4.人間の潜在意識を実体化させる謎の生命体ソラリス。SF的題材としては極めてベーシックなファーストコンタクトを描いている。しかしこの題材で、これほどまで深遠な哲学的作品に押し上げたSF映画はかつてあったであろうか。今は亡き愛する者への思い、駆られて止まない望郷の念 …静かな詩的映像で切々と描かれており、タルコフスキー監督の格調高い世界観が堪能出来る。ところでこの作品ほど、自然界に存在する“水”について考えさせられたことはない。(いうまでもなく“水”は、タルコフスキー作品に於いて重要なモチーフなんだが) 人体の7割は水で出来ており、人間は水によって生かされているとも言える。この“水”の詩的で神秘的な演出は群を抜いており、観る者にイマジネーションを働かせ思索的にさせてくれる。また、ラストシーンはハンマーで頭を叩かれたように衝撃的だ。ひょっとしてこれは、失われた幻影を追い続ける悲しい男の物語りで、それはタルコフスキー自身を投影しているのかもしれない。「2001年宇宙の旅」と双璧をなすSF映画の孤高の傑作といわれるだけのことはあると思います。 【光りやまねこ】さん 10点(2004-08-12 11:19:49) (良:1票) |
3.何と評して良いか分からないが、とにかくスゴイ映画だと思う。昨今のこけおどし的SFXや小手先の技術に頼ってクソつまらない映画がゴミの山に見える。親子の愛、夫婦の愛といった人間的な深いテーマを独特の雰囲気で描いており、3時間弱の長さも気にならない。まあ、最新技術を否定するわけではないが、イイ話があれば奇抜な特撮なんて必要ないんだねぇ…。 【TERRA】さん 10点(2003-11-12 19:55:24) (良:1票) |
2.クリスが人間へ再生していく所が興味深かった。妻、母、父への愛を取り戻していく姿に感動した。また、映画自体の独特の世界観、映像美が素晴らしいし、 時の描き方が長回しや固定画面の多用によって監督独自の感性で描かれており、否応にも同じ時間を共有させられてしまう点が見事だ(特に象徴的なのが、バートンが運転する車が高速道路を走るシーンである。長回しで延々と車の中を撮影することで、バートンが感じる「時の厳しさ」を観る者もバートンと同じように感じてしまうのだ)。タルコフスキーの映画で不可欠な水も忘れてはならない大切な要素である。母親との思い出を描いた回想シーンのなかで出てくる癒しの水、過去を象徴する水溜り、時のリズムを刻む水の音、水と触れ合うクリスやその妻ハリー(水と触れ合うというのは時間の非可逆性の中で生きるタルコフスキー的人物像を描く上で不可欠な要素)など、水の使い方が「時間」という観念をうまく表現しており、水の流れが未来へと流れ込むことによってタルコフスキー映画は完成するのである。そして、地球への帰還がそのまま惑星ソラリスへの残存となってしまうラストには驚嘆せずにはいられなかった。驚きと興奮が連続する映画であることは間違いない。 すごい映画である。 【たましろ】さん 10点(2003-09-24 22:41:03) (良:1票) |
1. 満点にきまってるだろ。クドクドこむずかしいコメントを言うのはやめて、純粋に純愛映画を楽しもう。ううっ!泣けるぜ。この映画は!涙が出てきてどうしようもなかったぜ!!! この後に原作を読みました。うおー!こっちだって負けないくらい泣けたぜ。レムさん!タルコフスキーさん!すばらしい感動をありがとう!!! 【ニック・アダムス】さん 10点(2003-06-23 21:42:56) (良:1票) |