《改行表示》 5.《ネタバレ》 安いホラーかなと根拠なく値踏みしての鑑賞だったけど、これがなかなか良く出来たジュヴナイル作品でした。 主人公のメイソン君がちょっと陰のある魅力的な15歳(くらい?)で、その妹がまた健気で肝っ玉座ってて大変好ましい。 誘拐された先でも、観る側の嫌悪感を掻き立てるような悪趣味な怖がらせをしない演出が好印象。友人や、街の不良先輩らの手助けを得てギリギリの環境下で心の成長を遂げる主人公が瑞々しくて、まさにジュヴナイルの世界線。 冷凍庫を裏からぶち抜いてもねえ表の扉がかんぬきではねえ。まったく不良ってバカなんだからもっと有用なアドバイスをしてちょうだいよ、とあの場面ではワタシも主人公と一緒に泣いてしまったがまさかラストに効いてくるとは。舌を巻いてしまいました。 友情と勇気で成長するお話ということで、そう少年ジャンプみたいです。もっとずっと暗めでえげつないですけど。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2025-04-05 23:19:46) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 サイコホラーとしては随分とライトな作品。誘拐され監禁されているとは言え、陽の光が入る広々とした地下室、緊縛されていることもなく出入口は施錠されてもいない。犯人が時折り訪れて暴力を振るうということもない。つまり、差し迫る恐怖という状況は演出されていません。なので恐さは殆ど感じられません。 そしてオカルト或いは超常現象的なことが大上段から振り下ろされています。具体的には、ひとつには妹の持つ母譲りの予知能力。父親は否定(と言うより嫌悪?または恐れている?)しているし先生も刑事も最初は全否定しているものの、結局は素直に受け入れている。事件の解決に向けた決定打ですね。 もうひとつは、よりいっそう重要な要素である黒電話から聴こえる亡霊の声。これはフィニーの特殊能力とも受け取れますが、フィニーの脱出劇はこれなしには実現しなかった訳で、妹の予知夢に基づく警察の急襲によって恐らくは救出出来たのでしょうけれど、犯人が死んでいなければスムーズだったとは限らない訳で、ふたつの超常現象・特殊能力があって初めて無事一件落着と言って良いのでしょう。 超常現象や超能力ありきの物語はある意味何でもありの世界ですから、そういう意味でも結構ライトな安心して鑑賞出来るサイコホラーと言えるでしょう。と同時に、そのあたりの変化球がお嫌いという方には「んな訳ねーだろ!」的な受け入れ難い展開とも言えるでしょう。私は肯定派なので評価は高めです。 ただ、ちょっとだけ気になったのはエンディング。フィニー兄妹の成長物語、そして父親も含めた家族の物語としてのハッピーエンドと素直に受け取れば良いのかも知れませんが、何と言ってもフィニーは殺人を犯した訳ですし、果たして正しい成長を遂げたのか?周囲から恐れられる存在となってしまった彼の将来に闇はないのか?全く触れられなかった犯人像と絡め、必ずしも清々しい余韻だけを残した作品ではないのでは?特に未読ですが原作はジョー・ヒルさんということもあるし…と思ってしまった次第です。 もしも続編を作ったならば、その中でフィニーは仮面を被り…?! なんてのは妄想かな? 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-03-24 12:19:11) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 少年の成長映画と思えばなかなか面白かった。 持つべき物は友人とも言えるのかもしれない。 のだが、結構な虐待シーンが挟まれるので苦手な人はやめた方がいい。 ベルトで叩かれる妹役の真に迫ったあれ、創作だと平気な自分でもちょっと嫌な気分になったので。 父親の妹の「夢」への過度な執着は奥さんの経験から来る歪んだ愛情表現なのだが、それにしたってやってることは糞すぎるわね。 本筋とはあまり関係ない部分が引っかかってしまうのは残念。 原作は読んでないが割と重要な設定だったりするのかな? 犯人もベルトで暴力を振るう旨が言及されてるし、父親と重ねることに意味が含まれてるのかと思った。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-02-28 15:31:47) |
2.《ネタバレ》 児童連続誘拐事件の犯人に誘拐された少年の映画。観る前は、もっとこうオドロオドロしい、猟奇的な犯罪の怖い映画かなって思っていたんですけど、どっちかゆーとジュブナイル的な、ファンタジー寄りのお話で、幽霊とか超能力的な助力を得て、脱出するためにガンバル映画でした。ただ、一番最初に幽霊が出た時は、ちょっとドキッと、飛び跳ねてしまいましたけど。ジャンプスケア―的なのはそれくらいかな。犯人も倒すべき悪役としての立ち位置だけで、そんなに深みとか感じひんかったなー。お面の印象のみ。でも面白くないはけではなく、最後もスッキリできたし、それなりに楽しんで観れました。 【なにわ君】さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-11-09 20:58:31) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 「えっ、お前…死んでね?」ってキャッチコピー付けたくなるくらいそこそこびっくりします。説明的な序盤は眠いですが主人公が閉じ込められてからが勝負。 死人が出て来るとこは怖いです。シチュエーションも怖いです。劇場で隣の人が飛び上がってたし。しかしド直球なホラーではなく、色んな要素が詰まった、あまり類を見ないタイプの映画という印象。サスペンス、脱出劇、勧善懲悪、ヒューマンドラマとその姿を変えていき、鑑賞後は妹役のMadeleine McGrawが最も印象に残るというこれまた不思議な映画。とにかくこの子がめっちゃ可愛いです。スティーブン・キングの息子が原作という事でどんなもんかと期待して公開初日に特攻んだ訳ですが、なるほど監督がマデリーンに惚れ込んでスケジュールまでこの子に合わせたってくらい、原作そっちのけでマデリーンの魅力をぐいぐいと前面に押し出して来ます。これだけでもう見る価値があります。 デイブレイカーとかフッテージとかジメッとした映画が似合うイーサン・ホークなので、こうした陰惨な役どころもきっちりやってくれるだろうとは思ってましたが、ラストは案外情けなくてこれまたイーサンらいしというか微笑ましい。ハリウッドにしてはかなり低予算ながらイーサンの様な大スターを起用した事によって作品が締まります。 自分はどちらかと言うと同じホラー映画でもひたすら逃げ惑うよりも立ち向かって欲しいと考える口なので、この映画は好きな無類。お兄ちゃんはこのピンチを切り抜けて可愛い妹の元に戻れるのか、ぜひ刮目されたし。 【にしきの】さん [映画館(字幕)] 7点(2022-07-01 20:32:17) |