8.《ネタバレ》 今までどんな的外れの邦題を見てもほとんど気にしたことが無かったのですが、さすがに今回はダメでしょう。「8月のメモワール」は美しいタイトルですが、本作のテーマではありません。しかも劇中、結構良いタイミングで「メモワール」の単語が出てくるもんだから、見ている人達をミスリードしちゃう危険性まであります。 本作は原題の「The War」が全てです。父親(ケヴィン・コスナー)が戦争による貴重な体験を息子ステュー(イライジャ・ウッド)に伝えるんです。ステューは最初反発しますが、父親との会話を通しながら、少しずつ父親が自分に伝えたいことを理解し始めます。ツリーハウスの下で、涙ながらに語るダッジのエピソードにより、父の言葉と心をステューは完全に理解するのです。 ところが、更なる悲劇が父とステューとその家族に起こります。そして哀しみに暮れるステュー姉弟から、いじめっこグループがツリーハウスを奪い取ります。ステューは父の言葉を忘れ、戦いをしかけます。そして戦いの中、ステューも姉も、次第に自分を見失っていくのです。ところが、偶然高いところから皆の諍いを見下ろしたとき、再びステューは父の言葉を思い出します。そして実感するのです。戦争を。戦争の中に身を置いた人間を。 これは完璧なまでの反戦映画です。ものすごくわかりやすく、それでいて心の深い部分にまで訴えかけてきますから、メッセージ性はかなり強いと思われます。 ただの少年少女をとりまくひと夏の思い出映画として勘違いしながら見てしまうと、きっと痛々しい現状ばかりが目についてしまうのではないでしょうか。原題のイメージで鑑賞するからこそ、この映画は意義深いものとなり、見る人に感動を与えるのだと思います。一本の映画で何回も泣いてしまったのは、年のせいだけだとは思いたくないです。 素晴らしい隠れた名作であり傑作です。こういった作品は、どうしても採点を迷います。やはり私にはちょっと厳しすぎる現実が辛すぎました。苦手な要素も内包した作品でしたので、個人的嗜好も含めての採点になっております。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-04-02 08:06:18) (良:1票) |
7.もしアメリカに旅行するのなら、でかいビルがぼんぼん建ってるニューヨークよりもこんな場所に行ってみたい。それだけがいいなと思えただけで、意外と薄っぺらい映画だと思う。「私は良い人間よ」「俺はスーパーマンだ!」「俺はバイキンマンだ。ウヒヒヒ」みたいな、善悪をはっきりさせすぎてるのが嫌。好きになれる人物もいなかった。イライジャ・ウッドは演技がうまいし、魅力的だけにもっと他の人物像にしてほしかった。「優等生的な映画にしよう」というのがねらいすぎていて鼻についた。 【Syuhei】さん [DVD(字幕)] 3点(2005-08-25 16:22:28) (良:1票) |
6.少なっ!!ケビンコスナーで唯一泣ける映画やぞ!! 【諸星わたる】さん 8点(2004-04-07 02:48:30) (笑:1票) |
5.映画館で見たんですよねぇ・・・あの中には落ちたくないなぁ~って思ったことしか覚えてなくて(汗)。男の子イライジャウッドだったんですね、可愛いはずだわん♪ 追記:再見。イライジャの酷すぎるよ!の訴えには涙ボロボロでした。それと白いブランコの家はこれで見たんだ~。夢で出てきたんですよね、感激の再会っす(TT)。 【ジマイマ】さん 5点(2004-03-30 14:19:43) (良:1票) |
4.発端は小さな子らの喧嘩。そして、悲しくて伏せた睫毛は目の下に「影」を作るし、悔しくて握り締めた拳の中にも小さな「闇」が出来る。些細な悲しみと怒りが、影と闇を生み出す。そしてそんな取るに足りないような影や闇でも、人間を侵食するに十分な力を持ち、その機を狙っている。白い絵の具と黒い絵の具、同量を混ぜたらどっちが勝つかなんて、やってみなくても誰でも分かる。同じ質量なら、正の力が負の力に敵う訳なんかない。それは増幅する。影は人を覆う。闇は世界を席巻する。どんな戦争だって発端は、小さな子らが作り出した、目の下や拳の中の、ほんとうにほんとうに取るに足らない影と闇に過ぎない。変な邦題に騙されてはいけない。これは立派な反戦映画だ。そこにあるのは、最も根源的な「戦争」の姿なのだから。 【ひのと】さん 6点(2004-02-15 17:09:12) (良:1票) |
3.この真摯な名画にこんな安っぽい邦題をつけちゃいけない。世の中には確かにいい邦題もないとはいいきれないが、ひどいもののほうが多すぎる。ランキングをつけるとしたら、これはベストじゃなかった、ワースト3に入るね。邦題“撤廃”運動を起こしたいくらいである。映画のほうは、久々にケビン・コスナーを見直しました。イライジャの芸達者ぶりもよくわかります。家族をテーマにしていますが、案外スケール感のある話です。もっと大勢に見てほしい。隠れた名作です。 【おばちゃん】さん 9点(2003-08-23 22:28:35) (良:1票) |
2.これ、大好きです。ケビンは役得もあってとてもいい。I・ウッドや女の子の子供達が、戦争で心から傷ついた父から「人生で大切なこと:争わない、戦わない」を教えてもらい、自分たちの日常(けんか、差別など)からそれを理解し学んでいく。父の教えを最後に作文にして読むその文章は、私にはチャップリンの独裁者の演説に並ぶ名文で感動した。他にも名文句があって、ビデオは永久保存版になっている。アメリカでは弱腰だと多分受けなかったのではないか。かつてのアメリカンヒューマニズムを思わせる、近年のアメリカ映画では希有の作り方がされている。 【キリコ】さん 9点(2003-05-20 22:10:37) (良:1票) |
1.細部に多少の行き過ぎ感があるのが拭えないけれども、父の背中を求め、避けられない現実に対して徐々に咀嚼し乗り越えていく少年の成長の姿が涙を誘いました。ケビン演ずる父親も理想的でした。ただ、どう頑張っても「34歳」には見えないぞ・・・・・(-_-;) 【くまたん】さん 7点(2002-04-30 17:08:23) (笑:1票) |