超正統派的知ったかぶり」をしてみました)。■でもこういうマンション街って今高齢化地帯になって徐々に廃墟になっていくんですよね。今じゃどこにでもある「歴史民俗博物館」の最後の展示ブースに「高度経済成長期のマンション」の再現模型があって、映画の中の家族も過去の俗物になってきたんだなと思う。社会も「格差」とかいうのが広まって、「家族を持つ」という事が凄く贅沢になってきた(「家族」が一種のブランド化してきた(笑))。■じゃあ、そう偉そうなことを言う私の家族はどんな感じなのか。もう、性的虐待で出産したダチの赤ちゃんをルームメイト(全員そろいもそろって発達障害者)全員で育てる感じ。「恋愛より前に子育て」という事で、「スカベンジャー(腐肉食系男子)」という言葉もあるくらい。一番だめじゃん(^_^;(笑)) ■21世紀はどんな「家族ゲーム」が作られるのかな? 【はち-ご=】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2010-06-21 06:46:33) |
80.カットやカメラまわしがおもしろいですね。30年近く前の映画と思えません。食事シーンで大笑いしました。すごい俳優さんたちです。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-06-03 14:47:55) |
79.この映画を観て、「家族」という関係性において、その在り方に正解も不正解もきっとないのだろうということを思った。
「家族ゲーム」という映画タイトルの中で描き出される一つの家族。次男の高校受験を目前にして、家族皆が盲目的な”理想”を掲げて、混沌としている。
その混沌とした家族風景が、不幸かというと、決してそんなことはない。
食卓に横並びになって、互いに顔を合わせることのない会話をしながら、淡々と食事をする風景は、この家族の姿を如実に表しているのだが、その味気ない風景にさえ、この家族の切れることない繋がりを感じる。 それは、どんなに窮屈で、居心地が悪くても、それでも互いに寄り添って食事を続けるしかない、という家族そのものの「宿命」とも言えるものかもしれない。
たぶんそれは、実際とても幸福なことなのだろう。 この映画は、混乱する家族像を描きながら、それでも見え隠れする繋がりの強さと、繋がりが強いからこそ生じる“滑稽さ”を、抜群のユーモアセンスで表現した作品なのだと思う。
やはり何と言っても、松田優作が素晴らしい。 コミュニケーションが苦手な家族の中に家庭教師として突如現れ、その関係性を好き勝手にかき混ぜる飄々とした姿は、彼ならではの「表現」だった。ラスト、半ば意味不明に“キレる”様も、松田優作という表現者の真骨頂だったのではないかと思う。
おそらく、見れば見る程に、味わいが変わり、深まる映画だと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-03-13 15:27:28) (良:1票) |
78.松田優作の囁くような低い声が耳に残る映画。家族という集合体を、視線が交わる事のない空間で生きる、単なる個の集まりのように捉え、松田優作は、英雄のように悪魔のように、そして嵐のように侵蝕してゆきます。だからと言って、家族を再生しましょう、なんて全然言っていないところが、この映画のいいところ。脆く組み立てられた日常の中に、ころころと転がる不安を上手く描いた映画だと思いました。まあ、ヘンに記憶に残ってるのは「教室ウ○コたれ流し事件」だったかの話だったりしますけど。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-06-25 23:41:32) |
77.噂に違わぬ凄まじい作品。表向きはホームドラマだが、裏に内包されている狂気が作品に只ならぬものを与えている。恐らく森田監督生涯最高の役者演出であろう、ラストの食卓のシーンにはただただ唖然とするのみ。 【j-hitch】さん [DVD(吹替)] 9点(2009-01-01 03:14:00) |
76.むかしだったら9点ぐらいだが、いまはこれくらいか。 この映画の伊丹十三が好きです。うまいなあ。 単に僕の予測ですが、この映画でもそうですが、当時絶好調の 森田芳光に、この作品で出遭った伊丹さんが、非常に刺激を受け、 (というか完全に嫉妬して)其の直後、”俺もオチオチしておれん” と、監督業を始めたのではないか、と俺はみている。名作。この映画の松田はイイ。 松田はべつにたいした俳優ではないが、こういう脚本が好きであるという点はいい。 この映画の、監督と松田の感覚はピッタンコで、非常にウマがあったそうで、ふたりでにやけていたそうだ。しかし一方、伊丹は、この本の感覚がわからず、(あまり理解できず)非常に苦心したそう。なんとなく、わかる気がする。確かに、伊丹の作品には、こういった、”異次元の感覚”といったものは皆無だ。伊丹は彼自身の芝居同様、”リアリズム”の人だ。
【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-12-31 00:45:05) |
75.テーブルに横一列に並んで食事する家族というアイディアとラストだけで7点あげられます。あとは正直古さも目立つけど、80年代を感じられるという利点にもなっている…気がします。 シュールさは面白いし、何をしたいかも大体分かるけど、統一感が無かったかな。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-11-15 00:02:15) |
74.受験にまつわる割と普通の家族と、多少変わりものの家庭教師との話。シリアスなのかコメディなのかスタンスがはっきりしない。ダラダラとした雰囲気、映像、登場人物に終始イライラし、不快。着地点も理解しがたい。見どころがなく、面白味をどこにも感じませんでした。これがシュールなのか・・・。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 3点(2008-01-31 11:34:29) |
73.今、見るとどうしても画面に安っぽさを感じてしまうが、有名な食卓のシーンは笑わせてもらった。ただ、映画全体に渡ってBGMを使用しないという試みが、成功しているかどうかは、少々疑問である。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-05-13 23:21:05) |
72.いま観ると、どうしても古さが出てしまうのは否めないが、シュールな笑いにハマった。気持ち悪いけど笑える。汚いけど笑える。何なんだろう、この笑いは。有名な食卓シーンでは久々に腹をかかえて大爆笑した。何で笑えるんだろう。不思議だ。 【えいざっく】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-03-29 10:57:07) |
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71.◆この映画全てにわたって、快と不快が両立して撮られている様な印象をうけました。◆おいしそうな料理と食べるときの汚い音、夕暮れの色と煙を出す工場、家族の食卓とうるさいテレビの音・・・とにかく全てのシーンに渡って快と不快が両立されている。だから、見ていて何か気持ち悪い。◆ただ、これが15歳、すなわち中坊の時期なのだなと思います。受験に恋愛にライバルに・・・自分にとって不快なものと心地よいものをいっぺんに背負っている時期。そんな彼らの複雑な心境をうまく映し出しているなという印象を受けました。最近僕は、マナーをわきまえずに友達と好き勝手やっている中坊を見ると嫌悪感を覚えているのですが、この作品を見て、彼らも彼らで大変なんだなと思いました。◆まあ、その考えに行き着くまでに、既に僕は映画を見ているあいだ中、口が開きっぱなしでしたので、これはかなり凄い映画なのだと思います。◆終始僕の口を開かせたこの作品でしたが、全体的に何をテーマにしているのか曖昧ですし、ブラックユーモアという印象をあまり受けなかったことから-2点で、8点を献上させていただきたい。 【もりたろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-04 13:59:23) (良:2票) |
70.長渕版の人なつっこくて人間味のある主人公に対して、優作様版は寡黙で不気味。両方とも◎。 【目白沈寝】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-07-12 02:51:49) |
69.面白い!。昔、映画館で観たり、テレビで観たりしたけど、BSでやっていたので録画して観てみたら。これが面白いのなんの!若い頃観た印象とまた違って、すごーく新鮮だった。松田優作がお気に入りだったし、頭でっかちの映画ファンだった昔は、キネ旬1位だの、演技が上手いだの、音楽を使わないセンスがいいだの言ってたけど。今観るとそれもそうだけど、そういう事じゃない!空気が伝わる感じ。最近観た良いと思う邦画と比べても段違いにすばらしい、知らない間に邦画の質が落ちてる気がした。こういう映画が2、3年に1本でもあるといいなぁ~ 【カーヴ】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2006-03-24 12:18:17) |
68.時代的に、核家族化、少子化、偏差値教育、校内暴力、いじめ等の社会問題が一般化してきた時期を象徴する、ある意味、非常に分かりやすい社会風刺映画。
食卓に一列に並んで食事をするシーンや、まるで噛み合っていない会話等、家族同士ですら、お互いの心が向き合っていない事を端的に表している。
そんな個人主義や相対主義が誇張されたような家族の中に、ひとりの家庭教師が入り込み、その家庭をめちゃくちゃにして去って行く。しかし、その一見、理不尽で暴力的な行為は、オヤジの鉄拳制裁よろしく、むしろ異常なまでの個人主義に対する「常識の鉄槌」としての効果を狙ったものなのだと思う。
早くから価値相対化や個人主義の持つ危うさと問題点に気付きながら、変に説教臭いドラマではなく、あえてドラスティックにブラックコメディとして仕上げた監督の先進性を評価して、この点数で。 【FSS】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-30 23:46:11) |
67.森田芳光が天才の名を欲しいままにしてた頃の作品ですねぇ。 ストーリー的には、ちょっと「行き過ぎ」感があって、基本的にこのトーンは好きじゃないんですけどね。 由紀さおりがうまい。 「なんにもしないお母さん」を好演してます。 なんのインタビューだったんだろうなぁ。。。「この映画と同時に観る映画を選ぶとしたら?」みたいな問いに、当時 森田芳光は「地獄の黙示録」を上げていた。 ほぉぉと唸ったな。。。 【とっすぃ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-04 21:33:39) |
66.松田優作の演技と森田監督の演出がすばらしいと思った。 【ピボーテ】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-08-30 02:53:54) |
65.「スピルバーグは天才ですが、僕はもっと天才ですから」森田監督の製作発表時のコメントだと言われています。「の・ようなもの」でその片鱗はのぞかせていましたが、確かにこれは完璧といっても過言ではない傑作でしょう。でも監督だけの力じゃない。それどころか松田優作のあの演技が無かったら随分とちがった印象になったと思います。日本映画史に残る作品なのは間違いない。 【nizam】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2005-08-17 19:17:57) |
64.楽しいです。げらげら笑ってしまいます。森田さんも凄いですが、優作も凄いなぁって 思います。台詞回しも最高ですし、間の取り方も良いカンジです。音楽が一切入って ないので、各役者さんの台詞が一層の重みをもって迫ってきます。ほいでもって、この映画を観ると、なじぇえか半熟卵をちゅるちゅるしたくなります。そして帆掛け舟で川を渡って「沼田くんちアソコですか?」って聞きたくなります。おかげさまで「夕暮れ」を完璧に把握しました!青春のシンボルだ・・。 【ゆみっきぃ♪】さん [映画館(吹替)] 7点(2005-08-06 09:41:35) |
63.当時の日本の家族の状況が良く出ていて、家庭教師という赤の他人が家族に混ざる事によってかろうじて安定が保たれている。また家族以上に家族の誰からも信頼を受けるパラドックスをユーモラスに描いている。追記:先日TVでダビンチの「最後の晩餐」を見てあの横一列の食卓シーンってココから来てたのかと思った。そんな目線でまた再見してみようかな。 【亜流派 十五郎】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-26 17:48:53) |
62.邦画の中で最も好きな映画です。特に松田優作の演技が最高です。 【sabotaku】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-03-30 23:55:04) |