《改行表示》 1.《ネタバレ》 「PERFECT DAYS」を見た後での鑑賞です。結構対になったような作品で役所広司が多情な男と無口な男を演じています。彼の演技はさすがの一言ですが、出来は正反対です。作品の意図を主張するのか、なるべく隠して制作するのか、そこの違いかなと思われます。 服役から出てきた人物にそこまで積極的に係わろうとする人は少ないでしょう。例えスーパーで万引きされても少額なら触らぬ神に祟りなしと決め込むのが普通でしょう。いい加減な事実認定で犯人扱いするなど最悪です。テレビ制作者がスマホ越しに説教するなんてのもあり得ない。彼らと対決するのは実力行使を受ける可能性もあって危険だと認識されているはずです。多分、娑婆の人間関係を作ることが社会復帰の最初の関門でしょうに自然と生まれる的な解決で問題提議としてはスルーです。 主人公は短気ですが、律儀でルックスも良く、話題も豊富です。でも、実際はどうでしょう。そんな人ばかりではないはず。つまり環境も主体も説得力のない設定で何の主張をされても心に響きません。長澤まさみは喧嘩を止めるか、撮影をするのか、と叫びますが、この作品は風の音を喧嘩と誤認しています。九州の兄弟分のパートは良かったです。子分連中が良かったです。それでもあれだけ入れ墨背負ってあんな浴場に入れないでしょう。傷はCGでそこを見せたいのでしょうか。まあ、もうこだわる元気もありません。最後のシーンの大泣きもいい芝居ですが共感できません。予定調和の悲劇でしかないです。まあ、監督は責任者ですから責めを受ける立場でご愁傷さまです。 【たこのす】さん [インターネット(邦画)] 3点(2025-04-30 09:54:47) ★《新規》★ |