4.西部劇は良いですね。 雄大な景色の下に放牧される牛たち。 そして美しい馬や走り回る犬たち。 荒くれの男たちもカッコイイ(笑)
しかし本作の内容は覗けないほどの闇。 景色とのコントラストが印象的でした。
お話しに入り込めた方には最高の作品なんだろうと想像される。 名優の素晴らしい演技、緊張する場面多々。
しかし私は距離を置いて観てしまった。 登場人物の感情を、あえて分からないように見せている。 そこが素晴らしさなのは理解できるが、自分はしっくりきませんでした。 違和感あるなと。
カンピオン監督素晴らしい。 「ピアノレッスン」は見逃しているので、是非観たい。 【たんぽぽ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-04-03 10:05:18) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 西部劇ってのは、やり方次第であらゆるジャンルになり得る…とは思いますが、今作は最初はどーいう話なのかな~♪と思って観てたら最終的にはかなり純然たるサスペンスだった…というコトで、最初のうちは確かに少しもったりしてるな~とも感じたのですが最後までチャンと観てみると、その寂寥たる雰囲気や重いテンポも含めてこのジャンルの作品として非常に好く纏まった良作だったな…と率直に感じました。いや~西部劇+サスペンスって、中々どーして隅に置けないですね~どーしたって閉鎖コミュニティですから、登場人物たちのサスペンスな緊迫感ある関係性もより危険度高めに感じられますし、その面では特にまずカンバーバッチ、そして終盤にかけてのコディ・スミット=マクフィーのその「危険人物」感も中々に絶妙なモノだったと思います。私は最初(=水辺の件の後)カンバーバッチの方がマクフィーを狙う動機が出来たのかな…と思って観てましたが、よく考えるとマクフィーにだって「逆に」動機がアリアリだ…と気付いて以降は、特にメチャクチャ面白く観れてましたですね。オーラスのそこはかとない不穏さもとても好みです。
各種レビューサイト(当サイト含む)ではソコまでの高評価ではなかった様に見えてましたが、アカデミー賞の結果を受けて劇場に足を運んだ甲斐がありました(実はヴェネチアでも賞を受けてるのですから、然もありなん…なコトかも知れませんケド)。オススメですね。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 8点(2022-03-29 19:55:05) (良:1票) |
2.派手な展開があるわけではなく静かな映画だが、ずっと何か起こりそうな不穏な空気が流れていてハラハラしながら観れてしまう。はっきりとした描写が少なく説明的でないために映画を読む力は必要。美しい風景や美術だけでも観る価値あり。カンバーバッチ演じるフィルはかなり嫌なキャラなんだけど弱さも描かれていて何故か惹かれる魅力あり。個人的にはググッとこの映画の持つ空気に入り込めた。 【Nig】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-02-17 11:38:59) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 舞台は1920年代のアメリカ・モンタナ州。 大牧場で家族を形成するのは、名うてのカウボーイであり同性愛者でもある荒くれ者と、マザコンのサイコパスと、人格者の金持ちに誰もが羨む美人という理想的な夫婦、、って、それは家庭円満になるはずがありません (笑) だから、何かしら悲劇を伴う結末なのは想定していたけど、それにしても表現力の高い演技者たちによる、重厚で観応えのあるサスペンスドラマではありました。個人的に、こういう奥行きが深い役をベネディクト・カンバーバッチがやれば、もう当然のように映画のクオリティが上がっていく、それはわかっていた。だから、本作をがぜん面白くしていたのは、コディ・スミット=マクフィーの存在ではないだろうか。彼がスクリーンに登場するだけで、私は不安になり、妙な胸騒ぎがして仕方がなかった。なぜなら、まるで現代社会の若者が荒々しい「西部劇」の時代に迷い込んだようで、彼一人だけが「異質」であり、この映画の世界観にそぐわないから。 それぞれの思惑が交錯する展開の中で、家族が州知事を招いた「ピアノ」のエピソードが特に印象に残ってる。ローズがピアノを拒絶したことにより、場がしらけて空気が悪くなるなかで、フィルが現れたことにより空気が一変した。私は、彼が追い討ちにきたのではなく、むしろローズを助けに来たように見えました。観終えてみれば、フィルは横暴ではあるけど、それは人に不器用な裏返しでもあり、実は我々が思うほど悪意に満ちた男ではなかった、と思えてきます。しかし、その心のうちはとうとう最後までわからない・・。 ・・そもそもですが、この映画は主人公であるフィルの「感情」を描かない、という実験的な手法を取ってます。この荒々しい時代に、彼は何を思って生きていたのか、彼は本当に殺されたのか、、全ては謎のままであり、むしろ彼以外の人間たちの異常性・残酷さが尾を引くように際立つばかりだ。 以下、個人的な宿題としての備忘録。 アメリカの西部劇に、英国人であるベネディクト・カンバーバッチ。なぜか。 夫婦役は、実生活でも夫婦であるお二人。しかし、本当にそれだけの理由によるキャスティングだろうか? そして、「ピアノ・レッスン」の巨匠は、なぜピアノを弾くことを拒んだのか? 映画に見え隠れする、監督の "隠しメッセージ" について、探究してみたいと思う。 【タケノコ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-02-12 14:03:07) (良:1票) |