10.《ネタバレ》 男性が抱きがちな、結婚、妻の妊娠出産、子育てに対する不安を表現主義的に映像化した作品と解釈している。ヘンリーの首が消しゴムになるあたりは未だ理解に苦しむ描写だが、恋人の家族に会う不安感(或いは不快感)や赤ん坊に対する父親の感情の動きなど、男性なら少なからず理解できてしまう部分もあるのではないだろうか。 【マーメイド】さん 8点(2004-01-17 03:01:18) (良:2票) |
《改行表示》 9.《ネタバレ》 よくもまぁここまで気持ち悪いシーンのオンパレードを作れるなと感心してしまうほど、気持ち悪い。 こういう気持ち悪いシーンの絵コンテをひたすた毎日書き溜めてるリンチ、まぢ変態。 一人で脚本も特撮も美術も音楽も監督もやったオナニー作品。 変態オナニープレーを見て興奮できる人と、できない人の差が、評価の分かれ目だろう。 「エレファントマン」が気に入ってリンチを知った人間だが、「イレイザーヘッド」を見ると、エレファントマンという題材を選んだのは、イレイザーヘッドで描いた”奇形”、”皮膚病”という彼好みのモチーフを、万人受けするものに昇華させて、今後の作品の製作費を手に入れるためだったのではと思ってしまう。 「エレファントマン」は人間性とか、死生観とか、偽善と善意とは…とか、考えさせられることが多く滋味深い作品だった。 しかし「イレイザーヘッド」は、ただただキモイ。 あの奇形の赤ちゃんの包帯を切って内蔵をぶちゅぶちゅ潰すシーンとか、ほんと記憶に残っちゃって、慰謝料くださいっていうレベル。 【フィンセント】さん [DVD(字幕)] 0点(2020-08-23 22:35:00) (笑:1票) |
8.《ネタバレ》 よく難解だとか言われるけど、これってほとんどリンチ監督の実体験だよね。フィラデルフィアの陰鬱な光景とか、予期せぬ恋人の妊娠と結婚とか、若くして父親になることの不安と苦悩があのようなビジュアルを作り出したのだろう。実際リンチにはあのように見えていたのかもしれない。恋人の実家に行って相手の両親と会う時なんて、大体あんな感じだと思う(かなりカリカチュアされてはいるが)。また、男は自分で子供を産むことが出来ないから、赤ちゃんに対して潜在的な恐怖がある。リンチがここまで自分に正直に映画を作ったことに(製作に4年もかけている!)、何だかホッとさせられた。しかし、こんなカルト映画が一般の人たちの目に触れ、ここまで支持?されているのって、物凄く幸福なことだと思う。同じカルト映画の『エル・トポ』なんかと比べても、レビュー数が半端ないもの。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-06-22 21:37:48) (良:1票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 この映画だけは0点をつけても10点をつけても文句を言われない作品だと思う。 あの奇形児と周りの騒音と主人公の髪型がいつまでも頭と耳から離れない。 こういう作品はカルト映画と言われるのだろうが、その王道を行っていると思う。 いろんな意味でこれを超える映画は今後出てこないと思う。 【超甘味王】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-04-12 17:31:30) (良:1票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 幻想と現実が入り混じり、しかもその幻想が安易な解釈を許すほどわかりやすくない。おおざっぱにまとめれば、駄目な男が不幸な現実から幻想の「天国」へ抜け出すまで、といったところだろうか。 あの奇形の赤ん坊から、萩尾望都のマンガ『イグアナの娘』を思い出した。このマンガは子供に愛情が抱けない母親の心情を、「娘が醜いイグアナに見える」という映像的にわかりやすい形で上手く表現した作品。 同じように、もしかしたらヘンリーと妻が子供を気持ち悪い怪物のように感じているだけで、ほんとうは義母の言ったように「ただの未熟児」だったのかもしれない、と思った。近所に住む女から見たら、ヘンリーの顔が赤ん坊の顔だったというシーンでさらにその疑いが強まる。赤ん坊が醜く見えるのは、自分にそっくりだからなんじゃないの? だから殺したかったんじゃないの? と。多分ヘンリーは、妻やその家族、赤ん坊よりも誰よりも、自分が一番嫌いだったんじゃないだろうか。 おそらくヘンリーは赤ん坊を殺したあと、自殺したのに違いない。醜い現実を何もかも目の前から消すために自分自身をこの世から消し、文字通りの意味で「天国」へ向かった。それがこの作品の、ほんとうの結末なのではないだろうか。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-25 22:46:08) (良:1票) |
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5.普段は「面白かった」「面白くなかった」で点数を付けてる俺ですが、この作品に限って「衝撃的だった」という意味合いで8点献上させて頂きます。いやもうね、マジで勘弁して下さい。お願いします。映画を見て吐きそうになったのは人生初。これは決して気持ち悪かったことの比喩なんかじゃございません。本当に嘔吐しそうになったって意味です。この映画のおかげでしばらく大好物のチキンが食えなくなった。それほどにエグい描写の連発です。胎児は反則だろーーー!あー、書いてたらまた思い出してきた。うぇぇぇ… もう一生見ません、が、いつか怖いものみたさで再見したくなる日が来るかもしれなかったり来ないかもしれなかったり正直どうでもよかったりします。 【コバ香具師】さん 8点(2004-04-19 19:23:06) (笑:1票) |
4.妻に逃げられた男が必死に赤ちゃんの面倒を見ていく、親子愛に満ちた心温まるハートフル映画。恋人同士でどうぞ。 ウソです。だって赤ちゃんは、人間とは思えない奇形だし、その為にお父さんの心は病んでアッチの世界に意識だけ行ってしまうんだから。かなりグロ入っていますので、鑑賞の際にはご注意下さい。 【tantan】さん 5点(2004-02-06 23:29:35) (笑:1票) |
3.お金が無くても、否、お金が無いからこそ面白い作品が出来るということをこれでもかといわんばかりに語っている作品。それが証拠に、ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド、悪魔のいけにえ、死霊のはらわた、バッド・テイストなど、名作視されているまたは製作からかなりの年数が経った今でも根強い人気をもってる作品はどれも低予算の映画だった。A級にも、十戒やベン・ハーなど、映画史に燦然と輝く大傑作はあるが、殆どの場合は、途方も無い予算をかけて超有名な役者人をそろえ、最新の技術をふんだんに使えば内容がイマイチでもある程度の興行収入は得られる。それに引き換え、B級は金が無い。なので有名な役者も雇えない、技術もチープである。だからこそ、人々をひきつけるようなストーリーや脚本を作ろうと必死になるのである。それに確かにB級は駄作は多い。しかし、B級で肩透かしを食らうのとA級で肩透かしを食らうのでは明らかにレベルが違う。本作品も、新聞配達をしてセットで寝泊りをしながら完成させたというエピソードを聞けば低予算と一目瞭然。しかし正直な話、ここまで衝撃を受けたのも久しぶりだ。主人公の彼女の家族の異様さ、見るからに不気味な赤ん坊、精神をキリキリと引き裂かれるような不快極まりないサウンド、そして徐々に交差する悪夢と現実など、20年近く経った今でもその衝撃は一向に色あせることは無い。 【クリムゾン・キング】さん [DVD(字幕)] 9点(2003-11-21 19:22:04) (良:1票) |
2.正に男にとって悪夢の映画。さえない日常。仕事も面白くない。好きでもない相手との出来ちゃった結婚。妙な風習のある義父母の実家。当然子供はかわいくない。果ては嫁さんには逃げられる。。。どこにでもあるような男の悲劇!! 本当は向かいの部屋の女が好きだが、子供は隠さなきゃいけないし、最後には馬鹿にされ、捨てられる。唯一のよりどころは妄想のアイドル。この子供さえいなければ俺の人生は変わるのに!!!・・といったストーリーをグロテスクに、シュールに描いた作品。意味がわかれば面白い! 【FUMI】さん 9点(2002-12-22 02:30:50) (良:1票) |
1.誰しも幼少時代はありました。その頃住んでいた家や、学校の帰り道などに「なんか気になる場所」っていうのがあったと思うんです。私の場合は廊下の一番奥の角だったのですが、その場所は例え昼間でもじっとりとした空気感を持っていました。最近気付いたのですが、リンチ作品の独特の雰囲気って、「なんか気になる場所」の雰囲気に凄く似ている様に思います。成長し感受性も乏しくなった今、あの頃のあの雰囲気を味あわせてくれるのが、リンチ作品です。そんなリンチワールドの原点のこの作品。理屈ではなく感覚で楽しむ映画です。病みつきです。 【カエル】さん 10点(2002-10-13 23:40:43) (良:1票) |